見出し画像

時間と空間について

転職したことによって、色々なことがひっくり返ったような気持ちになった。自分自身で決めたこととはいえ、ぽん、と愛着のある時間と空間から放り出された感覚—それは言いようもなく寂しく、そして名前が消えてくような不透明感が私を覆っていた。元気にしてはいたけれど、心の中は傷つきやすい状態で、今何しているの?と聞かれても上手に答えられない感覚はあまり自分自身健全とはいえなかった。

なんかやらなきゃな。と、新たな会社で働きながら何かを探していた。そうしているうちにふと、数年間会っていない叔母のことを思い出した。叔母は算命学の占い師をしている。

母から叔母の連絡先を聞き、朝ショートメールで「元気?ちょっと算命学の勉強しようと思うんだけど」と送ると、ちょうどお昼休みに叔母から電話がかかってきた。叔母は電話口でクスクス笑い「突然どうしたの?」と聞きながら、「すごくいいタイミングだよ、ちょうど大切な占いの本をそろそろ手放そうかなと思っていたところだったから。全部ユウコにあげるよ」と言ってくれた。

ー持って生まれた宿命と、それを取り囲む環境との接点に生まれるエネルギーの燃焼度合いが「運命」ー『算命学 Ⅰ 』高尾義政・小川三郎編者

まだまだ始めたばかりだけれど、算命学は広大な自然の中に生まれ落ちたその人それぞれに固有の宇宙がある。という考え方だ。生まれた年と日付という数字を、その人の持つ星に変換してゆく作業。東西南北と今その人が立つ大地の5方向の方角・空間。生まれてから亡くなるまでの人生を3つに区切る時間の流れ。そして五行からくる本能。一人ひとりが特別な存在であるということを感じさせてくれる。

同じくしてキャリアコンサルタントも学び始めていたので、「迷ってるの?そんなに色々始めちゃって……」と高校時代の親友からちょっと心配をされた。彼女は海外の大学で市民運動を研究しながら、国内外で社会活動を実現する私の自慢の友人だ。一方彼女も私の能力や仕事への熱意に一目おいてくれたようなので、転職後の私の揺れ感が心配になったのだと思う。

キャリアコンサルタントで学んだスーパーの理論も人が生涯で経験する役割と時間について、そしてその空間について語っている。

そして仕事生活が変わったことで私の時間と空間は大きく変化したことに改めて気づいた。算命学でいうところの「空間・方角」の中に役割や人との関係性が含まれ、「時間」の中に自分の周辺に向かうエネルギーが含まれているとしたら、わたし自身は何も変わらないはずなのに、環境の変化でズレや歪みが起こるのは当たり前のことだなと思った。

転職だけではなく、今はテレワークやワーケーション、副業やフリーランスなど多様な働き方が選択できるようになってきた。これは便利な一方で、すぐにチャンネルを切り替えることはなかなか難しい場合もあるように思う。テレワークによって部下や上司との関わり方に戸惑いが出たり、仕事に向かうモチベーションが下がってしまったという話を時々耳にする。それは「場」に紐づく役割がありながら、場所だけ変わることの難しさがあるのではないかなと思う。そうした見えないものと見えるものの変化を感じながら、自分で人との関係や役割に調整をかけていかなくてはいけないのだ。

そうこうしている中で、気づけば仕事も時間を忘れて働くようなスタイルに戻りつつある。結局のところ私はどこに行っても、私なんだなとようやく思えるようになってきた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?