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何度も見た『もののけ姫』は設定裏話まで味わいつくせ。

ここまで来たら、もう「書く」以外の選択肢はないと思っている。

先日、限定公開されているジブリ4作品のうち4つめとなる、『もののけ姫』を無事に映画館で観賞してきた。

『もののけ姫』を最後にした理由はとても単純。「いちばん見たことがあり、最初から最後までほぼ全体的なストーリーを覚えている」と思っていたからだ。つまり、一番優先度が低かった(結局全部観たから一緒なんだけどね)。

『もののけ姫』が実際に公開されたとき、私は小学生だった。

クラスメイトの女の子の母親が生命保険会社で働いていたようで、映画公開に合わせてコダマの絵と会社のロゴが描かれたノベルティのえんぴつをクラス中に配っていたのをよく覚えている(私も何本かもらい、まだ実家のデスクのペン立てにある)。

公開当時、映画館に観にいったかどうかは覚えていない。母と兄と行ったような気もするし、行かなかったような気もする。

でも、その後もことあるごとに金曜ロードショーで放送されていたし、そのたびに見た。もうこれは「となりのトトロ」くらい何回も見たと思う。

アシタカがかっこよく、サンもかっこよく、ヤックルは可愛く、モロは美輪明宏。私の中で『もののけ姫』とはざっくりそういうイメージだった(ざっくりすぎる?)。

ノーカットで観てこそ、作品を本当に知ることができる

今調べると『もののけ姫』は133分の映画なので、テレビで放送されるときは約30分程度カットされていることになる。

これが、やっぱり映画というひとつの作品を「観賞」するのか、それとも単に「ストーリーを追う」のかの違いになるんじゃないかなぁと、ジブリ4作品を全てノーカットで観て、真っ先に思うことだ。

もちろん映画館で観るという行為自体が特別な体験であることはいうまでもないが、ストーリーの理解に影響しなさそうな何気ない描写や余白、ちょっとした場面の積み重ねが、その物語の世界観や、登場人物の心情、宮崎駿が描きたかったイメージを本来の味わいのままで差し出してくれるんだと思う。

金ローでやるときは具体的にどの場面がカットされてたのかわからないけど、やっぱり観終わったあとの納得感というか、世界への没入感が今まで何度も観たことがあるはずの『もののけ姫』視聴後のそれとは全然違うと感じた(観た条件があまりにも違いすぎるので、比較方法として適切でないのは承知の上である)。

未就学児のようなボキャブラリーでの感想で申し訳ないが、『もののけ姫』、めちゃくちゃよかった。最初から最後までどんな展開になるか知っていても、それでも映画館に観に行ってよかったなと心から思う作品だった。

箇条書きスタイルで

さて、今回も思ったことを雑に描いておきます。

・超個人的な話だが、余裕ぶっこきすぎて映画館についたのがギリギリだった。映画にギリギリはすごく好きじゃない。発券機でチケットを購入したのが開始5分前。エスカレーター上がって席についたのが1分前。でも走らなかった。謎のプライドw

・座って一息ついたらもうすぐに暗くなった。で、いきなり「劇場版鬼滅の刃 無限列車編」の予告編が始まった。何パターンもあるんだと思うけど、煉獄さん「だから、柱である俺が来た!」って言ってなかった笑。まじでどうでもいいねw 別にこれが見れなかったからといって何があるわけでもないけど、なんか損した気分になるので(笑)間に合ってよかった。予告編も含めて映画!!

・「NO MORE映画泥棒」がリニューアルしているのを初めて見た。変わるの知ってたけど、パルクール(?)みたいな外でのアクションになってた。いいね

アシタカの声がいい。松田洋治さんという役者さんで、ナウシカのアスベル役もやっていたそう。あれから13年・・・!立派な青年になったんだね・・・。

・このシーンはあんまり印象になかったな、と思ったのが2点。エボシが「私の秘密を見せてやろう。ついてこい」のところと、襲撃を仕掛ける前に猪を連れてやってきたオッコトヌシとモロが会話するシーン。いや、テレビでも絶対カットされていない部分だとは思う。でもなんか、このへんの流れが今までよりもよく理解できた気がする。

・アシタカ戦闘強い。イケメン

・最初出会ったとき、ヤックルを見て若い山犬が「アイツハ?クッテイイ?」とか言ってたのに、後半で仲良くなってる(?)のきゅんとする

・ってか映画の内容については、もうわかりきっていて特に言うことがないw 私的に、ジブリを見た後に岡田斗司夫さんの解説動画を観るまでが「ジブリ体験」だと思ってるので笑、以下、そういう話☟

・今まであんまりなんとも思ってなかったけど、確かにアシタカが村を旅立つ時にカヤから「これを私だと思って」って渡された大切な黒曜石の小刀のペンダントを、その後サンに渡してくれ!とかって犬経由で(ここ岡田斗司夫さんも爆笑しながら言ってたw)あっさりあげちゃうのウケるw

・でもこれは決してアシタカが薄情男だとかそういう話ではないらしい。アシタカファンの人も安心してほしい。

・そしてカヤ(村ではアシタカの婚約者という位置付けだったらしい)とサンの声優が実は同じ人(石田ゆり子さん)だというのも解説を見て知った。

・これは有名な話だけど、『もののけ姫』というタイトルは鈴木敏夫が勝手にそう発表ちゃってそうなってしまったものであり、宮崎駿は「アシタカせっ記」というタイトルに決めていた。つまり、そもそもこの話の主人公はサンではなく、アシタカ。キービジュアルもサンに寄りがちだけど、この映画は「後世に語り継がれるアシタカの物語」。そう思って観ると、彼の置かれた境遇や振る舞いの意味など、この物語の見え方がちょっと変わってくる気がする。

・モロは300歳、オッコトヌシは500歳という設定らしい。で、モロがオッコトヌシに対してかけた言葉「少しは話のわかる奴が来た」、そして祟り神になりかけている姿を見て「もう言葉までなくしたか」というセリフがある。ここでモロ役の美輪明宏に、宮﨑監督から「モロとオッコトヌシは、昔”イイ関係"だったんです。だから、そういうつもりでお願いします」っていうディレクションがあったらしい笑。山の神たちにも色々あるんですね・・・。

・☝︎この話、「もののけ姫はこうして生まれた。」というDVD(なんと、6時間超えの動画らしい)に収録されているそうで、めっちゃ見たい。誰か持ってませんか?

おまけ

この記事のセリフのところとかを調べるために色々ネット上の記事を読んでて、「サンに干し肉を口移しで与えられているとき、アシタカはなぜ涙を流したのか?」っていう超気になる考察記事を見つけて読んでみたら、想像の斜め上を行くコメントがあって思わず爆笑してしまったので紹介。

いろいろまじめな考察の最後で、

・アシタカが涙を流した理由に「サンの口が臭かったから」という意見もありました(笑)

wwwwwwww

おいwwwwwwwwwwwwwww

そんな風に見るなやwwwwwww

確かにサンは山犬として森で野生的に暮らしてるし絶対ブラシで歯磨いたりしてないと思うけど、そんなんで死にかけてるところを救われているアシタカも泣かないよwwwwwww

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ともあれ、最後のはほんの冗談だけど、『もののけ姫』しっかりノーカットで観るとさらに素晴らしい作品。映像も音楽ももちろんとてもよいです。

これまでエンドロールでは背景にアニメーションがついていたけど、『もののけ姫』では歌をしっかり聴かせたいという理由でスタッフロールの文字だけになったとか。

このくだらない記事を書くのに1時間40分かかりました。最後まで読んでくれてありがとうございます。

私もやっとすっきりした気がする。


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