見出し画像

笑っていても胸のつかえがずっと取れない

進路。今や全く馴染みがなくなった言葉だけど、高校生の頃は逃れられない重石のようでした。何をしていても、ずっと喉に芋がつまってるみたいで苦しいね、って友達と話したことを覚えている。

『私を離さないで』を最近読みました。主人公は自分たちが無邪気に受けていた教育がどういう意味を持つのか知ることになるのだけど、いずれ社会と呼ばれるところに送り出される、そのために今までのあれやこれやがあるのだということを思い知らされる、という点では私たちも一緒だったと思う。理系か文系か選ばなくちゃいけないのも結構衝撃で、え、もうこれから数学勉強しないの??っていう戸惑いがあったし、突然自分の価値や評価を気にしないといけないのも苦痛だったな。

悩むのが若さの特権のように言われるのもすごく嫌だった。今の苦しみをそんなふうに一般化して欲しくなかったし、私自身がこの苦しみを忘れて大人になってしまうことも嫌だった。「若さゆえと言われたくない。忘れたくもない」あの頃の私が目の前に現れたらなんて言うかな。

(アンビバレント企画でブログを3本書きます。その1)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?