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山ペンギン 14 俳句

最近、イマドが市民講座に通うようになった。

俳句を知りたいのだそうだ。

オレの趣味はバイクだが、関係ない。

「季語って何?」

お前、習いに行ってるんじゃないのか?

「季節を表す言葉だよ。」

「季節って何?」

・・・そこからか・・。

主任が答える。

「春夏秋冬のことよ。」

「どうやって分けてるの?」とイマド。

・・・・・。

確かにどこからどこまでが、どの季語を使うなんて、詳しい話は分からない。

「そうね・・。暖かいのが春で、暑いのが夏、涼しいのが秋で、寒いのが冬ね。」

どんな適当な認識なんだと思う反面説得力がある。

「じゃあ、南極の季語は全部冬なの?」

「・・・・」

「ある時期からある時期を差して、春夏秋冬に分けてるんだ。」

「なんで4つなの?」とイマド。

女神が出た!!

「それは理(ことわり)なのです。」

説明になっていない。

「3つに分けると、気温が似ている春と秋がややこしいことになるので、4つに分けているのです。」

もっと説明になっていない。

「じゃあ、俳句は日本にしかないの?」

原則として日本にしかないだろう。日本語で構成されているからな。

「松尾芭蕉って、俳句の達人なんだよね?」

どう表現してるんだ。

「「古池や、かわず飛び込む水の音」ってどこが季語なの?」イマド。

「かわずです。春の季語ですね。」女神。

「じゃあ、「松島や、ああ、松島や松島や」は?」イマド。

「それは俳句じゃないのかもしれませんね。」女神。

「そうね!!」

主任が突然介入。

「ヒッチハイクで旅行するのってすてきよね!!」

今までの会話はすべて無に帰し、女神はまた消えた。


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