農の民
農の民は寒いのです
手で雪を掻き分け菜を取り
雪の中に福寿草
春を見つけるのが上手です
農の民は祭りが好きです
雨の恵みを知っているから
日の神の恵みを知っているから
全てを尊び喜びあい、
全身で感謝したいのです
農の民は暑いのです
カンカンと照りつく日差しに覆われ、
ヒリつく太陽に焼かれながら、
優しい影を作ってくれる木々と
暑さを冷ましてくれる優しい風が
いてくれるから
虫達と同じように働けるのです
農の民は愛しているのです
春の日差しにサラサラと
そよぐ柳と桜の花を
生まれる命の輝きも
小川の魚も芽吹く緑も
また新しい一年を始める田に命の水を張って
暑い夏を実りの秋を凍える冬を
新しい命を育む全てを喜べる自らを
丸ごと愛せる民なのです