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ランニング中にほんの時々会うカワセミを、初めて写真に撮れた

ランニングを続けていると、気に入ってよく走るコースができてきます。私が好きなのは、車が通らず落ち着いて走れる道。特に、田畑や森、川沿いや海岸など、ほどよく自然が感じられる場所です。

気に入ったコースには、特にピンポイントで「ここがいい」という場所があったりします。私が勝手に名付けている「カワセミの水辺」も、そんなところのひとつ。本当にたまに、カワセミがいるんです。

普段のランで川沿いなどに行くと、時々40〜50cmぐらいある長〜いレンズを付けたカメラを構えた人がいます。水鳥、多くの場合カワセミの撮影を狙っているのではないかと思います。

私の「カワセミの水辺」には、カメラを持った人はいません。まさかここにカワセミがいるとは、というような場所だからです。そして、私がカワセミを見かけるのは年に数回。撮影狙いで来るには可能性が低すぎる場所でもあります。

私がそこを走るとき、カワセミと会うことを期待してはいません。もし見かけることができたらラッキー、というぐらいに考えています。

見ることができたとしても、こちらは走っているしカワセミはすごい速さで飛ぶので、大抵視界に入るのはほんの数秒。鮮やかな青が飛び去っていく一瞬が目に入って「あっ、カワセミがいたんだ」と気づく(そのときにはもうどこかに行ってしまっている)ことも珍しくありません。

そんなカワセミを、この前ランニング中に初めてちゃんと写すことができました。

その日、いつものように「カワセミの水辺」を走っているとサッと水面を飛ぶ青色が目に入りました。いつもならそのまま視界から消えてしまうカワセミが、そのときは20mほど先の対岸に着地して、そこに留まっていたのです。

それを見て、多分私の心拍数はビクンと上がったはずです。これは写真が撮れるかもしれないとポケットからそっとスマホを出し、走るのを中断して静かに近づきました。

そして。

撮れました!スマホだとこの大きさが精一杯でしたが、カワセミを写すことができました。

さらに、30秒ほどその場所に留まっていたカワセミが飛び立って向かった先はまた20mほど先の対岸。見失わずにすんだので、再び静かに近づきます。

今度は笹の葉の上でした。

ここから飛び立っていなくなるまで、全部で2分ぐらいでしょうか。あたりに他の人はおらず、私は寒さも忘れて水辺にたたずんでいました。

今度出会えるのはいつになることか。数ヶ月後か、半年後か、なんとも言えません。ほんのたまに見かけるカワセミがいつも同じ個体なのか、それとも近くに何羽かが暮らしているのかもわかりません。

これからも、「出会えたらラッキー、もし写真まで撮ることができたらもっとラッキー」という気持ちで、カワセミの水辺を走ります。

〈追記〉
2024年1月に出た新書で、カワセミが東京の環境に適応して数を増やしていることを記した本があるとのこと。『カワセミ都市トーキョー』。これは読まなくては、と思ってます、


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