繋がり

日本一時帰国。

わずか3週間ほどの日本滞在では、やりたいことが沢山ある。

行きたい場所
会いたい人
食べたいもの
買っておきたいもの
家族や友達

悲しいかな、時間は有限で
だから、全てを叶えるのは難しい。
とりわけ、毎年、快くオリーブオイルを購入してくれている友人たちには
なるべく、会っておきたい…とは思うのだけれど。

日本に到着した2日後、
地元でイタリアンレストランをしている友人の元へと出向いた。
新たな場所で再オープンしてから初めて訪れた事になる。
昨年はあいにく、会うことが出来なかった。
そんな彼から、あるミッションを設けられた。
それは、彼がイタリアで修行していた時のワイナリーのワインを送ること。

私のオリーブ畑ほど、極小ではないものの
大きなブランドメーカーでもない。
海外への発送は出来るけど、支払いは現地に限られている。
だからイタリアにいるうちにしか、購入することが出来ない。

普段は出向くことのない道を
フィレンツェを出発してワイナリーに向かって2時間ほど走り、
ようやく辿り着くことが出来たその先で
とっても素敵なシニョーラが出迎えてくれた。
「彼は私の、息子のようなものだわ。家族なのよ。」
イタリア人の言うこの言葉は、最高の褒め言葉である。
シニョーラは、何度も何度も、彼の名前を呼び続けた。

以前オープンしていたレストランより、
よりシックに、グレードアップしていた彼のレストランで
「今日は楽しんでいただきたいと思います。」と、
彼なりの、私に向けて出されるお皿のひとつひとつが圧巻で、
それは、イタリアンというより
日本のおもてなし料理のようにも思えた。
そのお料理に、使っていただけているオリーブオイル。

全ては、繋がっているのだと思う。

彼の思いはもちろんのこと、
シニョーラの思い、
今は亡き、シニョーラの旦那さんであるワイナリーのオーナーに対する思い、
それらが融合するなにか。

それぞれに、それぞれの想いがあり
それぞれに、それぞれのストーリーがある。

だから、人に会いたくなってしまうのだ。

日本滞在も3分の2が過ぎ去った。
私が「今」出来る事を、
今日も模索しながら
日本滞在を楽しもうと思う。