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第二回北陸ジュニア竜王戦の担当者さんに大会についてインタビューしてきました

 2023年9月18日に開催が迫ってきた第二回北陸ジュニア竜王戦。第二回となる今回は昨年の第一回の成功を受けて様々な面がパワーアップ&改善されたとのこと。主催の読売新聞の担当の山口さんにお話を伺ってきました。


昨年の第一回大会について

———本日はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます。早速ですが昨年の第一回の大会についてお聞かせください。
山口さん
 まず、昨年の第一回大会の参加者のみなさんや来場いただいたプロ棋士のみなさんにお褒めいただいたのは会場の素晴らしさです。
 歴史ある金沢東別院を舞台にした本大会は大変なご好評をいただきました。とりわけ荘厳なお寺の奥の間での決勝戦や、そこからライブ中継を繋いだ大ホールでの大盤解説はみなさんに喜んでいただけました。

決勝戦はお寺の奥の間で
決勝戦のLive中継の様子

———1僧侶としてお寺を褒めていただけるのは非常に嬉しいです。大変なご好評をいただいたとのことですが反省点や改善点はありますか。
山口さん
 音響設備の不備や会場の案内についての行き届かない点がありました。北陸ジュニア竜王戦は将棋大会に参加する方にはもちろんのこと、保護者の方や応援してくださる皆様にも満足していていただきたいと考えています。その意味でメインとなる対局環境はもちろんのこと、その周りの環境についても改善をしていきたいです。
 また、前回は指導対局を受け切れない子が出てしまいました。こちらの不手際で猛省いたしました。それを受けて今回は前回参加していただいたプロ棋士4名に加えて谷川永世名人にもご来場いただきます。さらに指導対局の時間そのものもしっかり確保します。間違いなく希望者全員に指導を受けていただける体制をとれるものと自負してます。
 また、全体的に運営面でもたついた点がありましたので、入念に動線確認をして臨むつもりでいます。

パワーアップした指導対局

———指導対局環境は具体的にはどのように改善されたのですか
山口さん
 具体的な数字を挙げますと前回は80人の希望者がいましたが、そのうち7人が指導を受けられませんでした。前回の指導対局は11時に開始して16時頃まででした。ただ11時から指導されたのは2人のプロ棋士のみでした。その点を改善して今年は11時から5人での指導体制をご用意しております。17時半頃まで時間を確保しますので、途中で休憩を挟むとはいえこの体制ならばしっかり指導を受けられると考えています。

———かなり手厚い指導体制ですね。読売新聞さんの本気っぷりをビシビシ感じます。他にもパワーアップポイントを教えてください。
山口さん
 実は今回の第二回大会は金沢東別院さんで開催されていた寺王戦と合体しての大会になっています。ですので第一回大会と比べてお寺さん側からのより大きなバックアップをいただいております。具体的には使用する部屋数が増えました。前回よりも広々とした環境でゆったりと対局に臨んでいただけます。
 加えて新しい試みとしてお寺の敷地内にある金沢こども園の協力を得てキッズスペースを設置しました。

キッズスペースやコラボフェスで家族連れも安心

———キッズスペースですか!?きっかけと狙いについてお聞かせください。
山口さん
 北陸ジュニア竜王戦は北陸三県から参加者がいらっしゃいます。ということは当然親御さんが同行されるわけですね。中には小さいお子さんを連れて参加される方もおいでるでしょう。対局場近くで静かにして応援するのも大変なことだと思います。そんな親御さんに安心して参加していただける環境を準備したいと思いました。
 キッズスペースはこども園の大ホールを使用します。私も実際に見ましたが、広々としていて、お子様が走り回っても全く問題ありません。また資格を持った保育士さんが2名常駐しますので、その点でもご安心いただけると思います。現状では3歳未満のお子様のご利用については事前申し込みをお願いする予定です。詳細については近日中に新聞の紙面や公式Twitterでご案内いたします。

———素晴らしい試みですね。きっと親御さんにも喜んでいただけると思います。さらに今回は門前商店街とのコラボフェスタも開催と伺いました。
山口さん
 そうなんですよ。18日当日は金沢東別院の門前商店街の金澤表参道さんのフェスタとコラボしていただけることになりました。加賀能登グルメの出店や各種の催しが出展予定です。敷地内に食事スペースも用意してますので、このフェス単体でも十分お楽しみいただけるのではないでしょうか。この点でもご家族連れのみなさんにご満足いただけるのではないかと思っています。

https://www.youtube.com/watch?v=UjQqNoj8INY

2023年4月に開催されたフェスの様子

もう一本の柱、二部戦

———惜しくも各県の予選で敗退した子や、日程が合わず予選に参加できなかった子に向けて二部戦が開催されると伺っています。
山口さん
 その通りです。北陸ジュニア竜王戦では二部戦を大会の柱のひとつと捉えています。単なる慰安戦とは捉えていません。そもそも北陸ジュニア竜王戦は子供の成長を大きな目的に見据えています。すなわち予選で悔しい思いをした子がそれをバネに成長して再度挑戦する舞台を是が非でも用意してあげたいのです。それゆえに二部戦の賞品も魅力的なものを準備しています。
 また二部戦でも予選リーグがありますので、一回負けたらそこでおしまい、という形にはなりません。さらに二部戦に参加してくれた子達も全員指導対局を受けられます。
 実は昨年の二部戦で活躍した子達が、今年の予選で大活躍して県代表に名を連ねているんですよ。主催者として非常に嬉しい事実です。努力が報われるという体験と、その努力を讃える舞台として、二部戦にも大きな比重を置いています。

活気あふれる会場

今後の展望と大会にかける思い

———山口さんの大会にかける思いや今後の展望をお聞かせください。
山口さん
 私事になるのですが今年で新聞記者になって30年目の節目を迎えました。振り返ると、取材を通して多くの人との出会いがあり、多様な価値観に触れることができた日々でした。社会が大きく変化する中でも、いやだからこそ、最も大切にしなければならないことも分かってきました。
 その一つが、時代を担う子どもたちの未来です。5年前に石川県に転勤となり、2人の息子が将棋と出会いました。幅広い年齢層との対局を通して少しずつ成長していく2人の姿を見て、将棋を指す地域の子どもたちのために、ささやかなプレゼントを贈りたいと思うようになりました。真剣に対局に挑む子供の横顔を見ていると、思わず込み上げてくるものがあります。
 北陸ジュニア竜王戦を通し、これまでの取材で得た「宝」「財産」を、さまざまな可能性を持った子どもたちのために還元できれば大変うれしく思います。

———社会還元というお話をいただきましたが、私も僧侶としてそれを大きなテーマに持っています。今回の北陸ジュニア竜王戦のお手伝いをさせていただきますが、少しでも社会還元という恩返しができれば、と思ってます。
 本日は貴重なお話をありがとうございました。
山口さん
 こちらこそありがとうございました。

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