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ローライ35のちびっこいやつ(4) このC35には大きな問題が…

購入して初の使用で、楽しみに山へ持ち出したローライC35。現像から上がってきた写真は、意図しない多重露光や、外すはずのない遠景のピントがぼけているという散々なものばかりでした。実は、撮影時から何かおかしいぞということは感じていました。シャッターを押してフィルムを巻き上げようとすると、バリバリッ、ゴリゴリッと普通のカメラなら絶対にしないはずの嫌な音がして、レバーの動きも固かったのです。

私は10年以上ローライ35Sを使ってきたので、ほぼ同じ仕組みのC35でフィルムの入れ方を間違えたとは思えません。それでも、1本撮り終えて、2本目のフィルムを入れる際はいつも以上に慎重に装填しました。巻き上げのレバーは、幾らか軽く動くときも数回ありましたが(前回載せた写真は、多分そうした際に撮れたものです)、やはりほとんどの場合、バリゴリと異音がします。音だけではなく、フィルムがきちんと巻き上げられていないのではないかという感触のときもありました。フィルムを一部感光させてしまうことを覚悟のうえで、撮影途上のカメラの裏ブタを開けてフィルム送りを確認しましたが、どこがおかしいのかはわかりませんでした。それで、まずこの2本のフィルムを撮り終えて現像してみることにしたのです。

やはり、ダメでした。

現像から上がってきたフィルムは、2本とも「どこがコマの切れ目かわからない」ということでスリーブに入らず、ひと続きのぐるぐる巻きの状態で戻ってきました。ネガは多重露光のオンパレード。36枚撮り切ったはずなのに、フィルムの半分近くには何も写っていません。フィルム送りが本来の半分とか1/3とかしかされていなかったということです。理由はわかりませんが、数枚分だけある程度しっかり巻けたときがあり、そこで撮れたのが前回載せたものです(それでも、トリミングで左右の余計な部分を幾らかカットしています)。そうでないところはこんな感じです。

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これでは、とても使っていくことができません。

軽さに惹かれ、どんな写真が撮れるのだろうと楽しみに持ち出したカメラがこんな状態だったとは…。ローライC35は故障しづらいと言われますが、それは、具合が悪くなりやすいスローシャッターや露出計が元からついていないということです。当たり前ですが、それ以外の部位の壊れやすさは、他のローライ35のシリーズと変わらないはずです。フィルムを入れずに空シャッターを切っていたときはこのカメラも問題なさそうだったので、フィルム送りの機構の問題なのでしょう。実際にフィルムを装填して撮影し、現像が上がってくるまでは、わからないものですね。中古カメラのリスクを身に染みて感じました。

さて、このカメラ、どうすればよいでしょう。出品時の商品説明を読み返してみると、カメラの状態説明の数倍の分量を使って「保証なし、返品なし、購入は自己責任!」のようなことが書いてあります。とはいえ、自分で修理に出せばそれなりのお金がかかりますし、手放すとしてもジャンク品では微々たるものにしかなりません。そして何より、ちゃんと動くと書かれていたから購入したのにそうではなかった、というところを泣き寝入りするわけにはいきません。

やはり、返品を申し入れるしかないようです。


いただいたサポートは、ローライ35Sやローライフレックス2.8Cなどで使用するフィルムの購入や現像などに使わせていただきます。