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ヤングケアラーの若者の声に奮起する

昨日のヤングケアラーの若者からの電話

昨日、学校での仕事を終えてこどもソーシャルワークセンターに戻ると、中学時代から利用していた十年近いつきあいになるヤングケアラーの若者が、はじめてセンターに電話をかけてきました。ここ二年は病気の家族や家のケアに追われていたこと、自分がセンターを利用する中で最年長になって気まずさもあったのかセンターの活動に来なくなっていたので、突然の電話に驚いて折り返しの電話をすると、先ほどケアしてた家族が息をひきとって、どうすればいいかわからずに電話をしてきたということでした。この後、途方にくれた彼がセンターに訪れて話したことが、今回のnoteの投稿のはじまりです。

ここ数日は、日々の活動の合間に11月24日に行われるチャリティーイベントの広報に追われる毎日を起こっていました。11月はオレンジリボン・子ども虐待防止推進キャンペーンの月ということで、滋賀県内の子ども虐待防止で子ども若者たちを直接支援している三団体と共にチャリティーイベントとして、いつもこどもソーシャルワークセンターに食事の提供をしていただいている琵琶湖汽船と共に「チャリティークルーズ」を企画しました。イベントの詳細はこちらの朝日新聞の記事とイベントのチラシをみてください。

琵琶湖クルーズに参加し、虐待を受けた若者を支援 滋賀の3団体企画


チャリティークルーズのチラシ

今までは、ただ寄付の呼びかけやクラウドファンディングをするか、啓発イベントしか行ってこなかったのですが、そのやり方では限界を感じていたこともあり、新たに「チャリティーイベント」を企画して、秋の行楽でクルーズやコンサートを楽しんでもらい、参加することで各団体の活動支援の寄付になるというコンセプトで広報をすすめてきました。

苦戦するチャリティーチケット

しかしイベント企画の広告代理店でもないので、どうすればこのようなチャリティーイベントに関心がある人たちに届くのかわからず、試行錯誤の広報を繰り返していましたが、力及ばずで三日前にも関わらず20枚近いチャリティーチケットが残ったままで、これ以上の広報は難しいので、今回は寄付集めという目的はあきらめて、虐待を受けて育ったしんどさを抱える若者たちを招待する枠をさらに増やして、体験提供にイベントにするしかないかなと思っていた時に、冒頭の電話が若者からかかってきました。

電話をかけてきた彼が、先ほど息をひきとったと話した家族とは、一昨年、民間助成金を活用して彼をピアスタッフとして雇用するにあたって、家族面談した時に、話したのが最後でした。その時に、自分たち家族のせいで子どもをケアに縛りつけていることへの罪悪感、子どもには自分たちと同じ人生を歩んで欲しくないということを話していたことが脳裏に浮かびました。

21時過ぎに、ふたたび彼からLINEが入って今からセンターに来ていいかと言われたので、「もちろん待ってるよ」と返事をして、やってきた彼とこたつの中に入って今日の一連の出来事、ここ数年のケアのこと、これからのことを話しました。

民間助成金を活用して、彼をピアスタッフとして雇用した時、最終的には働くよりも家族のケアを選んでセンターに顔を出さなくなっていく姿を見ながら、家族のことよりも自分の人生を考えないとあかんのにどうするんやろう・・・と当時は思っていましたが、このようにその数年後に家族が亡くなったことを考えると、彼にとってはセンターで働くことよりも家族と過ごす時間は本当に尊い時間だったのだと、今になって思い知らされています。

こたつの中でこれからのこともたくさん話しました。独り身になったことで、いろいろな手続きや心の整理が出来たら、そろそろ「働きたい」と話していました。そのために力を貸して欲しいとも言われ、「もちろん」とその場では応えましたが、実際のところ三年間にわたって若者たちの支援は民間助成金に頼っていたのですが、今年度は民間助成金の支援が全くないために正直なところ若者支援の雇用プログラムはかなり規模を縮小をしています(ピアスタッフとして雇用するのでその経費がどうしても今の寄付金頼みの予算では追いついていないため)。気持ちでは彼のサポートを行いたいと思っても、実際は活動資金が必要になる現実があることをNPOの代表として日々感じています。

新たなる決意

しかし先ほど話した若者との思わぬ再会があって、チャリティークルーズの言い出しっぺが、「寄付は集まらなかった」と何をなさけないことを言ってるのかと考え、気持ちを切り替えて最後の最後までチャリティーチケットを買って参加する人を一人でも増やすためにあがくことにしました。

昨日、彼がこどもソーシャルワークセンターを頼って10年ではじめて電話してきた意味はとても大きいと思っています。民間団体が地域に長くあることの意味、子ども時代から関わってきた大人のところにいざという時に頼れる意味。今回はうちの話でしたがこのチャリティークルーズを共にすすめる団体もまったく同じ役割をそれぞれの地域で担っています。

おそらくこの長文をここまで読んでくださった方の中には、すでにこのチャリティークルーズについてはご存じで、滋賀県までお遠い。予定があって参加出来ない。チケットを買う余裕がない方がほとんどだと思います。出来ればつながりのあるみなさんに参加して欲しいのですが、例えばみなさんの親や子ども、友達に秋の行楽としてチャリティーチケットを購入して楽しいクルーズの時間を親や子ども、友達にプレゼントしてあげることとか出来ないでしょうか? またクルーズに参加出来ないけどイベントを寄付で応援したいという声に応えて、急遽チャリティーイベントのクラウドファンディングサイトを立ち上げたので、クラウドファンディングで応援してもらえないでしょうか?

クラウドファンディングのサイトはこちらになります


もちろんこの熱い想いをぶつけたnoteをSNSなどで拡散してくださることも大きな助けになります。昨日、頼ってきた若者に力を貸すと言った以上、やれることからまずはじめていこうとこのnoteをはじめSNSで発信させてもらいました。長文におつきあいいただき、本当にありがとうございました。あと三日ですが残り20枚のチャリティーチケットが寄付に変わるようにつながりのあるみなさんの力を貸してください。


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