10月12日~14日の日記

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10/12

僕の支離滅裂な日記帖を省みるに、前に日記を著したのは2013年8月、沖縄での出来事らしい。違った。9月22日に松下さんがイナズマロックフェスの前後で泊まりに来た時だ。ホームレスのようなあごひげで、大阪のホストがやっている雑居ビルのバーに連れていかれた時だ。

それから2年が経つ。
何があったかほとんど覚えてない。相変わらず女の子と遊んでいた。
2014年6月ごろには、さんの彼女の件でいろいろ面倒になった。
沖縄には2度行った。今年は、Yという何の汚れもない女の子と仲良くなった。

でも、この3年間は間違いなくアヤカと過ごした3年だ。今日、アヤカから別れを告げられた。他に好きな男ができたと。色々助けてもらってうれしかったけど、その状態で付き合い続けられない、と。たくさん感謝された。正直、最低の彼氏なのに。

彼女と知り合ったのは2012年で、台風の日だった。彼女がつらくなったのは義理の父のせいだった。弱みに付け込んで、彼女と付き合った。

彼女の処女を奪った。遊びのつもりだったから、ずっと他の子とも遊んでいた。ずっと。でもいつからか、他の子に好きとは言わなくなった。彼女は特別だった。いつの間にか特別になった。

彼女とはずっと一緒だった。デートは週一回、ほとんど僕の家だった。暑いとか寒いとか(彼女が)色々と理由をつけて外に出なくなった。マンネリしても仕方なかった。

プレゼントの仕方も考えた。日々使ってもらえるように。バッグとか、ピアスとか、そういうものは重いと思ってエステ券とか。甘えていた部分もあったと思う。余りに日常すぎて。本当に、恋のリミットは3年。3年で途切れた。

淡路島に行ったとき、屹度(きっと)もう彼女の気持ちは離れつつあったのかもしれない。僕も少しずつ悟って、だから焦って、何とか色々して、気持ちを取り戻したかったのだろう。だめだった。こぼれた。指の隙間から、またこぼれた。失って気付く。本当に好きだった。大切だった。まやかしでも、今の僕にはそれが真実だ。

もっと、他にやれた。彼女をつなぎとめておくことも出来た。後悔している。くるべくしてきたことなのに。
彼女は若いし、もっと色んな未来がある。僕とは違う。彼女はこれから同年代の子と、色んなところに行き、色んなことを経験し、別れ、成長していくんだろう。

彼女の声が好きだった。もう聞くことができない。

この1週間、彼女からの連絡は殆どなくて、彼女の秋を感じてはいたから、思ったほどは驚かず、むしろ冷静に受け止められた。
でも泣いた。居間についた瞬間に。もう、彼女とは会えないかもしれない。でも、シドの『嘘』みたいに、最後に「いつかまたね」といってみた。

彼女の彼は、屹度(きっと)いい人だ。行動的で、色々行けるだろう。アヤカは遊ぶタイプじゃないから、束縛もうけないだろう。きっとしばらくは上手くいく。
でもいつか上手くいかなくなったときに、僕のことを思い出してほしい。他の女の子とは違う、アヤカは僕の人生に残る人だ。

アヤカ、アヤカ。また名前を呼んでいいほしい。

いつからか、セックスをしてる時も「好き」といわなくなった。もともとテレ屋で、云わなかったけど、でもそうじゃなったんだと気づいた。
アヤカ、本---

幸せだった。最期を汚したくない。
本当に好きだった。
キレイに別れたいのに、別れられない。

アヤカさんとの思い出を、少し残しておこう。


「絶対私のほうが捨てられる」って云ってたね。大嘘つき。

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10/13

朝。
1日たってまだ整理がつかない。
何も手につかない気もするけど、仕事を休んだって何かできるわけじゃない。もう一度あいたくて、会うことも考えるけど、逆の立場なら終わった人が何を足搔いてもムダだ。

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10/14

僕は大分強くなった。一度経験しているから。
どれほど苦しんで、どれほど悩んで、死を考えても、朝はやってくるし、やがて忘れていくことを、僕は知っているから。

そしてまた、今得た公開は、次の機会に。次の人のために。彼女ほどの居心地は、もう得られないと思うけど。

そして、キーホルダーのジンクスはまた続いた。

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後日譚

これほど嘆き、悲しんでいる私だが、どういうきっかけか忘れたけれど、彼女とは連絡を取り合うことになる。年に2~3回が、年に1回程度になるわけだけど、それでもか細く彼女との関係は続く。

彼女に当時のことを聞いた。僕と3年間付き合って、どう思っていたのか、と。
そしたら、「謎な人だと思っていた」といわれた。何を考えているのかわからないし、私生活が全く読めない人、と。
僕は彼女にほとんどすべてを見せていたつもりだったから、脱力すると同時に、あまりにも僕らしいなと思った。彼女の意見はあまりに端的に僕のことを表しているようにも思った。

この失恋から、多分1年くらいが経ったとき、彼女からまた連絡が来た。
珍しく彼女がお店を指定し、なぜかコース料理をいただいた。
そして彼女から、結婚するという報告を受けた。
彼女の結婚相手は僕と別れるきっかけになった「彼」だそうだ。

その後、彼女は妊娠し、子供ができたという。
その後のことは、コロナで全人類の距離感が少しずつ歪んだせいで、いまだに聞けていない。

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