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婚礼ダンスを捨てる

私は60代です。そろそろ老後と言われる時期に突入するなと、自分では思っています。
しかし、最近は人生100年と言われるようになってきました。
人生80年と思って生きてきた私は、20年も増えた寿命をどう生きようかと戸惑っています。あと40年もあるんです。
寿命が延びたとはいえ、年を取ることに変わりはなく、いつお迎えが来るかわかりません。自分が過ごしやすく、残った者の負担が少しでも軽くなるように、生活を見直す必要があると思うようになりました。

まず、物を減らして自分で管理できる量にしよう。
その為に、持っていることを忘れている物は処分し、お気に入りの物を必要な分だけ持つことにするを目標に、家の中の物を見直すことにしました。
見直しは一気にやると疲れるので、今日は食器棚、次の日は鏡台の引き出しという風に少しずつ場所を区切って、いる物いらない物に仕分けていきます。

もともと我が家は引っ越しが多く、そのたびに不用な物は手放してきました。なので、物はそれほど多い家ではないと思っています。
しかし、贅肉と一緒でじわりじわりと増えていくのが物たちです。とりあえず取っておいた物が溜まってきています。
不用品のうち、売れる物は売り、売れそうにない物は捨てます。
売る物はリサイクル専門のお店に持って行きます。個人の売買はやり取りが面倒なので利用しません。
高く売れたのはカメラとレンズですね。衣料品や本はいくらにもなりませんでした。でも引き取ってもらっただけでよしとします。買い取れない物の持ち帰りをお願いされる店もあるからです。これはどっと疲れます。一応安くても売れるだろうと思う物を持ち込んでいるので、売れんのかい!おまけに持って帰るんかい!というわけで、タダでも引き取って欲しいのが本音です。お店からすると、ゴミを置く場所はないというところでしょうが。

前回の引っ越しの時、引っ越し業者に紹介された不用品引き取り業者に来てもらいました。買い取ってもらえるのかと思っていたら、こちらがお金を払って引き取ってもらっただけでした。この時、売れそうな物でも店に置いてなければゴミ、つまり家にある物は全てゴミだと知りました。
昔に比べて、ゴミの分別も面倒になるし、専門業者しかゴミを引き取ってくれなくなるしで、物を買う時に処分方法も考える必要がある時代になったと思います。

特に大型ゴミの処分は頭が痛いです。自治体にもよりますが、あらかじめ予約を取ったり、処理費用を支払う必要があります。持ち出すのも大変ですが、年を取れば手続きさえ億劫になるでしょう。

そんな大型ゴミの代表選手である婚礼ダンスを先日、処分することができました。
結婚する時、両親に“引っ越しが多いので、大きくて重い物はいらない”と断ったのですが、体裁を第一に考える古い考えの両親には聞き入れてもらえませんでした。
対になっていた洋服ダンスの方は、何年か前の引っ越しの時に処分したのですが、整理ダンスは処分しきれずにいました。
気に入った物がなく妥協で買ったタンスは、引っ越しのたびに置き場に困り、私の心の負担になっていました。買い替えたくても、両親の気持ちと金額を考えると罪悪感を感じ、仕方なく長年連れ添ってきましたが、捨てるなら気力体力の残っている今だと決断しました。
さいわい現在住んでいる自治体は、ゴミ処分場に自己搬入すると処分料はかかりません。現在の自家用車は大物も載るワゴンタイプです。もう数年したら車も手放すつもりです。今しかありません。老夫婦2人で持てる力を振り絞って車に積み込み、処分場に搬入しました。もったいないという気持ちは今もありますが、私の生活スタイルには合わない物でした。これで肩の荷が降りました。

金額の高い物、貰い物は捨てにくいという典型でした。