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読んで歩く、穂高。

ここは標高3000mにある山小屋。
北アルプスの穂高連峰の一角にある。
穂高連峰は、標高3000m峰の岩稜線が連なるところ。山歩きのレベルとしては、上級者向きの登山道になる。


私は今、毎日山の中にいる。
山で仕事をしている。
それなのに、最近山歩きに行けていない。
なんといっても、天気が悪い。

酸欠ならぬ、"山欠"である。

ガスで真っ白な世界を眺めては、
「そろそろ稜線が見たいなぁ。」と呟く。
もどかしい。

けれどもそれが、
何日かぶりに、気持ちいいくらいに晴れた。

これは、山歩きに行くしかない!
そう決めて、休憩時間に
穂高のほうを目指して歩きに行くことにした。



岩の道を歩く


登山道から
涸沢カールが一望できる


遠くにジャンダルムと
奥穂高岳のピークが見える


キレたつ岩壁

これも登山道です


鎖場を降りる登山客


山歩きは、1時間ほど。
そのほとんどが、岩の道。岩登りだった。
穂高の岩稜線は、大昔に火山噴火が起きて形成されたもの。

ひさしぶりの山歩きで、心がウキウキ。

岩登りが、こんなに楽しいなんて。
私が岩登りを好きになるなんて。

股関節が動いて、
ふくらはぎが動いて、
全身の血流と細胞が巡りだす。

体に酸素が行き渡り、
呼吸がどんどん深くなる。


北アルプスの山に行く前に、山を始めたいと言う友人を、京都の大文字山に連れて行った。

「こんなに汗かくと思ってなかった〜」
初めて登山靴を履いて山を歩いた友人が、想像以上の運動量に驚いていた。

そう、山を歩いていると、じわりじわりと汗が馴染む。それも心地よくなってくるのだ。

初めはキツイと感じていた登り道も、ランナーズハイのように、途中から快感が生まれてくる。険しい道は、緊張感が漂うが、そこを乗り越えたときの安堵感は、癖になる。


この日は風が強く、ゴウゴウと吹き抜ける風を浴びながらも、ぐんぐん歩みを進めていく。
大きく深呼吸をすると、冷たくて心地よい空気が体の中を駆け巡る。

登山を初めて約7年。
いつまでも山を歩きたいし、新しい山域も挑戦していきたい。山を快適に軽やかに歩きたい。

そんな想いから、
食事のことや、下半身を鍛えること、山のギアの研究など、デイリーケアを取り入れるようになった。

もともと運動音痴だったのに、
体との対話が進み、
だんだんコツがわかってきて、

自分の体がうまく使えるようになってきた。

だから今、体動かすことが楽しいんだろうな。



山の中にいるのに、眺めているだけなんて。そんなのつまらない。やっぱり山は、歩いて楽しむのがなんぼです。

山を歩けば歩くほど、憧れだった場所が、いつの間にか身近な存在になっていたことに気がつく。心の距離が、ぐっと縮まっていくのだ。

蝶ヶ岳、常念岳、大天井荘岳‥‥、
あっちには、笠ヶ岳、剱岳‥‥。

私の中で、点でバラバラだった山々が、山を歩くことで、地図として線になってゆく。

そんな瞬間に、顔が綻ぶ。


毎日が晴れじゃないからこそ、
今この瞬間に、
この道を歩けていることが嬉しい。

今日歩けて、幸せだなぁって感じられる。

山を歩き、山を眺め、空を見上げて、
風になびく雲を追いかける。

そして大きく伸びて、深呼吸をした。

また、穂高を歩きたいな。


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