見出し画像

「本当に嬉しい」と涙を流す。夫がオーダー水彩画をプレゼントした理由《オーダー水彩画 利用者インタビュー》

「愛おしいを、えがく」をコンセプトに、日常生活における小さな幸せを絵にしている水彩作家yukko。心に残したい感情を表現する、世界にひとつだけのオーダー水彩画「かぞくアート」を提供しています。

今回インタビューに応じていただいたのは、東京都在住、会社員のAさん。

「yukkoさんにいつか絵を描いてほしい」と口にしたパートナーのために、サプライズで誕生日にオーダー水彩画をプレゼントしました。水彩画が届いてから、家族に訪れた変化についても詳しく伺いました。(取材・文:堀 聡太)


「いつか描いてほしい」を今、叶えたい

──yukkoさんの水彩画を知ったきっかけを教えてください。
2023年の夏に、豊洲の「SPBS TOYOSU」で開催されていたyukkoさんの企画展に足を運びました。妻がyukkoさんのファンで、なかなかない機会だからと一緒に行くことにしたんです。

──実際にyukkoさんの水彩画をご覧になって、いかがでしたか?
いい意味で、“絵っぽくない”なあと。

もちろん写真とも違うのですが、描かれた人がそのまま目の前にいるようなリアルさを感じました。耳をすませば声が聴こえるような。yukkoさんの人柄が滲んでいるなと、お会いしたこともないのに感じでいましたね。

──どうして水彩画を依頼しようと思ったんですか?
企画展の帰りに、妻がふと「yukkoさんにいつか絵を描いてほしいな」と口にしたんです。「私にプレゼントしてね」という意味ではなく、いつか描いてほしいという願望が自然と言葉になったのだと思います。

年末になって、妻の誕生日に贈るプレゼントのことを考えたとき、そのときの言葉を思い出しました。息子の誕生日も近かったので、yukkoさんのオーダー水彩画をサプライズでプレゼントすることにしました。

当時Aさんからyukkoへ送ったメール

ポジティブな感情で涙を流す

──yukkoさんが描いた絵からは、母と子の関係性がとても伝わってきますよね。
「ふたりの雰囲気を教えてください」とyukkoさんに頼まれたので、素材としてたくさんの写真と動画を共有しました。あまりに大量に送ったので、yukkoさんもびっくりしたんじゃないかと思います。

日頃から僕は、家族の写真や動画をよく撮っているのですが、いわゆる“決め”の写真でなく、思わず撮れちゃったような写真が好きなんですよね。妻と子どもが楽しそうに笑い合っている瞬間とか。僕の目線で、普段見ているふたりの雰囲気が伝わるような絵を描いてほしいとお願いしました。

──絵を描いてもらう際に、何か不安なことはありましたか?
不安はありませんでした。でも、どんな絵になるのだろうというソワソワした気持ちはありましたね。これまでのyukkoさんの作品から、「こんな仕上がりになるのだろう」とイメージはできていたのですが、自分の家族はどんなふうに描かれるのだろうかと……。楽しみ半分、未知な部分が半分といった感じでした。

──パートナーにプレゼントしたときのことを教えてください。
yukkoさんから完成したと連絡が入り、僕の都合が合う日時を指定しました。届いてから1週間ほどは、家族に見つからないように注意しながら保管していましたね。

誕生日当日は用事があったので、その前日にプレゼントを渡しました。みんなでそろって夕飯を食べた後に、「実は、誕生日プレゼントがあるんだけど」と言って。そこそこのサイズのものだったので、妻は「なんだろう?」と目を丸くしていましたね。yukkoさんの絵だとは全く想像していなかったようで、開封後は、しばらく無言で絵を見つめていました。

妻は、どちらかといえばサプライズが苦手なタイプです。そんな彼女が、「本当に嬉しい」と言って涙を流していたんです。喜びとか、そういったポジティブな感情で妻が泣いているのは久しぶりだったような気がします。

Aさんの目線で、普段見ているふたりの雰囲気が伝わるような水彩画に

絵で表現されていたのは、言語化できていなかった思い

──Aさんご自身は、ご家族の絵をどのように感じましたか?
もちろん「似ている」ことは間違いありません。でも心から素晴らしいなと感じたのは、yukkoさんに僕が伝えたかったことが見事に反映されていたことなんです。

──どんなことを伝えたかったのでしょうか。
ひと言でいうと、ふたりの自然な姿なのですが、依頼したときに僕が上手く言語化できていなかったことまで、絵を通じて表現してくれたように感じます。

きっと、僕が共有した写真や動画をたくさん見ていただいたんでしょうね。依頼したときの僕の気持ちや、被写体である妻と息子の普段の様子を想像し、真剣に考えてくださったんじゃないかなあと。

──yukkoさんはAさんの思いに寄り添いながら、作品づくりに取り組まれたんですね。
そうですね、「寄り添ってくれた」というよりは、「一緒に考えてくれた」ような気がします。もちろん僕は絵を描くことはできないのですが、yukkoさんと並んで絵をつくっていった感覚がありますね。連絡もまめにくださり、歩みを共にしながら企画ができて、とても楽しかったです。

家の中の空気が柔らかくなった

──水彩画があることで、Aさんやご家族の生活に変化はありましたか?
家の中の空気が変わったような気がします。華やかというよりは、柔らかくなったという感覚ですね。将来、僕たち夫婦が「ちっちゃい頃、こんなだったね」とか、「可愛かったよね」とか振り返ったとき、大事にしていたことが感じられるようなものを、yukkoさんに描いてもらいました。そういう意味で、家族の幸せの象徴だと思いますね。

家に飾られる水彩画

──息子さんの笑っている顔も素敵です。
写真よりも、息子が笑っている感じが伝わってきます。そして本当に、息子の笑っている顔がそっくりなんですよ。ちょっとくせっ毛で、ほわほわと髪の毛がはねがちなんですが、たんぽぽの綿毛のような髪の質感も「それそれ!」という感じで。息子の髪を愛でている両親の気持ちも含めて、絵の中に込められていましたね。

息子さんの髪のほわほわとした柔らかさが伝わるタッチ

──どんな方に、yukkoさんの「オーダー水彩画」を勧めたいと思いますか?
大事な方がひとりでもいて、何かを残したいと思うなら、ぜひ描いてもらったらいいと思います。写真や動画って、それはそれで大切な記録なんですけど、もっと自分が普段見ている景色の方が綺麗だなと感じることってあると思うんです。yukkoさんなら、依頼する方の思いを汲んで、水彩画として表現してくれるはずです。

もう少し時間が経った後に、今度は、家族3人の絵を描いてもらいたいんです。僕はふたりの絵で大満足しているのですが、息子から「パパもいてほしかったな」と言われることもあって。そのときが、今から待ち遠しく思います。

パートナーのプレゼントに、オーダー水彩画を選んだAさん。

編集後記

Aさんが普段から感じている家族への思いが、ひとつの作品として表現されているように感じました。

印象的だったのは、「『寄り添ってくれた』というよりは、『一緒に考えてくれた』」というAさんの言葉です。

家族のことを誰よりも愛しているAさんとyukkoさんのコラボレーションだったからこそ、Aさんのプレゼントは喜ばれたのかもしれません。またいつか、新しい作品が生まれることを私も心待ちにしたいと思います。



サポートいただいたら息子とのお出かけに使いたいと思います、そしたらまた絵を描きたいと思います✨