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【読書感想文】心配事の9割は起こらない

新しいことに遭遇することが多い4月。いつもより心配事が増えてしまう季節、ともいえるのではないでしょうか?「心配事の9割は起こらない」は、些細な心配事で神経をすり減らしがちな方にぴったりな本です。

著者の枡野俊明さんは、曹洞宗徳雄山建功寺住職・庭園デザイナー・多摩美術大学環境デザイン学科教授と多岐に渡って活躍されている方です。

この本は、心配事が起こらない確率について書かれているわけではありません。心配事に振り回されないようにするためにはどうするべきか、禅の思想をもとに教えてくれています。

禅と聞くと、なんだか堅そうで難しそうなイメージが湧くかもしれません。しかし実際に読んでみると、わかりやすくて実践しやすいことばかり。私もまったくの初心者でしたが、するすると消化できる内容でした。

本のなかでは、禅の思想を表す言葉、禅語が登場します。なかでも私の心に残った禅語は、「莫妄想」「七走一座」「日日是好日」の3つです。どんな言葉なのか簡単に紹介します。

「莫妄想(まくもうぞう)」

妄想することなかれという意味の禅語です。たとえば他人と比較して自己嫌悪に陥ることも妄想。知らず知らずにうちに、自分の妄想に縛られてしまうこと、ありませんか。自分自身の妄想が心配事を作り出しているんだ、と改めて気付かされました。

「七走一座(しちそういちざ)」

七回走ったら一回止まってみることも大切、ということ。周囲の人が走り続けているなかで、止まるのは勇気がいります。私も会社員を辞めたとき不安でしたが、止まって悩んだからこそ見えたことがありました。ずっと止まりっぱなしはいけませんが、「無理して走り続けなくても良いんだ」と肩の力をゆるめてくれる言葉です。

「日日是好日(にちにちこれこうにち)」

どんな日でも、その日でなければ経験できないことがあります。「今日は雨だから~できない」ではなく、雨だから経験できることもあるはず。料理にこだわったみたり、ゆっくり映画をみたり…。その日しかできないことに全力で打ち込みたいものです。

このほかにも手帳に書き留めて、何度も見返したい言葉がたくさん紹介されています。何か心配事があってモヤモヤと心が晴れないときに、ぜひ読んでいただきたい一冊です。








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