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ローライフレックス2.8Cとローライキン

ローライ35Sと並んで10年以上使ってきた相棒のフィルムカメラ、ローライフレックス2.8C。120フィルムを使う中判の二眼レフカメラで、60mm x 60mmの「真四角写真」が撮れます。重量が1000gを越え、サイズもローライ35Sよりずっと大きいので、ランニングに持ち出すのはちょっとためらいを感じます(何度かやってみたことはあります。その話はまた後日)。でも、上からファインダーを覗いてキュ~ッとピントを合わせ、静かにシャッターを切るというスタイルと、うまく行ったときに仕上がる写真の見事さに惹かれ、大事に付き合ってきました。

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数年前からは、「ローライキン」というアダプターを入れて使うことが多くなりました。ローライフレックス2.8Cは、ローライキンと非常に相性がいいのです。

ローライフレックスは、単焦点でレンズ交換も不可というカメラですが、その分驚くほど多様なアクセサリーが開発されました。接写用フィルターの「ローライナー」、望遠や広角の効果があるコンバージョン・レンズの「ローライムター」、トリガーを引くようにシャッターが切れるようになる「ピストルグリップ」、などなど。ローライキンも、そうしたアクセサリーのひとつです。これを装着すると、通常このカメラに使われる120フィルムではなく、135フィルム(いちばん一般的な写真フィルム)でひとコマ24mm x 36mmの写真が撮れるようになります。

せっかく60mm x 60mmの大きな写真が撮れる中判カメラなのに、ずっと小さい写真にしかならないローライキンを使うのでは本来の性能を発揮させられないじゃないか…。そう考える方も少なからずいらっしゃると思います。その点には私も頷くしかありません。でも、120フィルムでは1本で12枚しか撮れないのに対し、135フィルムを使えば24枚や36枚撮ることができます。フィルム代や現像代も、135フィルムの方が割安です。フィルムカメラを使い続けるコストがどんどん上がってきている中、露出もピントも完全マニュアルな写真を撮るうえで、フィルム1本あたりの撮影枚数を大きく増やせるというのは大きな魅力です。そんなことを考えて、ローライキンを使っています。

こちらが、ローライキンを装着したところ。ボディの背面内側に、このようなプレートを付けます。

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底面の内側部分。135フィルムは120フィルムよりも幅が狭いので、画面左下のねじのようなものを付けての幅を調整します。

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ファインダーも、135フィルムのサイズに合わせた「マスク」を入れます。本来は下の写真のほぼ全面がファインダーとなりますが、135フィルムだと中央のくり抜かれた部分のみが写真を撮れる範囲となります。

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さて、上の方で「ローライフレックス2.8Cはローライキンと相性がいい」と書きましたが、それは、2.8Cにはあらかじめ、ローライキンに対応したクリック式のフィルムカウンター式ノブが装着されているからです。これです。

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ローライキンを装着したローライフレックスは、1枚写真を撮るごとに、このノブ(黒い部分)を押してフィルムカウンターを進め、それからクランクを回してフィルム送りとシャッターチャージを行うという仕組みになっています。この「ノブを押してフィルムカウンターを進める」ことをせずに無理やりクランクでフィルムを送ろうとすると、故障の原因になります。

ローライフレックスの後年のモデルは、デフォルトではこのフィルムカウンター式ノブが付いていません。もっとシンプルなノブが付いています。ローライキンを使わない人にとっては、シンプルなものの方が好まれることも多いようですが、ローライキンを使いたい人にとってはフィルムカウンター式が必需品です。ネットオークションで販売されているローライキンのセットには、このノブが入っていないことがしばしばあります。ネットオークションなどでローライキンの購入を検討されている方は、出品されているものの写真をよ~く確認してください。

ローライキンのセットにフィルムカウンター式ノブが欠品しているものが少なからずあるということは、言い換えれば、ローライフレックスの本体には後付けでこのノブが装着されているものもある、ということです。実際、ネットオークションや「世界の中古カメラ市」で出品されているローライフレックス2.8Fや3.5Fなどを注意深く見ていると、時々このタイプのノブが付いているものを目にします。そうした個体を狙って手に入れるというのも、ローライキンを使いたい方にとってはひとつの方法かもしれません(逆に考えると、2.8Cでも、これまでのどこかの時点でフィルムカウンター式のノブがシンプル型に付け替えられている可能性があるとも言えます)。ローライキンの使い方については、こちらのサイトなどがわかりやすいと思います。

長々と書いてきましたが、ローライキンを装着したローライフレックスでの写真撮影を、私は結構気に入っています。ローライキンを入れて撮った写真を何枚かご紹介します。上の二つは、接写用のレンズフィルター・ローライナーも使って撮影しています。

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ローライキンを装着して135フィルムで撮った写真は、基本このように「縦長」になります。カメラ自体を真横に傾けてシャッターを押せば、横長の写真ももちろん撮れますが、なかなかしんどいでしょう。この縦長写真は、人物撮影にも向いていると思います。私の2.8Cは、もう1年以上、ローライキンをつけたままにしています。「縦長専用」のローライフレックスで、いろいろなものを撮っていくつもりです。


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