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KDPペーパーバック制作中、印刷費用も公開

おはようございます、松嶋祐子です。今日は電子書籍Kindleではなく、紙の方のペーパーバックの話をします。

KDPペーパーバックとは

Amazonが行っているKDP(キンドルダイレクトパブリッシング)から、個人が紙の書籍も出せる時代になりました。日本のAmazon.co.jpにおいては、2021年10月からで(まだ1年ちょっと)、KDPペーパーバック制作の情報は少ないようなので、どなたかの参考になればと思ってこの記事を書きました。

先月9日に出版した電子書籍Kindleのペーパーバック版を出そうか悩んでいます。写真のとおり準備はできています。(悩んでいる理由はさいごに書きます。)

校正刷りしてみました

本題に戻りまして、校正刷りをした話をします。販売開始前に仕上がりを確認するために、印刷代+送料(410円)で試し刷りができます。1回につき5部まで注文できます。
左が電子書籍出版前の10月頃に校正刷りしたものです(まだフォントが垢抜けない)。右側が現在出版中の電子書籍の表紙を使って、年末に校正刷りしたものです。

どなたかの記事で再販禁止の文字は一定の位置に入ると読んだのですが、私のを見ると、現在はデザインに配慮した位置にして下さっているようです。
※校正刷りは販売開始前のものなので、販売されないように「再販禁止」の文字が表紙・裏表紙にわたって、写真のように入ります。

表紙の紙質を選ぶことができて、左側が光沢、右側が非光沢です。手触りがかなり違います。私は販売するとしたら右側の非光沢にしようと思います。本文の用紙も白かクリーム色か選択できます。

左側が光沢、右側が非光沢です。

気になる印刷コスト

私が行った校正刷りはA5サイズで、両方とも90ページ程度です。
Kindle Direct Publishingのページに印刷コスト一覧が掲載されています。KDPのページは細かすぎてじっくり読む気にあまりなれないんですけれど…。

前提として、KDPペーパバックはオンデマンド印刷です。注文が入るたびに印刷して発送します。在庫を抱えなくてよい、1冊から出版できるというメリットがあります。何冊売れようが印刷コストが1冊あたり〇円とかかるので、大規模出版には向きません。

108ページまでは一律価格、110ページからわずかですがページ数に応じて追加料金が出てきます。

また、本のサイズに関わらず印刷コストは一律なので、サイズを大きくすると1頁あたりの情報量を増やせられるでしょうから、印刷コストは浮かせられます。最大はA4です。

KDPのサイト内で、このようにサイズ設定ができます。

A4の本はなかなかものを選ぶと思いますが、個人的にはいつか心理臨床のワークブックの制作に使えそうと思っています。

108ページ以内なら印刷費400円なので、400円で販売できるかというとそうはなりません。KDPも商売ですから売り上げの4割を持っていきます。6割から印刷代を引いた額が著者の取り分になります。

そうすると、最低販売価格は667円からになります。667円に0.6をかけると400円残り、そこから印刷代の400円を差し引くと0円。残りが著者の取り分なのですが・・・著者の収入無し(笑)。しかも667円に税金10%載せるので、最低販売価格は税込みで734円になります。

700円代だと新書が買える値段ですから、販売に当たっては厳しい勝負になるのでは。新書がだいたい10万字くらい、私の今回の本は4万字くらい。興味のあるテーマでなければ新書に人は流れるでしょう。10万字書いたらさらに印刷コストが上がり、最低販売価格も上がってしまいます。

本はやはり紙でしょうと思っていますが、収入がこのような状態なのでペーパーバック版の制作はなかなか流行らないようです。

さいごに(個人的な話)

さて、さいごになりますが、ペーパーバック版を今すぐにでも販売開始できるのに悩んでいる理由は今回の記事の趣旨とは関係なく、紙の書籍は出版社を通すか、自費出版という選択肢もあり得るので、踏ん切りがつかないでいます。ありがたいことにKindleが思いのほか読んでいただけているので、出版社に企画を持込み中です。門前払い覚悟だったのですが、ありがたいことに読んでいただけました。とは言え、そう簡単な話ではないのでしょうけれど、企画が通ったら10万字書くつもりです。

とてもニッチな本なので、Kindleにしても誰にも読まれず気づかれないうちに販売を中止する黒歴史となるかと思っていたのですが、意外にも発売から1か月近く経ちますが現在も安定して読まれています(ありがたい!)。専門家の方からのニーズもあるようで、しっかり専門的に10万字書いた紙の書籍にしたいという気持ちが出てきています。

私の書籍はこちらになります。Kindle Unlimitedに入られている方は無料で読めます(宣伝、宣伝)。こちらは一般の方向けを意識して、さくさく読めるように書いた本です。是非一読されてください。

ではでは、今回の記事でペーパーバック制作に興味を持って下さる方が現われますように。まだ販売もしていないのに、自分のペーパーバックの現物はテンション上がりました。



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