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娘が岡山に移住した(どんちゃんの大冒険①)

ゆらら家一人娘のどんちゃん(左)。去年の12月から家を離れて、岡山は蒜山高原の貸別荘で住み込みで働きつつリモート大学生しています。※画像は私が盛れてる3年前のもの。この記事は全般的に親バカビジョンでつづられています。

なぜ地方へ?

どんちゃんは小学校から高校までバリバリのハンドボール部。大学ではハンドやらないっていうのは本人が決めたことだけど、中学では県の選抜選手になったり、高校ではキャプテン&部長としてガツガツに仲間と力を合わせて目標を追いかけて超・自主的に走り続けてきた娘にとって、「都内の大学生」っていうぽわんとした立場はどうにも物足りないみたいだった。

体育会に入るつもりはないけどハンドサークルをのぞいたり、中学時代のハンド部の子と遊びで試合したり、ゼミ長やったりダンスやってみたり、バイトをかけもちしてひたすらお金を稼いだり…いろいろやって足掻いている時期があったと思う。

そのうち友達の住んでいる茨城県つくば市に遊びに行くことが多くなって、すごく気に入ったと言ってた。都心とは違う空間の広さだったり、車でちょっと走れば観光地にすぐ行けたり、自然が身近にあったり。時間の使い方がゆったりしてることも良くて、「卒業後は田舎で暮らしたい。子育ては地方でしたいな」なんて言うようになった。

移住にいたるきっかけは?

地方には行ってみたい・でも交通費が痛い。なんとかタダでいろんな地域に行ける方法はないかと探して(笑)たまたまネットで見つけたのが「おてつたび」というサイト。1週間程度いろいろな地域へ有償ボランティアに行くようなサービスで、これは娘にとってものすごーく良い経験だったみたいです。地域の受け入れ先や自治体の人にお世話になって仕事の合間に周辺案内してもらえたり、伝統の仕事を見せてもらえたり。時にはただの「安いアルバイト」扱いでひたすら労働させられる受け入れ先もあったみたいだけど、それは仕方ないね。

しかし、世間がコロナで身動きが取れなくなった2020年。大学は完全リモート授業になり、アルバイト先は高齢者の多い接客関係だったのでヒヤヒヤしながら働いていたらしい。「おてつたび」の受け入れ先も、当初予定を組んでいたのに「現地はお年寄りが多いから」という理由でキャンセルになることも。これも仕方のないことです。

「おてつたび」だけでなく娘は自分が調べて気になった地方の企業に連絡を取り、何かお手伝いができないか交渉したり、PCR検査を受けながらイベント参加のために自費で出向いたり、行動は続けてました。

なんでそんな遠くへ?

どの地域も魅力があったようだけど、中でも娘がロックオンされたのが岡山県の蒜山高原。周辺に自然が多く、受け入れ先の貸別荘オーナー家族がとっても素敵だったらしいのです。旦那さんがイタリア人で、ご夫婦が作る食事がめっっちゃ美味しくてお子さんたちもめちゃくちゃかわいい。

仕事はほかの「おてつたび」経由で来ていた大学生や留学生と一緒に、貸別荘の受付や客室のお掃除など。仕事の合間に高原野菜の収穫や近所のワイナリーに行ったり、鳥取砂丘や大山までドライブしたり。近隣に住んでいる人もご夫婦でリタイヤしてカフェを開いてる人や、都会から移住してきた移動式ピザ屋さんなど、行動的でキラキラして憧れを持てる人がたくさんいたんだって。

このまま帰りたくない・ずっとここにいたい・なんとかできないかと頭フル回転!
おてつたびの最終日、本当に思い切って「ここで働かせてください」(千と千尋か)とオーナーに交渉したそうです。

答えは…まさかのOK!

オーナー側も喜んでくれて、どんちゃんが何ができるか・何をやってもらいたいか、住み込みで部屋や光熱費は込み込みで報酬はどうしようか?など、お互いの希望を出し合ってかなり良い条件で受け入れてもらえることになったようです。
最終的に、普段の仕事は貸別荘の受付や客室の掃除に加えて、貸別荘のPR動画を撮影・編集など、インスタやYouTubeでの発信をさせてもらってるみたい。

オーナーも思い切ったことを決断してくれたと頭が下がる思いです。娘は動画編集が得意です!ってアピールしたらしいんだけど、なにしろまだ学生でなんの実績もないし、ただちょっとコミュニケーション能力が長けているぐらい。そんな子を固定給が発生するスタッフとして住み込みで受け入れるというのは、かなりの先行投資してくれたと思う。ほんとにありがとうございます。

最初は貸別荘の1棟に住ませてもらってたんだけど、寒波で水道が凍ったりしたためオーナーさんのお母様(おばあちゃんと呼んでいる)の住んでいる家の2階に居候させてもらってるそう。良くしていただいてるみたいです。

なんで今なの?

と、移住前に友人やそのお母さんとかから散々聞かれたんだって。大学3年でそろそろ就活が始まる時期だし、普通は卒業してからじゃない?親は許したの?まさか嫁ぐの?とか。親の許可をとるなんて本人は思ってもなくて、単に「時がきた(タイミングが合った)」ということらしい。前々から行動してたからね。

親である私は、意外と早いなと思ったけど驚きはしなかった。むしろ娘がやりたいことを見つけてワクワクしながら飛び出して行く高揚感が伝わってきて、私まで嬉しかった。

「行くからには覚悟を持て」とか「成功するまで帰ってくるな」なんて言わない。「やってみようと飛び込んだけど、結局何か違った」とかでもいいよ。やりたいことをやることが幸せだと思うから、応援するだけです。

そしてどんちゃんは冒険の旅に出た

11月に「おてつたび」で岡山に行って、半ばに一度帰宅し、アルバイト辞めるとかなんとか一通りの手続きやお世話になったみなさんに挨拶して、友人たちと別れを惜しみ最後に富士急へ遊びに行き(笑)キャリーケースとPCを持ってあわただしく娘は旅立った。12月1日のことです。

大学の授業はまるで通信教育のようで、PCさえあれば本当にどこでも受けられる状態。とはいえ地方は首都圏よりずっとコロナに対して警戒心を持っていて、受け入れには慎重なところが多いです。自分が行きたいだけじゃなくて、その受け入れ先の意向も尊重しなくては。PCR検査なんて、もう何回受けただろうね?
コロナ禍で学校に行けなくて塞ぎ込んでしまう子も多いと思うけど、逆に「学校に縛られる理由がなくなった」と飛び出す娘はすごいと思う。

お正月にも帰らず大雪の降る蒜山で雪かきしたり、宍道湖や出雲大社まで足を伸ばしたり、そこらへんのあらゆる人たちに紹介されたり、毎日忙しく充実してるみたい。とはいえ仕事面や人との付き合い方で壁にぶつかって悩んだり、苦しんだりすることも時にはあるようです。そんな時はたまに電話でマシンガン愚痴トークを聞くけど、全般的に楽しくてしかたないって。

動画の編集してるということがだんだん認知されてきて、今まで交流のあった自治体からオファーがあって取材に出かけたり、新しくmac買ったり、一人の部屋が寂しくてオオサンショウウオのぬいぐるみを買ったり(なぜ)しているそうです。

いつまで岡山にいるのかは未定だけど、少なくとも卒業まではいるらしい。私もコロナが落ち着いたら行きたいな〜。蒜山高原は花がいっぱい咲くみたいだし、ジャージー牛のおいしいヨーグルトや倉吉の三朝温泉も気になる。
どんちゃんの冒険譚を夜を徹して聞かされることと覚悟してます!




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