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#2021年の本ベスト10選

今年出会っただいじな本たちの記録。
これらの本があったから、この一年なんとかやり過ごせた。
著者名は敬称略で失礼します。



・みらいめがね それでは息がつまるので・みらいめがね2 苦手科目は人生です/荻上チキ・ヨシタケシンスケ

絶望感や無力感にやられて不眠と動悸に悩まされていた時期に、とてもこころの支えになった一冊。ああ、この生きづらさと全力でたたかわなくてもいいのかもなって思えて、だいぶ息をしやすくなった。

・フェミニズムに出会って長生きしたくなった/アルテイシア

10月末の衆院選の結果、女性議員が全体の1割以下になった。もうこんな女性差別社会無理やだって本気で思ったし、今もつよくつよく思ってるけど、それでもなんとかやっていこうと思えてるのはアルテイシアさんのおかげ。

・水中の哲学者たち/永井玲衣

ほんとにこの世界わけわかんないこと多すぎるし、なのにその思いを公言すると「考えすぎだよ」とかなんとか言われることも少なくない。考えることの大変さにもうやめたほうが楽なのかなと感じることもあったりしたけど、「やっぱり考えつづけよ〜」って思えたのは、この本が「わたしもわけわかんないけど、一緒に潜りつづけよう」って語りかけてくれたから。 

・山本美香という生き方/山本美香・日本テレビ

「歩きながら前を向いて考える」ということ、山本美香さんのジャーナリズムにこころを動かされた。どうしてジャーナリストはわざわざ遠くまで行って取材をするんだろうとすこし思っていた節がわたしにはあったのだけれど、これを読んでそれがわかったような気がしている。

・戦争って、環境問題と関係ないと思ってた/田中優

環境問題について考えるときに、わたしたちはしばしば生活を見直したりごみを拾ったり自然と触れ合ったりといった「身近な」取り組みにばかりフォーカスしていやしないか、と思う。けれど、そればかりを考えていても環境問題は解決へと向かわないだろう。戦争と環境の切っても切り離せないつながりに、目を向けることの重要性を学んだ。

・中動態の世界 意思と責任の考古学/國分功一郎

「する(能動)」↔︎「される(受動)」の外側に存在する「中動態」の世界に触れたとき、ことばで言い表せないほどの衝撃ともやもやが腑に落ちる納得感を抱いた。わたしたちはもっと自由になれる。

・人新世の「資本論」/斎藤幸平

貨幣で表される「価値」の無限の増殖をもとめる資本主義の「次」にある社会の姿を見せてくれる本。ほんとうにわたしたちには経済成長が必要なのか?よりよい社会はないのか?このままでいいのか?と問おう。

・正欲/朝井リョウ

「多様性」ということばに埋め尽くされつつある現代だが、わたしたちはその「多様性」を選別してしまってはいないか?という、とても重要な問いを投げかけてくる小説だった。線引きをするわれわれの傲慢さや暴力性みたいなものを自覚させられた。

・i/西加奈子

感情がぶんぶん揺さぶられた作品。主人公のアイは、シリアで生まれ、アメリカで養子となり、日本に移住する。〈選ばれた自分がいるということは、選ばれなかった誰かがいるということだ〉という思いをかかえながら生きるアイは、わたしなのかもしれない。また時が経ったら読み返したい。

・モモ/ミヒャエル・エンデ

わたしたちはなんのために生きてるの?という根源的な、けれど大切な問いを投げかけてくれた一作。時間を節約して、お金を稼いで、どうするの? わたしたちは<じかんどろぼう>の存在に気づかないといけない。


来年もいっぱい本を読んでいっぱい考えて新陳代謝しつづけよ〜。すてきな本との出会いに感謝。

読んでるときだけは、しっかりと生きてる心地がする。

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