海外の学校に子供を通わせた感想
私には子供が3人いますが、3人ともブラジルの私立校で小学校から高校まで勉強しました。ここではブラジルの私立校と日本の学校を比べた感想を述べたいと思います。
校則
ブラジルの学校には日本のような校則はありません。ジャージのようなユニフォームは一応ありますが、髪型も自由、お化粧もOKです。ブラジル人に「日本の学校ではマニキュアをしてはいけない」と言ったら驚かれました。
「マニキュアと勉強とどう関係あるのか」
と質問され、答えられませんでした。確かに、マニキュアを塗ったからと言って成績が落ちるわけでもなく、不良なわけでもないですよね。ブラジルで唯一、マニキュアやピアスを禁止している学校は軍学校です。将来軍隊に入る生徒を育てる学校です。
逆にブラジルでは日本の女子高生のようなミニスカートは学校ではNGです。ミニスカートに見えるものは全て下にショートパンツが付いています。
授業外の行事は自由参加
ブラジルでは授業に関係がない行事、例えば発表会やスポーツ大会などは、自由参加です。どうしても集団で踊るのが嫌いな子もいるし、宗教上の理由で参加しないと決める家庭もあるからです。
「したくないことを無理にしなくてもいい」というスタンスです。
これがいいのか悪いのかは判断に迷うところですが、ブラジルでは少なくとも参加している生徒は全員楽しんでいると思います。
長期休暇の宿題はなし
ブラジルは夏が年末年始にあたることから、クリスマス休暇も含めて2か月ほど休みがあります。冬休みは7月に2~3週間という学校が多いです。この間、宿題は一切なしです。
学期や学年が変わるタイミングで転校する生徒もいます。そもそも「休みは休む」という考え方があるので、子供に合わせて親も有給休暇を取り、長期旅行に行く人が多いです。教会のメンバーと一緒にキャンプに行ったり、普段できないアクティビティをする人もいて様々です。
個人的には、休みはしっかり休みリフレッシュできるブラジルのシステムが気に入っています。日本以外のほとんどの国では、長期休暇中に宿題が出ないのではないでしょうか。
小学校でも落第あり
日本ではあり得ませんが、ブラジルでは成績が悪かったり、出席日数が足りなかったりしたら、小学生でも落第があります。なので、同じクラスに年上の人がいることがあります。
不登校
ブラジルでも学校に馴染めない子供はいます。学校に馴染めなかったら転校したり、インターネットのフリースクールで勉強する子もいます。学校に行けなくなったら居場所がない、ということはないです。
いじめ
ブラジルでもBullyingと言って、いわゆる「いじめ」は存在します。ただ、日本と違うのはクラス全員から無視されたり、仲間外れにされたり、ということはほぼないです。いじめられている子に手を差し伸べる子が必ずいます。また保護者がそもそも黙っていないので、すぐ表面化し、学校と一緒に解決します。
先生との距離
ブラジルに来て一番驚いたのが生徒と先生との距離の近さです。生徒は小さい頃から先生に黙って従うのではなく、疑問に思うことは先生にも意見を言います。先生の呼び方も親しみを込めて「xxxさん」とか名前をそのまま「Adriana(アドリアーナ:女性の名前)」とか言ったりします。最初は失礼なのではと思いましたが、そうでもないそうです。
ジェンダー
ブラジルの学校ではアルファベット順で、男か女かは関係ないです。私の娘はAで始まるので、いつも一番はじめに名前を呼ばれます。これも日本よりいいな、と思っています。
性的マイノリティの生徒は珍しくなく、隠すことはあまりありません。
教育水準
移住当初、ブラジルの教育水準について不安がありました。PISAという国際学力調査でも日本の教育水準の高さがよく分かります。
https://www.mext.go.jp/content/20240524-mxt_chousa02-100002205_1.pdf
2022年の結果を見ても、やはり日本の公教育はレベルが高いと思います。
これは本当に日本の素晴らしいところで、無料で高水準の教育が全国どこでも受けられる国は、世界でもそうないと思います。
では、ブラジルはどうか。
結果的にはブラジルでも私立で教育理念がしっかりしている学校に通わせたら何ら問題はない、ということが分かりました。
ブラジルは超格差社会で、教育の機会の格差も凄まじいです。公立の中学生は掛け算ができない生徒が多いのが現状です。なので、親は私立校に子供を通わせるため、教育費を払い続けるのです。
子供を海外の学校に通わせた感想
お金はかかりましたが、ブラジルの私立校に子供達を通わせて良かったと思っています。理由は、日本のような校則がなく、子供達はのびのび育ち、学ぶことができたからです。同調圧力もなく、周りに合わせる必要もなく、勉強もしっかりしたし、子供たちにも良かったと思っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?