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オウンドメディア「SmartHR Mag.」のリニューアルに合わせてタグラインを検討した話

こんにちは、SmartHR のコンテンツマーケティングユニットに所属しているyukisan(@yukisan_mo)です。
SmartHRのオウンドメディア、「SmartHR Mag.」が新しくなりました! プロジェクトとしては約1年前から立ち上がっていたものであり、たくさんの方にご協力いただいて無事リニューアルできました。
また、ありがたいことに「コンテンツマーケティング・グランプリ2022」にて、オーディエンスビルディングコンテンツ部門グランプリを受賞しました。
そして、今年からSmartHR Mag.の編集長として頑張っております。

オウンドメディアには「タグライン」というものがあります。そのメディアの存在目的や理念、提供する価値を一言で表現したものです。

リニューアルしたSmartHR Mag.のタグラインは、「働く明日が、もっとよくなる」です。

タグラインづくり、どう考えていけばいいのかもわからず、結構なプレッシャーがありました。そんななかでどう考えて決めたのか、プロセスを残そう&SmartHR Mag.に込めた思いを知ってもらおうと思い、この記事を書きました。よければご覧ください。

タグラインをどのように考えたか

1.まずはチーム内で案を出しまくり、メディアの方向性と照らし合わせた

まずはチーム内でmiroを使って案を出して貼り付けまくりました。オウンドメディアの方向性や目的をまとめていたので、それらをヒントにしながらとりあえず出していきます。
また、SmartHRのサービスビジョンコーポレートミッションの要素、SmartHR Design Systemにあるパーソナリティなども参考にしています。

案を出すときに参考にしたワードの一部

こんな感じでmiroに貼り付けて参考にしながら案を出しました。(右下の謎のイラストは後ほど…)
ほかには、他社メディアのタグラインも調査し、以下のような点もタグライン作成の要件として参考にしました。

  • 簡潔でリズミカル(七五調など)

  • 簡単でわかりやすい言葉を使う

  • 韻を踏む

  • メディア名と合わせて32文字程度(メディア名で検索したときのため)

ちなみに、イーアイデムさんのメディア「りっすん」のタグライン「はたらく気分を転換させる深呼吸マガジン」が素敵だな〜と感じました。

2.出た案から「いいな」と思ったものに印をつける

タグラインは、最初に目にしたときの印象も大事です。まずはチーム内で第一印象でいいので「いいな」と思ったものに印をつけました。
※反省点があるとしたら、「タグライン考えて案をもってきてほしい」とゆとりをもってお願いした方がよかったです。

3.「いいな」の印がついたものを分類する

考えたタグライン案を分類した状態

急によくわからない図になってしまいました。

「いいな」と思ったタグラインを分類するにあたり、私たちのメディア「SmartHR Mag.」と「読者」の関係がどういうものかという視点で分類したのがこの上部の図です。(わかりにくい)

SmartHR Mag.と読者の関係として、以下のような形に分類されました。

  • SmartHR Mag.が読者を楽しくしていく関係

  • SmartHR Mag.と読者が同じ位置で考えていく関係

  • SmartHR Mag.と読者が同じ位置で未来をみているような関係

  • SmartHR Mag.が読者に寄り添っているような関係

  • SmartHR Mag.が何かを提示し、読者が発見するような関係

  • SmartHR Mag.が未来における何かを提示し、読者が発見するような関係

  • SmartHR Mag.と読者が未来を変えていこうとする関係

(これをうまく見た目で表現したくて謎の絵文字を使っています)

4.SmartHR Mag.と読者の関係を整理し、タグラインに入れたい要素を絞り込む

この分類をもとに、SmartHR Mag.は読者に対してどのような関係性でありたいのか、メディアの目的は何かを考え議論していきました。
結果、「SmartHR Mag.と読者が未来を変えていこうとする関係」に近いのでは。という結論になりました。

人事という領域を広く扱うにあたり、「人的資本経営」など、今注目されている言葉をみても、企業ごとにアプローチや答えは異なります。私たちはその答えを明確に提示できるわけではないため、SmartHR Mag.はあくまでも読者と同じ位置、寄り添う立場ではないかと考えました。

ただ、これから先の見えない未来に対して誠実に向き合い、働く環境をよくしていきたいという思いがあります。(これが、サービスビジョンやコーポレートミッションにも込められています)
読者の皆さんに対して何かヒントになる、役に立つ情報をお届けしたいということはこれまでと変わりません。

