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第5章 長崎 ⑥「先生や父兄も巻き込んで」

 そして次に、学校での講話をさらに進化させることである。具体的に言えば、ただ被爆者の話をして生徒の質問に答えて終わるのではなく、事前の打合せ時点から単なる講演を超えた時間になるように先生と相談し合うということだ。

 また、講話には可能な限り保護者にもご来校いただき、先生・生徒・保護者・証言者の全員で原爆や戦争、平和について学び考えていくようにできたらどうかと考えている。
 実際これまでに2校の中学校が生徒の保護者にも呼びかけをしておられた。そのうち1校は女子生徒の母親1名が同席なさっていた。
 その学校の先生からお話を聞いたときに「保護者にも来てくださるようにお声がけしているのですが…なかなか難しいですね」と少々悲しそうに語っておられた。本当に心ある先生は、そこまで考えて動いてくださっているということがよくわかった。

 だから私は外部講師として教育に携わる機会をいただいている以上、講話の時間をより良いものにする責任がある。そのためにも、私のような証言者(外部講師)に求めるものは何か、生徒や先生のためにどんな貢献ができるかを常に探していきたい。また、学校に行ったら先生にそれをお聞きするつもりだ。

 以上2つが私の具体的な提案だ。被爆地長崎の証言者として、そして一人の人間として、自分にできることは何でも喜んでやるつもりでいる。
 
***

 来年はどんなところに行き、どんな方々と出会えるのだろう。
 一年後の自分は、どれくらい力がついているだろう。
 これからの人生はどういう方向に進むのだろう。
 
 考えるだけで希望がわいてくる。あとは、この希望を、着々と形にしていくだけだ―。


第5章 長崎 終

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