GitLabに学ぶ世界最先端のリモート組織のつくりかた (第三部)5章 読んだまとめ


第3部はリモート組織におけるカルチャーとどう向き合うか理解を深めることを目的としている。この記事では5章のみ記載する。

前提として、カルチャーは次の3つのレベルで構築されているとされています。
レベル1:文化の産物(眼に見える社員の服装や雰囲気)
レベル2:標榜された価値観(バリューなど言語化されたもの)
レベル3:根底にある暗黙の前提(成功体験など)

カルチャーによってバリューが醸成される

カルチャーマッチよりバリューマッチ

採用はカルチャーマッチでは行わない。
カルチャーは流動的であると考え、良く成長させられるかという観点で評価していく。

暗黙的なやり方は必ずしも良いものではない。
カルチャーは環境と戦略により調整され続けなければならないと述べられている。
固定化されるとチャンスや変化に対応できなくなる。
これは「カルチャーを破壊しろ」ではなく、「カルチャーを環境に適応させていく」という観点が近い。

そこで注目されたのが「バリューマッチ」。
言語化されたバリューを市場に合わせてブラッシュアップさせていくことで、より良いカルチャーに改善していく。

バリューの全体像と優先順位

GitLabのバリューは次の6つ。
* コラボレーション
* 成果
* 効率性
* ダイバーシティ & インクルージョン、ビロンギング
* イテレーション
* 透明性

バリューには優先順位が用意されており、GitLabの場合は次の順位。
1. 成果
2. イテレーション、透明性
3. その他3つ
例えば、とある変更が透明性がプラスされるが効率性が落ちるなら、ヒエラルキーの高い透明性を優先して変更を行う、など。

優先順位があればバリューで衝突が起きたときにも意思決定がしやすくなるメリットがある。

コラボレーション
思いやりを持って接しようという言葉が詰まってます。
人で判断ではなく、物事で判断。フィードバックは効果的にし、ネガティブは攻撃力が高いから個別に適切に、ポジティブは全体に伝わるように。
あと、謙遜の心を持ちましょう、みたいなこともあります。

成果
時間ではなく、成果(プロダクトならアウトカム)で測定できるような仕組みを作るとわかりやすい。GitLabでは最重要なので、この辺りを重点的に計測できる仕組みを持っている。
自分たちのプロダクトを自分たちでも使うのは良い。(ドックフーディング)
コミットメントした(合意した)ものは書き留めるようにします。

効率性
古いしきたりが残ったりすることを内包化する力が組織にはある。これを防いでいきたいのが目的。
GitLabでは「簡単で退屈な解決策」が最も良いと明言している。(理解が簡単で、実績があることが多いため)
他人の時間は尊重しましょう。
ミスは許容することが前提です。
リーンにリリースすることが良いです。

ダイバーシティ・インクルージョン、ビロンギング・イテレーション・透明性にも言及はあるが、似たようなことが書かれているため割愛。

Valueの強化の仕方

組織の中でValueが重要な扱いをなされていることが組織の構成員が実感できることが良い。
経営メンバーが模範となる、退職者への取扱方を丁寧にするなど、日常的に感じたり尊重されることを意識させることでメンバーに身につけさせている。

Valueが守られていない場合

いつどのシーンで守られていないか、具体的にフィードバックを行う。その上で相手の事情を探って前向きな意図を想定するところから始まる。
実際にValueについて話すときはハンドブックが役立つ。正論をぶつけることを目的にしてはいけない。
Slackに #Value ch みたいなものを作るのもいい。
ただし、最終的には「やるか、やらないか」の水準に限りなく近づくよう具体化する。
もしも厳しい対処にするなら、組織側が丁寧に説明責任を果たすことで、残る従業員にも恐怖ではなく誠実さを示せる。

読書会した感想

たしかに「カルチャーフィット」を重要視してきた感じがある。でも「バリューフィットが良い」と言われたところで、どうやって思考をスイッチ・整理すれば良いかまで自分に落とし込めなかった。
カルチャーは流動的なのは分かるが、じゃあバリューは言語化されてるとはいえ、実は抽象的なものも混じっているのが現状。これを変えた方がいいという示唆なのか・・・?

根付かせる仕組みのリストに記載されている360度評価についても話が盛り上がった。
日本の導入率は50%弱とのこと。ただし結局上手く利用できている企業は読書会の場で誰も見た事なかった。(評価者を指名したりする運用がほぼだが、結局ズブズブな関係者に依頼したりもする)

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