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情熱が冷めないうちに

この間2016年になったと思ったら、あっという間に今年も4分の1が終わり、もう4月です。一応、この留学最大の山場ともいえるBOC(アスレティックトレーナーの国家試験)も先日とりあえず終わり、私のアメリカ生活も残すところ数ヶ月となりました。

もう今から何か新しいことを始めようとか、何か大きなイベントやチャンスに応募しようとか、そういう意欲はほとんどありません。残りの授業のこと、帰国に向けて身辺整理や最後に行きたいところや会う人との連絡や予定の調整をすることが主にやるべきことで、気持ち的にもとても落ち着いて過ごしています。

今日まで一週間ほど、カリフォルニアで英語教育の勉強をしている日本人の友達が遊びに来ていて、一緒にアイスホッケーの試合を見に行ったり、食事をして色々話したりしていました。彼女はアメリカに来てやっと半年くらい、まだまだ踏ん張っているところです。

また、この秋から私と入れ違いでBSUのATプログラムに入学してくる日本人の若者の話を聞いていて、彼らの「これからやったるぞ!」っていうメラメラとした情熱を見せてもらって、私も初心を思い出すような、とてもフレッシュな気持ちになりました。

私はこの街に住んでもう2年になり、今では自分で車を運転してどこでも行って、電話でもお店でもビビらず人と普通に会話して、実習でも最上級生らしく過ごし、自分の面倒は自分で見て余裕を持って学業と生活をこなせるようになりました。

私も2年前ここに来たばかりの頃は本当に色々なことがわからなくて、何ひとつ自分のペースでできなくて、いつも人に頼んだり聞いたり助けてもらったり、とにかく毎日全てのことに必死で、生活するだけでストレスで部屋でひとりで泣いたりしていました。

そんなとき助けてくれたり快くライドをくれたりした友人たちの優しさに、物理的にも精神的にもどれほど救われたか、言葉では表しようがありません。

今は自分が生活にも慣れてだいぶ余裕を持って大体のことをこなせるようになって、今度は今まで以上に周りの人たちに恩返しをする番だなぁとよく感じます。

2年前の私も、当時の先輩たちから見たら「まだまだ困難はたくさんあるけど、これから始まるアメリカ生活で精一杯チャレンジするんだ!」っていう情熱に満ち溢れているように見えてたのかな?

私が今次の世代の子達に対して応援したい、申し訳ないなんて思わなくていいから自分にできることは何でもしてあげたいって思うように、今までお世話になったみんなもそう思ってくれてたのだろうか。

今の私は、過去の自分と比較しても全く情熱的ではないと思います。とても静かで、すごく落ち着いている。それは別にネガティブなことではなくて、きっとここまで必死に目標目指してひたすら走ってきて、やっと一旦そういうステージに辿りついたんだと思います。

今は人を鼓舞するような、刺激的で力強い言葉は言えそうにないです。仕事をしながらTOEFLの勉強をしていた時のこと、アメリカに来て思うようにいかなくてすごく苦しかった時のことも、そんなときがあったのは覚えているけど、そのときの気持ちも出来事ももう鮮明には思い出せないです。

もともとしんどいことはあまり好きではないんですが、自分が立てた目標に向かってただひたすら必死に走っていた、情熱の塊だったときの自分を懐かしく思います。

しばらく私の心の情熱はお休みする予定で、ゆっくり落ち着いて物事を考えて、人のためにできることを出来る限りやって、ここでの生活を締めくくっていこうと思っています。

そしてアメリカでやるべきことが全部終わって、日本に帰ってまた次の仕事を始めたら、また2年前の必死だった頃の私、これからBSUの大学院生活が始まる若者のように、ひーひー言いながら自分の背丈よりも少し高い壁の向こう側を目指して喰らいついていく生活に戻りたいなぁとやっぱり思います。

長い人生、ずーっとずーっと情熱を絶やさず燃やし続ける必要はないかなぁと私は思います。だからこそ、情熱モードに入っているときは自分の気持ちに正直に、一生懸命全力で挑戦したらいいと思うのです。



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