エルピス 最終話を観て
どんな人でも均衡を保つために、いろんな顔を持ち合わせているものだ。
浅川に諭されても、目指すことは理解できるが同調はできない。現実ってそういうものでしょ。世の中真実をまっすぐにって、理想論だけで成り立つわけない。
上の人間には決して歯向かわず、自分の判断だけでは決めない臆病者だけど、上手に器用に生きていくためには大切なこと。
報道の滝川は、立場保守人間だけど憎めない。
そっか、私は登場人物の中では考え方は滝川に近いんだろうな。と思った。
↓10話のあらすじ
https://www.ktv.jp/elpis/story/
ニュース8放送直前に斎藤が現れた場面。
亨さんの告発VTRが流れ、大門の息のかかった議員が起こした強姦事件とその女性の自殺の揉み消しが明るみになるのか。という事に、私はすっかり注視させられていた。
斎藤の「今の君が切ってはいけないカードだ」という、確かにそうかも。と思わせる説得力は凄まじく、浅川どうするの?とヒリヒリした。
大門を失脚させることはやはりできないのか。
浅川はあの時、斎藤の目の前でよく冤罪事件の方を提示できたな。とっさのその鋭い判断には『そうきたかー!』と驚いたと同時に、
冤罪を解き死刑執行を食い止めることが先決であり、あの瞬間に浅川が切るべき最高のカードだったと思った。
大門との関わりは伏せてであれば、真犯人の逮捕を阻まないという約束を取り付けたのはすごすぎた。
明日になったら安全が保障できないなんて言われながらも、よく啖呵を切ったし、そこに岸本がよくぞ必要資料を持った状態でテレビ局のロビーにいたもんだ。あまりにも出来すぎているとは思ったが。
ロビーで浅川からの電話に出た岸本。
ここはヒヤヒヤした。のんびりパンかなんか食べてる場合じゃないよ、斎藤か、もしくはその取り巻きに資料を奪われるんじゃないかと「岸本、危ないって!」とついつい独り言を言っていた。
9話までを観て、結末が想像できなかった。
というのも、立ちはだかる大きな力には勝てないのではないか。変わらないだろうと思っていた。
現実のように、変わらなくても知らなければ知らないまま、こうして日常は続いているし、それが一番現実に近いのではないかと。
だけど、冤罪死刑囚のままではドラマとして救いがなさすぎるから、それだけはいい方向に持っていくだろう。と思った。
どういう結末になるのか、かなり興味深かった。
『希望とは人を信じること』
斎藤にも、報道の滝川にも、マスコミにも、そして刑事の平川にも、一筋の光は消えていないことを信じて、希望を持つことは悪くない。
斎藤は政界でいずれ大きな存在になる、その頃には世代交代で人は入れ替わる。そうやって一人また一人と替わっていくとともに、革新的な人の周りには同調の輪が広がっていき、少しずついい方向に向かうことに希望を持ちたい。
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この記事の時点では、正義って自分のために振りかざすものでしょ。という、かなり無力的な意見だったし気分だったが、全て見終えてみたら、先に希望を持ちたい。というちょっと前向きな感情になった。
最後に、松本さんの人の良さが滲み出ている演技は、声はなくとも、いや、ないがゆえにとても染みた。
迫田孝也さんの儚い表情、第9話だけの出演でもキーマンであり存在感はすごかった。
エルピスに関するいろんな方のnote記事を読み、正解がないことだけど、それぞれの考えを語らい、知ることは楽しいな〜と改めて感じました😉
良いお年を。
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