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web3のコミュニティで、お茶会プロジェクトを始めてみた

web3のコミュニティに入って1年半ほどが経ちました。コミュニティに入った当初は「○○ to earn」という単語がよく聞かれ、NFTも大人気。web3を知らなければ、時代に乗り遅れる、そんな気運が高まっていました。

それからどうなったでしょう。暗号資産に絡むさまざまな事件があり、欧米諸国での規制は強くなり、早くもcryptoの冬の時代なんて言われています。ニュースを見れば、web3という文字は少なくなり、代わりにChatGPTという文字が踊っています。

コミュニティ全体の活動量もそれに伴い少し落ち着いてきました。自分自身も以前より特にDAOに対しては、少し懐疑的になりました。こういう場合、どうすべきでしょうか…。なにがしか結論をつけてコミュニティとの距離を置くか、それとも自分の興味分野にひきつけて試行錯誤してみるか。

何もしないで結論付けてしまうのはまだ早いような気がしています。せっかくコミュニティに入って素敵な方たちとも出会えたのだし、今こそ自分の好きな分野(茶道)から、web3とやらを理解してみるべきではないだろうか。そんなふうに思い、web3 × お茶の実験を始めることにしました。

お茶会プロジェクトの目的

お茶会プロジェクトといっても、茶道を再興したいというそんな大それたものにはしていません。それよりも、web3とお茶会を通して、さまざまなステークホルダーと共創していくことです。

そこで、パーパスモデルを使って以下のように設定しました。

web3に関わる人々が、「茶」を媒介にして自律分散的に動き、ひとつの場を構築する

このような目的に設定すると、コミュニティメンバーだけがステークホルダーではないことがわかります。DAOツールの開発会社であったり、クリプト関連のイベント会場を提供している会社も含まれていきます。

最初は小さな輪かもしれませんが、プロジェクトが進むにつれ、ステークホルダーは増やし、多くの方を巻き込み、実験の規模も広げていきたい、そんな希望を持って始めてみました。

お茶会にどうやって、web3の要素を入れたのか

では、いったい「お茶会」に、どうweb3要素を入れるのでしょうか。

4月に、あるビルの1室を借りて第一回目のお茶会イベントを開催しましたが、今回は以下のような試みをしました。

○ NFTチケットサービスを開発

NFTチケットサービスを開発し、お茶会の参加券NFTをコミュニティトークンで販売。サービスの開発も販売するNFTもコミュニティメンバーが担当した。

○ お茶会に係る業務は分散的に管理

お茶会を作り上げる過程で発生する業務(会場設営やお抹茶を運ぶ役目など)は、コミュニティメンバーにお願いをした。タスク管理はDAOツールの「Charmverse」を利用し、報酬は参加券NFTの売上からトークンで支払った。

○ NFTオークション

出品作品をコミュニティメンバーから集め、Discordのbotを使ってオークションを実施。もっとも高い金額(コミュニティトークン)で落札されたNFTは、お茶会で掛かっていたお軸の制作過程をNFTにした作品だった。

○ お正客NFTの販売

お正客(メインのゲスト)になりたい人を募集し、AIで抽選。当選者は、お正客権利を証明するNFTを購入した。

○ オンライン中継の実施

リアル会場に参加できない方にも参加券NFTを販売。お茶会をオンライン中継をし、オークションやクイズを一緒に楽しめるようプログラムを組み立てた。

やってみてどうだったか

まず、イベント自体を楽しくできた!というのが一言。茶道に親しみがない方にも参加できるよう、オークションやクイズなど、カジュアルに楽しめる要素を入れたこともありワイワイ話しながら会を進めることができました。

web3っぽく分散的に運営できたのも、楽しさを増す要因になったと思います。リアルイベントって、ただ参加するより、運営にまわるほうが充実度高かったりしますよね。タスクの分配が、結果的にみなさんの楽しさを増すことができたのではないかと思います。

また、個人的には、チケットシステムを開発していただいたのが、成果として大きいと思います。お茶会プロジェクトのあと、開発メンバーはこのシステムをもってハッカソンに出場していました。惜しくも受賞は逃しましたが、今後もさらに機能を増やし、引き続き開発は進めていくそうです。

お茶会プロジェクトをきっかけとして、システム開発の機会になったことはweb3の実験を進めるという目的を進めるうえで大きな一歩となりました。

リアルでやることの意味

それにしても、なぜリアルでやることにしたのか。茶道は五感で体感するものだからというのもありますが、それだけの理由ではありません。

リアルの会を開催するとなると、正直面倒なことはたくさん発生します。会場を選んで、下見して、導線を考えて、調整して、買い物して、ITとかとは関連のない、地道な作業ばかりです。

だからこそ、ここをNFTにしたら面白いとか、ここは分散化させたほうがやりやすいとか、発想が湧いてくる。ペインポイントがあればあるほど、web3を現実のものへと当てはめる実例が思いうかんできます。

それに、そもそも「面倒」とは、マイナスな面ばかりではないとも感じています。むしろ、いろんな味を感じさせる「旨味」であるとも思っています。

手間がかかるぶん、達成できたときの充実感にもつながるし、予測できないことがあるからこそ、いろんな味を出せることができます。

もちろんこの先はオンラインでお茶会や茶道教室なども開催していくとは思います。ですが、あくまでも「一座建立」の会ができるよう、リアルでの場を大切にしていきたいと思っています。

今後のお茶会プロジェクト

4月におこなった会は、お茶会プロジェクトのほんのはじまりです。今後も継続的に、お茶を広めるカジュアルな会と、お茶を深める茶道にフォーカスした会という、2つの方向性をもって展開していきます。

楽しんで、ちょびっとweb3の要素を入れ、じょじょに進化させる。正解がわからないweb3にはそんな風に実践しながら、体験していくしかないのではないでしょうか。

もし興味をもっていただいた方がいらしたら、一緒に実験していきましょう〜!

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