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思春期の女子が直面するダブルバインド(「可愛くなれ」というルッキズムと、「色気付いて」という大人からの揶揄)


最近になって、ようやく言語化できるようになった昔からのモヤモヤがあります。


思春期の女子の苦しさは、心身の変化への戸惑いと同時に、成長と共にメディアや同世代から「可愛くなければダメ」というルッキズム圧力を受けるようになり、身なりに気を遣おうとすれば、周囲の大人から「色気付いて」と揶揄されるというダブルバインドにもあるのではと改めて感じます。

私も小6の頃、濃くなってきた眉毛が気になって自分で切って整えてみたところ、「色気付いた」と言われてしまったことがあります。

そもそも思春期は、二次性徴によるホルモンの変化で、毛深くなった、ニキビが出た、太ってきたなどの、今までにない変化に戸惑う時期です。


私自身は二次性徴が早い方で、早くからニキビ、太りやすさ、ムダ毛には悩まされましたし、思春期に入り自分が急速に醜くなってしまったような、そんな体感もありました。

同級生から「スキンケアしたら?」「痩せたら?」と言われてしまったこともあります。

その後、「色気付く」という言葉を広辞苑で調べてみたところ、「性的感情を抱く」という説明文が出てきて、更にうわっ…🤮ってなった記憶があります。

私は自分に自信を持ちたいから、同級生にも舐められたくないから身なりに気を遣おうと思ったのに、勝手に「異性の気を惹きたい」からそうしてると思われてる…そんな気持ち悪さを感じていました。



メディアや同級生からは「可愛くなければ価値がない」という圧力を受け、身近な大人たちからは「色気付くな」「外見に気をとらわれてないで勉強しろ」という圧力を受ける。

自分の顔や身体なのに、思春期になると様々なジャッジに晒されるようになるし、外見を改善しようとすると理解のない大人に「色気付いた」と揶揄され、時には阻まれる。

こうしたダブルバインドも思春期の女子の自尊心を削るのではないかと、過去の自分を振り返って思います。

何にせよ、「色気付いた」という言葉からは、
女は男の気を惹きたいから着飾る」という、
女性の装いについて、本人の主体性は無視で過度に性的客体化しているような認知の歪みを感じます。

最近になって、やっとTwitter(X)でも、日焼け止めやリップクリーム禁止といった厳しすぎる校則が問題になったり、「女性が着飾ったり、露出度の高い服を着るのは、その装いが好きだから着ているのであって、男性の気を惹きたいからではない」という考え方が浸透してきています。

若い女の子たちには、身なりに気を遣うという「理想の自分に近づこうとする」「自己表現」という自立の第一歩を妨げられて拗らせたりしてほしくないし、親御さんも、思春期の変化に戸惑いながらもアイデンティティを確立しようとしている子どもの気持ちに寄り添ってほしい。

改めてそう思います。


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