考えるヒントから
今、小林秀雄の考えるヒントシリーズを少しづつ読んでいる
古語や思想家の専門的な話が多いからよく知らない私には難解だが、小林秀雄も彼のエッセイで書かれる思想家たちも己を追求した真に悟りを求める人たちだったと感じる
流し読みもつらい感じの文章なんだけれど、あちこちに心にとどまる宝石が散らばっていて面白い
自分の内面に深く入り考察する
自分の中から立ち現れるもの
私の大好きな松浦弥太郎さんは、宝箱の発掘と表現する
小林秀雄さんは人倫と表現する
心に残り自分に向けて読み解きたい言葉は
「個性を他と異なろうと努める
例えば意識的に個性を伸ばそうとしたり
社会的に調和させようとしたり
個性に関するとやかくの工夫で弄り回されてどうして個性が病まないでいられようか
病んだ個性は 個性を主張しながら画一的な網領や主義に対しほとんど抵抗する力がない
自負心ほど弱いものはない
もっと大きな価値のために小さな個性が否定できるためには 自負を知らない自覚が個性的な信が必要であろう」
という文章だ
哲学とか思想とかいろんな道筋があるけれども悟りと思う
難しい言葉で綴られているけれども、自分が今どんなことをやっているかを明確に書いている言葉のように思う
自我≧自負 って気がする
自負を調べると
「自分の能力や功績を人に誇れるくらいには立派であると信じることである
自分はこのくらい凄いと言ってしまえるだけの自信がある」
と書かれてある
それをこれほど弱いものはないと言う
この自負をもつ個性を小さな個性と言い、自負を知らない自覚が信が必要だと言う
もっと大きな価値、大いなるもの 本性と呼びたい
読んでいてここで考えることとは本性を感じる体験することではないかと思う
自分の中に入っていき本性を感じとることではないかという考えが出てくる
思想家たちも見る方向が考えに惑わされて本性とは回り道になってしまっていようとも、本性を知りたいわかりたいと欲していたのだと感じる
そして自分の中にある歴史から学ぶしかない、自分から出てくるものを見るしかないというような感じで書かれているのは、悟りが個人的なものだということだとわかりやすく教えてくれる
今私の個性と思っているのは自負心、プライドでしかなく、自我を超えての個性というのを体感したい、と思う
こねくり回して書いてしまったけれど、若い時から惹かれて読んだ小林秀雄の考えるヒントを再度手に取ってみてよかったと思う
感覚なんだ、意識を向けるはハート
全部考えを捨てて「ただ読む」そうできたらうれしい
こんなことが好きで楽しんでいる