離乳食は、ママとパパがかける魔法だ
小さな赤ちゃんだけが入ることのできる秘密の国がある。
「りにゅうこく」だ。
◇
そんな物語をふと思いついたのは、息子の離乳食が始まる時だった。
にんじんを初めて息子にあげるとき、にんじんと息子との出会いが素敵なものになったらいいなと思い、1枚の絵を描いた。
描いてから気付いた。
離乳食は、息子にとって「出会い」の連続であることを。
そう思うとなんだかとてもドラマチックな感じがして、私は離乳食を舞台にした「りにゅうこく物語」を描き始めた。
離乳食を舞台にした物語なんて聞いたことなかった。
だけど、描きたいことは山ほどあった。
だって目の前の食卓で、毎日ドラマが起きていたから。
◇
離乳食を始めるのが不安だった。
赤ちゃんが5〜6ヶ月になったら始めるという離乳食。
離乳食の本を読んでみると、「まずは10倍粥から」「ゴックン期、モグモグ期、カミカミ期、パクパク期」「アレルギー反応があるかもしれないのではじめは小さじ1杯から」などなど…
これまでの人生で全くなじみのない言葉がならんでいる。
まさに、未知の世界。
自分がトイレにいく暇もないほど忙しい育児の毎日で、私は離乳食をちゃんと作ってあげられるのかな。
未知の世界に足を踏み入れるその感じは、冒険そのものだった。
そして、それはママやパパだけでなく、赤ちゃんにとっても同じなのかもしれないと考えるようになった。
そんな思いをのせた「僕ちゃん」の冒険からストーリーは幕をあける。
りにゅうこくでは、僕ちゃんとの出会いを楽しみにしている野菜や果物など多くの仲間たちが登場する。
りにゅうこくの仲間たちは、離乳食に向き合うママとパパの気持ちを反映している。いい食材を選んで、どれだけ準備に時間をかけても、ママとパパの気持ちとは裏腹にうまくいかないことがある。
「離乳食」と「出会い」は似ている。
友達と仲良くなったり仲良くなれなかったりするように、食べ物を上手に食べたり食べられなかったりすることがある。
パパとママは、赤ちゃんが離乳食をうまく食べてくれないと思い悩むことがある。
だけど、それは努力で超えられるものもあれば、そうでないものもいっぱいある。
相性やタイミングなど。理由がないこともある。
結果がどうであろうと、そこにある相手を想う気持ちがある。
それだけで十分なのかもしれない。
離乳食はニュースにならない。
新聞にもネットニュースにも載らない。
だけど、日本中にいるママとパパが、赤ちゃんのひと匙を見守っている。今日、赤ちゃんが、そのひと匙を食べるかどうか、家族にとっての一大ニュースになる。
離乳食は、ママとパパがかける魔法だと思う。
ミルクとおっぱいしか口にすることができなかった赤ちゃんが、ママとパパのかける魔法によって少しずつ大人に近づいていく。
ベビーフードも手作りも、すべての離乳食に想いが込められている。
離乳食の進め方や方法を説明する記事はいっぱいあるけれど、そんな柔らかな気持ちを大切にした物語を描きたかった。
◇
そんな「りにゅうこく物語」が、今日完結しました。
このりにゅうこく物語を描き続けるにあたって、下手な絵と遅すぎる更新にも関わらず見守ってくれたフォロワーの方々に本当に感謝しています。
子育てで忙しくて正直途中で止めてしまいそうになりましたが、コメントや反応に励まされました。そして僕ちゃんの冒険を最後まで見届けたいと思いから描き続けることができました。
勝手ではありますが、いただいたコメントの一部をnote載せさせていただきます。私は、皆さんと一緒にりにゅうこく物語を作ったと思っています。
(NGであればおっしゃってください。)
本当にありがとうございました。。!
これからもすべての赤ちゃんとママとパパが、
離乳食と素敵な出会いがありますように。
サポートいただいたら息子とのお出かけに使いたいと思います、そしたらまた絵を描きたいと思います✨