4年ぶりの春
今朝夜勤を終えて駐車場への扉を開けると、びっくりするくらい暖かくて、すごくびっくりした。春がごうごうと音を立てて、心の準備もままならないうちに、突然玄関まで訪ねてきたようだった。
うわあ、この感じ、なんかすごく懐かしい。思わずそう感じた。
こうやって3月に向けて春を迎えるのは4年ぶりだ。
留学中も1年に一回は帰国していたけど、年末年始を挟む冬の間だけだったから、それ以外の季節を日本で過ごすのはなんだかいちいち懐かしい。私が住んでいたマサチューセッツ州は3月でもsnow stormで学校が休みになったり、4月なのにしんしんと雪が積もったりしていた。
それに、アメリカでは3月が4月になることも、10月が11月になるのと同じくらいなんでもない単なる月の変わり目だったけど、日本では3月に1年の総まとめをして、4月から新年度へと新しい1年が始まる大事な季節の変わり目だ。
私は春生まれなのもあり、日本のぽかぽか、そわそわした春の雰囲気が大好きだ。気づいたらもう、ダウンジャケットともこもこのネックウォーマーなんていらなくなって、あっという間に並木道も桜色に染まるのかもしれない。
また次の一年が始まったら、私の過ごす日常は、どんな風に変わっているだろうか。何か新しい役割や、新しくコミットすべきタスクに奮闘して、充実して次の年末を迎えているだろうか。
春の暖かい日差しを浴びると、過去の色んな春を思い出す。アメリカではあんまり「春」を感じることは少なかったから、そうやって思い出す春は学生時代や、新社会人だった頃の春だ。
以前働いていた病院の隣には少し大きい公園があって、病院の建物との間に一本道を挟んでたくさんの桜が咲いていた。毎年桜が満開の時期になると、新卒一括採用で"下の学年"にはまた80人くらいの新人看護師が入職し、自分も"2年目""3年目"と自動的にラダーを登っていった。
あの頃と今と、どれだけの違いがある仕事をしているのかは一見わかりにくいかもしれない。どちらも正規職員で、2交代勤務の病棟看護師として私は働いている。だけど、あの頃にはどうしても見えなくて、だからきっとあんなに苦しかった「自分の人生の目標」が今ははっきりと目の前にあって、今生きている毎日はそこに向けて確かに繋がっていると思えるから、毎日がとても楽しくて、少しずつ自分の中で何かが変化しながら過ぎていく時間を本当に幸せだと思う。
春を感じて嬉しく思うのは、ただ懐かしいだけじゃなくて、ちゃんとひとつの短期目標を達成して帰ってきて、次の目標を見据えてきちんと生活できている今を、心から幸せだと改めて実感させてくれるからだ。
さてこのちっぽけな"アスレティックトレーナー系看護師"は、今年度はどこまでいけるでしょうか(マガジンでその過程をもう少し詳しく更新しています)。
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