これらの議論の中で、遠い未来に対して「こんな社会になる!」「これからの企業はこうすべき!」みたいな答えをこちらから提示するのではなく、日々の読者の皆さんの業務を支援しながら、少しずつ未来をよくしていく。そんな役割ではないか、という話になりました。
まとめると、タグラインに入れ込みたい要素は以下のようになります。

  • 何・誰を→人事に絞らず、従業員までをイメージさせたい(読者ターゲットは人事・労務関係者だが、その先の従業員の環境も含めたい)

  • どうする→「明日」を変えていく(変わる)感を出したい

  • Mag.と読者の関係→上から何かを示唆する立場ではなく、寄り添う立ち位置でありたい

5.要素を絞ったうえで、タグラインの言葉をつくる

タグラインに必要な要素を絞れたので、ここからその言葉に込められる意味などを考えてまとめていきます。ここで、4つの案まで絞られました。

  • あなたと変える、明日の「はたらく」

  • あなたと見つける、明日の「はたらく」

  • 「はたらく」の明日を変える

  • はたらく明日が、もっとよくなる

ここで、「はたらく」のひらがな表記が気になり、悩むことになります。なんとなくですが、ゆるふわ感・あいまいさが気になってきます。ひえー。

SmartHR Mag.は従業員を含む皆さんの未来をよくしていきたい気持ちはありながらも、まずは「人事・労務に関わるすべての人」が読者ターゲットです。
個人としての「はたらく」ではなく、人と会社の関係性としての「はたらく」が主なテーマとなるため、ひらがなから受けるゆるふわ感、あいまいさなどはもう少し削いだ方がいいのかも。と思い、当時同じマーケティンググループで「働くの実験室(仮)」を担当しているメンバーにヒアリングさせてもらい、「働く」の漢字を使用した経緯や考えなどのアドバイスをもらいました。

6.強い気持ちで決める

最終的には、自分で決めました! ここまで考えたらあとは自分の意思が大事。「この言葉にしたい」理由や背景を自分の言葉にし、チームの皆さんに意見を聞いて決めました。もともと優柔不断で決定するのが苦手な私。チームの皆さん含め、関係者の方には本当に助けていただきました。

「働く明日が、もっとよくなる」に決めた背景

このタグラインにした決め手を少し記載します。

「働く」の漢字表記について

「はたらく」のひらがなは、いわゆる「労働」に閉じておらず、定まっていないところが良さでもあったのですが、実際に提供するコンテンツは「労働」に関することが多く、むしろ「労働」に対してフラットに接したいと感じました。
コーポレートミッションも「働く」を使用しているため、一貫性をもちたいと思ったのも理由です。(逆に、なんでコーポレートミッションと違って「はたらく」なの?と聞かれた場合、意図がないので「はたらく」にする理由が薄い。)

「明日」について

SmartHR Mag.と読者の関係を考えるところでもあったのですが、よくしていくのは「明日」くらいの距離感であり、「未来」は遠すぎるかもと思いました。未来をよくするために、できることから一歩ずつ前に進むイメージです。
また、これまでのSmartHR Mag.で評価されていたのは「今日・明日から使えるお役立ち情報」でした。その点は引き続き大切にしたいと思っています。

「働く明日が、もっとよくなる」&「働く明日を、もっとよくする」の違い

細かいのですが、ちょっとした言い回しの違いにも意味があります。
「もっとよくなる」は、単純に「よりよくなる」「1→10」のイメージ。
「もっとよくする」は、よくしていこうとする意思はあるものの、意思を感じる分、「今がよくない」という印象も与えてしまうかもしれないと思いました。(-10→0)のイメージを与えてしまうかも。結果は一緒だとしても。
今の状態も人事の方やいろんな方が努力して作り上げているものです。そのうえで、「よりよくしていこう」という気持ちを込めています。

「このメディアが答えを示していくぜ!」というよりは、「未来は明るいよね、そう信じて、一緒に模索していこう」と明るい未来を信じる気持ちを込めたいと思ってこの順番にしています。
ここは自己満足みたいなところですが……。

タグラインが入ったトップページ

さいごに

このような考え方でタグラインを決めたのですが、正解かどうかはわかりません。でも、自分で考え抜いて決めたものなので、愛着も大きく、このタグラインを体現するメディアにしていきたいと思っています。

SmartHRのようなSaaSは、お客様とのなが〜いお付き合いが必要です。そのため、SmartHR Mag.もなが〜く必要とされるメディアでありたいです。
SmartHRのサービスが扱う領域が拡大したことに対応し、正直、メディアとしての個性は薄まったかもしれません。それでも、読者の方に役立つメディアとして、いろいろな情報を発信し、改善していきたいと思います。

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