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賢さは才能、優しさは選択かもしれないが、優しくあるために私は賢くなりたい

卒業シーズンですね。SNSでも卒業式の写真がたくさんUPされたり、いろんな大学での卒業スピーチがTwitterでも流れてきます。


数ある著名人の卒業スピーチの中でも私が特に好きなのは、Amazon創業者ジェフ・ベゾスが語った、賢さと優しさについてのもの。

全文はぜひ上記のリンクなどから読んでいただきたいのですが、特徴的な箇所はジェフが幼少期にタバコを吸う祖母に対して、ジェフがかけた言葉のシーンです。


移動の車の中で、祖母がたばこを吸うことが嫌だったジェフは、たばこを吸うことで人生の何分の寿命が縮まるかを計算し、伝えてみせます。


「おばあちゃん! たばこを一口吸うごとに2分寿命が縮まるんだ! つまりおばあちゃんの寿命は9年も縮まっていることになるんだよ!」

私は私の賢さと計算のスキルを祖父母に褒めて欲しかっただけだったのです。

「ジェフ! お前はすごく賢いな! こんなに複雑な計算が出来るなんて。人生の一年から何分が奪われるか、だって? 割り算も出来るのか!」

と、こんな具合にはなりませんでした。


なんと、祖母が泣き出してしまったのです! 彼女が泣いている間、私はどうしたらいいかわからず後部座席に座っていました。それまでずっと黙って運転していた祖父がハイウェイの路肩に車を停めました。そして私の方に周って車のドアを開け、付いてくるように私を促しました。


彼はトレイラーの横で立ち止まりました。私もそこで止まります。少しの沈黙の後、彼は私をしっかりと見て、やさしく穏やかにこう言いました、「ジェフ、いつかわかる日が来ると思うが、賢くなるよりもやさしくなるほうがはるかに難しいことなのだよ


という感じ。賢さは生まれついての才能だが、優しさは自分で選ぶべき選択だという話に続きます。


賢さや正しさを示すより、優しくあることを選ぶ。


これに大賛成ですし、仕事をするなかで判断を迫られたら、私は「優しい方を選択できているかな?」と頭によぎらせるようにしています。特に、私が扱うのは対話や言葉なので、「正論だけど、優しくない言葉(相手が受け取れない言葉)」を使っても意味がないときも多い。


男女のコミュニケーションのすれ違いでありがちなのも、「男性が正論を言って、女性が傷つく、または腹をたてる」ではないでしょうか。(女性側が求めているのは、今の自分に共感してくれる優しさです。)  


私は自分の名前に「優」という漢字が使われていることもあり、「自分は優しい人でありたい」と願う気持ちは特に強く持っています。しかし、この漢字は「優秀」という言葉にも使われている。これって本質的だなと思っています。


なぜなら優しさを「選択」するためには賢さ、優秀さが必要だから。


LGBTの方で、例えばゲイの方に「彼女いないの?」と聞くと居心地悪く感じてしまうかもしれません。でも「パートナーいないの?」と聞かれたらその気持ちを味わわせなくていいかもしれません。


周りの人がひっそりとつけているヘルプマークも、知っていなければ助けられないし、食べ物だってアレルギーやその人なりの主義を知らないと「選択」をすることが出来ない。


優しくあることは知識や賢さがあることで、より発揮しやすくなると言えます。



少し話がそれますが、私の尊敬するファシリテーターの方に「ファシリテーターとして最も役立ったと思う経験はなんですか」と質問したことがあります。


その時に「様々なボランティアを通して、自分の想像が及ばない人たちのことをたくさん知ったこと」と回答されていました。


その方には、多くの人が同じような質問をするそうなのですが、大抵の人が上記の回答をするとがっかりした顔をするそうです。( 特別なファシリテーターになるためのスペシャルなコースとか秘伝のタレがあると思っているんでしょうか…。)


でも、私はこの回答に感動しましたし、自分も「今の自分が想像もつかない」人たちと出会う機会を増やしたいと思いました。


社会は、私たちの知らない大勢の人の見えない努力で成り立っていると言えます。だからこそ、知るということ、賢くなるということは優しさを選択するための「選択肢」を増やすことだと言えるでしょう。


今、選択できる優しさは私の「今の賢さ」の中での選択に過ぎない。



だからこそ、私は優しくあるために、賢くなりたいのです。




もっともっと、賢くなりたいのです。


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