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詩 第ニ文系っぽい月が綺麗

現代詩書きたくなったんで。


第二文系っぽい月が綺麗

風船を刺したら血が出るから
空気はきっと体を流れるだけの七割程度

心の声が漏れ出してふわりと浮いて
風船みたいな音がする
反響せずに出力される

月が綺麗
言ってしまってから言い直したくなる顔赤らめて
新聞記者も家へと帰るその途中

塩分濃度の高い池に浮いた魚とか
知らない駄菓子のパッケージの賞味期限の書かれた場所
持ち上げたスーパーの中に置いてある明日採れる野菜
流れる曲は僕だけが知らないなつかしいのがいい

歌うよりも確かな方法で君に愛を伝えたかった
心が溶けるよりも先に君に心を食べさせたい
甘い心はどんな味に思えるのかをその声で聞きたい


刻んだサラダを丁寧に振りかけて
月にまぶして針をぷすっと刺す
心の漏れる音がしてから気がついて指さして言う

月が綺麗
きっと第三文系の広がり方をして
世界中の波に干渉してから私が手を挙げるから

あなたはそっとそれを見て本当のことをいつか書いてほしい
雲を食べるみたいに心を食べて
愛するみたいに恋するだけど

第二文系っぽい月が綺麗を
あなたにあげたい

右手に握るすすきの花束

2022.9.10


月が綺麗ですね、と他意なく言いたい。

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