見出し画像

外資系企業からグローバル企業へ

私自身のキャリアを振り返ると、いわゆる『外資系』企業での勤務経験が多いです。日本系よりは外資系のほうが、自分にとっては働きやすい、日本企業に比べたら水が合う、と思って選択してきたから。

でも実際のところはどうだったか?

そもそも外資系って、資本が外資ってこと。でも私が働いてきた外資系企業は、資本は外資でも、(日本法人の)職場の同僚はほぼ日本人で、外国人はたまに本社の人が出張で来る程度、「英語力要」の条件で入社したけれど英語のコミュニケーションは自分のポジションでは結果的に生じなかったとか、遥か昔に遡ると職場にエキスパットと呼ばれる期間限定(VISAの関係でたいてい2年くらいだった?)の本社の社員が、めちゃくちゃ高待遇で駐在していたとか、そういう外資系体験でした。

それでも外資系らしい経験として、研修のファシリテータートレーニングを、アジアパシフィックの仲間たちと一緒に香港やシンガポールで英語で受講したとか、上司の代理でアメリカ本社の会議に参加したとか、そういうこともあったにはあったけれど、それは日常的ではなくて、キャリア全体から見れば例外的でした。

「世間の認識は思い切り外資系なんだけれど、中身は日系以上に超ドメスティック!」な会社も、はっきり言ってありました。

だから、職場を選ぶときは外資系志向で行くのだけれど、実体験としては、働いた企業の数に対して、それほど”外資系で働いてきました!”って実感が少ない気もしています。あくまで、私の経験の範囲のことですが。

しかしながら、ごく最近、この長年悶々としてきた「外資系って?」について、ちょっと見えてきた気がしていることがあります。

それは、やはり、資本が外資か内資かの問題ではない、ということ。

20年超前にカルロス・ゴーン氏が日産の最高執行責任者に就任し、日産の社内公用語英語化の取り組みが始まった時には「すごい!」と思ったものでした…。その後、グローバル展開をするユニクロなど『社内公用語英語』宣言をされた会社が複数あったようにと記憶しています。その後、その英語化の効能どうだったのか? 聞くところによると、ある企業は「中途採用で英語が出来る人を積極採用することで対応していた」という話も耳にしたりして。社長が外国人になったからいきなり英語の勉強を始めても、それで仕事ができるようになるにはある程度の時間は要しますから、さもありなん、です。

でも、英語も言ってみればコミュニケーションのツールなので、社内の会話や公式文書が英語になったからどうなんだ? と言えなくもない。SO WAHT?! ですよね?

コミュニケーションが本当にスムーズに英語で機能するようになると、日本語時代に比べたら明確になり、それによってビジネスのスピードや企業文化も変わってくるのでは?と予想はされますが、私自身はその体験はないので、あくまで推測です。

一方で、最近気づいたのは、資本は内資、つまり日本企業でありながら、地理的にグローバル展開しているだけでなく、外国籍社員の比率がある程度高く、結果としてコミュニケーションが英語中心になっている、という企業もあるのだ、ということ(今頃それに気づくなんて、私が遅れているのだとは思いますが…)。そういう会社では「日本人同士の場合、日本語で話すこともあるけど、社内システムも英語だし、会議もほとんど英語」なんだそうです。

こういう会社は、私が従来イメージしていた「外資か日系か」の二分の括りにはすでに入らない。日系と呼ぶには、中身があまりにグローバルだから…。

そう、だから、これからは、資本ではなくて、会社の運営やコミュニケーションの在り方、社員の国籍の比率など、そういう視点で、就職や転職活動の企業選びをするのもありかな、と思います。

そう言ってみて残念なのは、自分自身は複数の『外資系企業』に勤めてきたけれど、『グローバル企業』の経験はなかったこと。もしこれからでもそういう機会があれば、どんな形であれ、ぜひ、関わってみたいものです。

冒頭の写真は UnsplashのKyle Glenn さん撮影ものです。感謝します!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?