アナフィラキシーって何? 3分で読める病気の解説
まだまだ日本は遅いものの, ようやく一般の方へのワクチン接種がはじまってます。そして、ワクチン接種とともにアナフィラキシーという病気の名前がメディアでよく取り上げられています。
今回の記事はアナフィラキシーとはなにかを一般の方が理解できるように, できるだけわかりやすく解説したいと思います。さっと理解できる内容となっていますので, ちょっとした空き時間に病気の知識を身につけてください。
1. アナフィラキシーって何?
アナフィラキシーは、急激におこる非常に重症のアレルギー反応です。食品や薬, ハチなどの虫さされなどによって引き起こされることがほとんどです。
アナフィラキシーは素早くその症状に気づき, 適切な治療を速やかに受ければ, 問題なく助かりますが, 治療までの時間が遅いと命に関わることもあります。
2. アナフィラキシーの症状
アナフィラキシーの症状は、一般的に原因となるものが体に入ってから多くは数分以内, ながくても1時間程度で始まります。アナフィラキシーは皮膚や粘膜のはれやかゆみに加えて, 全身にさまざまな症状を引き起こします。
すぐに命に関わるものは
口や喉, 気管の空気の通りが腫れた感じ
息苦しい
意識を失いそうになる
です。この場合は一刻も早く処置が必要です。
ワクチン後であれば病院で処置ができるので, すぐに伝える必要がありますし, 家でこの症状があるなら迷わず救急車をよびましょう。
念の為に, よくある症状のまとめをかいておきます。
皮膚: かゆみ, 赤くなる, じんましん, 腫れ
目: 目や周りの皮膚のかゆみ, 涙, 赤み, 腫れ
鼻・口: くしゃみ, 鼻水, 鼻づまり, 舌の腫れ
肺と喉: 声がかれる, 喉が詰まる感じ, 息苦しい, 咳, ぜーぜーいう, 痰
心臓・循環系:めまい, 意識を失う, 血圧低下
消化器系 : 吐き気, 嘔吐, 腹痛, 下痢
3. アナフィラキシーの原因
アナフィラキシーの原因は、明らかな場合もあれば、特定が困難な場合もあります。食物, 薬(特に抗菌薬, 鎮痛薬, まれにワクチン), ハチなどの昆虫の毒, CT検査などで使う造影剤, 天然ゴムを原料とするラテックス(手袋, 風船などゴム製品)などが有名です。まれに冷たい水や冷たい空気が誘因となることがあります。
食物ではよくあるものは子供では、鶏卵、牛乳、ピーナッツ、木の実、魚、小麦、大豆が最も一般的です。10代および成人では、ピーナッツ、木の実、魚、甲殻類(エビなどの貝類)が最も一般的です。
徹底的な評価を行っても、特定の誘因が特定できないことがあります。
4. アナフィラキシーになったらどうするか?
とにかく緊急に助けを求めてください。
アナフィラキシーは生命を脅かす可能性があります。
ワクチン後のように病院の中では職員に伝え, 家や外であれば, すぐに救急車を呼ぶ必要があります(または誰かに呼んでもらってください)。
過去にアナフィラキシーを経験している人は, エピネフリン自己注射器(エピペン)をもっている場合があります。その場合はエピペンをすぐに使用してから、救急車を呼んでください。
病院につくと, エピネフリンという薬を通常太ももに注射されます。
エピネフリンは、アナフィラキシーを最適に治療できる唯一の薬で、症状が重くなる前に速やかに投与するのが最も効果的です。
少し注意があるのですが, 血圧や心臓病の薬であるβ遮断薬という薬を飲んでいる人はエピネフリンの効果が落ちることがあるので, もし飲んでいる方は医師に知らせてください。
他に医師や看護師により心電図や酸素状態をみるモニターが体に装着され, 必要に応じて酸素の投与や点滴, 場合によっては人工呼吸器が装着されるでしょう。
症状がよくなっても, 患者さんの最大20%は一旦よくなっても, 数時間後に再度アナフィラキシーの症状が起こすことがあり, その際には対処が必要となりますので, 通常アナフィラキシーの後は救急室で観察や入院することが多いです。
まとめ
✓ アナフィラキシーは非常に重症のアレルギー反応
✓ 早く見つけて早く治療することが一番効果的
✓原因は食物, 薬, 昆虫の毒などが多い
✓原因物質との接触から数分から1時間以内におこることがほとんど
✓ 口やのどのはれた感じ, 息苦しさ, 意識を失いそうな感じはとても危険
✓発症したらすぐに助けを求め, 病院への受診が必須
✓エピペンをもっている人は, すぐに注射してから救急車を呼ぶ
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