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山ペンギン46 ギャル博士の憂鬱

マリとユリと名乗った二人の博士はどうみても日本人にしか見えない。
伝えると大笑いして、

「マリ、私はチャイニーズアメリカンですよってー」
「ユリ、私はキルギス系ロシア人。」

「日本人視野、狭すぎー」ここはハモった。

「ユーリ博士は亡命も視野に入れてMITにいるのですが、自身の万一の前にやりたかったことを日本で行おうと、講師を兼ねて来日しています。」

「誰も私と知らない場所で、自分だけの意思で好きなことしたかったから。」

マリもうなずく。
「me too・」

「Место, где есть люди, которые тебя зают」
「si 」

ロシア語で語るユリ。返事は何語・・?

「ラテン語で返事しとんじゃ。あほ。」劉さんにどつかれる。

「Я не могу выразить себя」

「ラテン語は公用語だから・・・。」
そんなもんなのか。

二人とも10か国語程度は話せるというが、まるがりたさんには及ばないという。

「まるがりたさんがうまく話せないのは、言語体系が全く違う人種で、以前も言いましたが、声帯を震わせて音でコミュニケーションをとる我々のような種族は、一次元で情報伝達するしかありません。」

「ですが、まるがりたさんの脳波をそのままデータ換算すれば、二次元以上の情報量がそのままデータベースに書き込まれますので、単位時間の情報量もまったく比較になりません。」

「言語中枢は我々の比ではありません。地球で言う他国言語の理解は「その情報量の少なさ故に」ほとんどすべて理解しています。」

「意味が分かりにくいのですが・・・」
すでに言語中枢の貧弱さを露呈する言葉を返してしまう。

「まるがりたさんには何語で話しても瞬時に理解します。ただ、言語としての意味は理解できても、「それが何を指しているか」は地球人ではないのでピンとこないのです。」

「そして、言語を音波振動、すなわち、音声で伝えようとすると、自身とは全く違う言語体系ですから、つたなく聞こえるんですね・・・」

「わかりやすく言えばー」マリが後を取る。
「まるがりたさん自身が生きたスーパーコンピューターってことですわ。」

「それ故に人間扱いされてなかったってこともあるかもねー」

「私たちもそう。私たちに望まれることは、「私たち」ではなくて、「私たちの能力」だったから。」マリ。

「「私たち」でなくても人類、別にいいんだわ。」ユリ。

だから、まるがりたさんの気持ちはよくわかるんだよね。

悲しいかなオレは・・・・

最初から最後まであんまりわからなかった。



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