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戦場のワルキューレたち

そこは戦場。

癒される間もなく、

しかし、死ぬこともできず、

ただ、己の武器をふるいながら

そして敵すら見失いながら

ただ、ただ戦う場

ワルキューレたちは

戦い続ける

女がなぜここで戦うのか、

問いは他者から、そして自身から・・

甲高い悲鳴

白い羽をもぎ取られた仲間が堕ちていく

背中を紅に染めながら

地面に叩きつけられる寸前に、

背中から紅蓮の氷の羽根が現れる。

もう一度空に舞い上がり、

敵の首をその刃の羽根で切り落とす

返り血を浴びて、なぜか泣く

仲間をかばった小さなワルキューレ

真っ二つに剣で切り裂かれる

悲しげにこちらを見て、

「首を落として」と懇願する

仲間の落とした首は舞い上がり、

敵ののどぶえに喰らいつき、

鮮血を浴びてまた落ちる

他の仲間がその首を受け止めて、もう一度その体に付け戻す

大勢の敵に囲まれて、ののしりあざけられるワルキューレ

大きく口を開けた後

世界中の空気をつんざく悲鳴を上げる、

その声を聞いた敵はすべて堕ちた

両手に刃を構えたワルキューレ

回転しながら敵を刻む

脳天に一撃受けて振り返る

ベルセルク(狂戦士)と化した自分の仲間

鮮血に染まりながらも

仲間を抱きしめて落ち着かせる

ワルキューレは精霊たち

苦しみの中でも死ぬことはない

私たちがなぜ戦うのか

なぜ戦いの場に私たちがいるのか

「ただ、そうなのだ」

としか

分からないのだ


この詩の戦場のワルキューレたちは、社会で働く、そして働いていた女性たちの比喩です。

がんばるぞー!!

内容がちょっとエグなので、可愛い挿絵をお借りしました♡




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