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連載【かたばみ】を読み終えて

7/21をもって朝刊連載小説『かたばみ』が完結しました。

終戦直後、世の中混沌としていて人の事を考える余裕もなく、我が身や我が子を守ることで精一杯な中で、自分自身を殺してでも生き延びるための人間の底力というのは凄まじいものがあったと思います。

その状況がゆえに良心や優しさが封じ込められて、元はいい人だったのに意地悪い人になる…。

夫が戦地で亡くなり未亡人となった人が子供を連れ再婚したり、後継の為に養子をとったり、妾の子供は他所に出されたり、それ以外にも今ではなかなか考えられないような事も沢山あったと聞きます。

実際に祖父や祖母の兄弟姉妹の中にもそういう人がいたり、法事に行くと「あの人は血は繋がってないからね。」とおばさんから聞かされたりしたこともあります。私は小学生でしたが、何か重たいものを感じたのを記憶しています。

そんな境遇もじっと胸にしまいながら妬みやひがみを強く持ったりしながら、この時代を生きてきた人は、私よりずっと強くしたたかなんだと、尊敬の反面、怖さも感じることがあります。

『かたばみ』には、遺された妻がある人生の選択をした結果、その他の人間の人生に大きな影響を与えることになっていき、物語が進んでいくのですが…。
前向きなメッセージも含まれていて…泣きました🥲

先祖や親戚のお墓に行ったら、「頑張りましたね」と声をかけたい気持ちになっています。

単行本が来年発売されるとのこと!
楽しみにしています😉
作者の木内さん、ありがとうございました。

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