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イタリアの年越し

新年が明けた。

いつもとちょっと違うのは、ロックダウン中であること。
感染者を増加させないために、日祝とその前日をレッドゾーンに、それ以外の日をオレンジゾーンに指定したイタリアだけど、真面目に対処するのであれば、まあなんともややこしい。

いずれにしても、夜10時以降は、基本、外出禁止。
今年の年明けは、きっと静かなんだろうと思っていた。

どんちゃん騒ぎをするイタリアの年越しは、それはそれは、激しい。
古いお皿を割って、厄落としをする…なんて風習もあるし、お祝いに開けたスプマンテのボトルを、地面に叩きつけて、あちこちにガラスの破片が散らばっているし、花火をあげる者居れば、ドサクサに紛れて、爆竹を鳴らす者もいる。酔っ払いもいるし、大声ではり叫んでいる輩もいる。
イタリアに来たばかりの頃は、そんな様子を謳歌したいと、街の中を闊歩していた私も、いつしか、日本の静かな年越しが良いと思うようになっていた。

今年こそ、きっと静かに迎えられる…

その期待が少しあやしいと思ったのは、年越し10分前から、ババババーンと花火が鳴り始めてからだった。
「5、4、3、2、1…」
カウントダウンがゼロになったと同時に、周囲のあちらこちらから、一斉に花火が上がった。

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ふと見れば、爆竹を鳴らしながら闊歩する若者もいる。
花火は、いつもの年より多かったと思う。
それでも、それらを追う警察はいない。
なんともまあ、イタリアだ。

祝い事をきちんと祝う、イタリア人の気質なのかな、と思った。

年越しに花火や爆竹を大きく鳴らすのは、それもやっぱり、新年の開運を願ってのことだということは、後で知ることとなる。

今年こそ、今年こそは、良い年でありますように。
そう願ってやまない。

イタリアで、20回目の年越しを迎えた。

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