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【深夜の独り言】頭の中にいるその人と、現実のその人は違う話

「◯◯だと思ってたのに、裏切られた」
という言葉をたまに目にする。

学生時代や20代前半の頃、わたしもそのような気持ちに振り回されて、苦しい時期があった。
「もっと◯◯してもらえると思ったのに、してくれない」
もあれば
「私はそうじゃないのに、あの人にはそう思われてる」
とか。
この悶々とした気持ちの正体の尻尾は、友人のある言葉によって掴むことができた。

「他人に期待しないことだな〜」

コミュニケーションが上手く、悶々とは無縁そうな友人に相談した時に出た言葉だ。
一見冷たい言葉に思えたが、友人は続けてこう言った。

「◯◯してほしい、こうだと思ってたって、それは自分の理想じゃん。そんなの100%応えられる人間なんていないわけで。それで苦しい思いするなら期待なんかせずに『その人のそのままを受け入れる』方が楽なんだわ。そしたら不思議と怒ったりガッカリしたりすることも無くなるし。」

その話はわたしの中でかなり衝撃で、革新的だった。
…今までわたしはちゃんとその人自身を見られていたんだろうか。わたしが勝手に作り出した「その人の理想」ばかり見ていたんじゃないだろうか。
今一度人との付き合い方を見直していきたいと思った。もっと、その人のそのままを。


そして逆の観点。

「良い子ちゃんであれ」という教育を受けてきたわたしは、まさに相手が持っているその「自分勝手な理想」に沿った自分にならなきゃいけないと思っていた。

でもよく考えたら違うわ。
「もっと大人しい子かと思ってたのに」
って言われたことがあるのだけど、それはその人の中にいた「自分勝手な理想のわたし」であって、現実のわたしは、大人しくはないのだ。

それでいいじゃん。って思った。
その人が見ていたのは、理想のわたしだったんだね。でもこれが、現実のわたし。
生きるのが少し楽になった、そんなお話でした。

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