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わたしが見ていたいもの

いつから好きなのか、とは聞かれることはあっても、どこが好きなのか、とは意外に聞かれないし自分も他の人に聞かないかもしれない。

「山村選手が好きなんですか?」「はい!」「かっこいいですもんね」「はいっ!」以上、みたいな。間違ってないし全然それでいいんです。

でも、どこが好きなんですかと改めて聞かれたとき、自然と「かっこいい」以外の言葉を探した。「かっこいい」以外の惹かれているところも含めて簡潔に示してくれる言葉を。

で、出た答えが「なんかずっと見ていたいんです」


自分が発する言葉を聞きながら、頭の中でもう一人の自分が「なんやねんそれ」ってつっこんだ。そもそもそれ質問の答えになってるのかと。そして、推し選手の魅力をろくに言語化できない自分にちょっとがっかりした。

それ以来たまに考えてるけど。箇条書き的に挙げることはできても、それを一言で表そうとしたら結局「ずっと見ていたい」にしかたどり着かない。私はなにを見ていたいんだろう?


フロンターレにはまるきっかけとなった試合でその存在を知り、その後みるみるうちに私の不動の推しとなった山村選手。

クールで穏やかで、淡々と役目をこなす仕事人。圧倒的「静」のイメージ。実際最初に惹かれたのも、画面越しに伝わる「静」の雰囲気。表情を変えず静かに燃える姿が印象的だった。

ただ、特に最近は、そのイメージとは違った要素、熱さだったり激しさだったりしたたかさだったり、そういったものに私は心をつかまれていることが多い気がする。スイッチが入った状態だからこそ見ることができるものというか。


たとえば、山村選手と言えばセットプレーからのヘディング弾でおなじみだけど、ボールが来る前の相手選手との駆け引きも目が離せない。

相手選手には当然厳重警戒されているし、味方をフリーにするためのおとり役のときもあるはず。各選手それぞれの駆け引きをする中、山村選手の動きはひときわバリエーション豊かで目を引く。なにもしませんよー的にふらふら歩いたり、逆にちょっと挑発するような感じで相手選手に干渉したり。ピリピリした雰囲気のなかなんだか違う人格になっているようにも見えて、率直に言って楽しい。


ヘディングと言えば、セットプレーからのズドンだけでなく、ロングボールを競り合う場面も好き。

「相手選手を利用して高く跳ぶこともできる」ってなにかで聞いたことがあるけど、この写真のがそうなのかな。高い!

こういう場面をたくさんカメラに収めたいんだけど、ついぼけーっと肉眼でボールを追ってしまいがちで、あまり撮れない。


あとこれ。めっちゃ好きなプレーなんだけど、どう表現していいかわからないやつ。

相手の背後から長い足をにょきっと伸ばして相手より先にボールに触らんとする試み???名前があるなら知りたい。


というか。先ほど「静かに燃える」と書いたけど、現地観戦していて思うのは、今シーズンの山村選手は普通に熱い!なんなら日によっては、今出てる選手のなかでいちばん熱さを表に出してるんじゃないかと思うときも。え、前からこうじゃなかったよね?去年までの私の目が節穴だったとかじゃないよね?

指示だったり、鼓舞だったり。ときには激おこっぽかったり。その内容はそのときどきで違うんだろうけど。とにかく今季は、声を出し、手をたたき、大きな身振りで仲間に働きかける姿が目につき、見ているこちらにもぐっとくるものがある。


もうひとつよく見るのが、試合がちょっと中断したときに後輩選手と話し込む場面。

若手と細かくコミュニケーションをとる姿。「経験してきたことをチームに還元したい」と先日テレビで話しておられて、それとリンクする。

年齢も上がり在籍年数も増え、選手の入れ替えもあるなか、チーム内での役割・立ち位置的なものも少しずつ変わっているのかな。と勝手に想像する。


試合終了後も私のカメラは当然ながら推し選手をフォーカス&トラッキング。

山村選手、試合後に相手チームのベンチに行ってかつてのチームメイトや監督、コーチにあいさつすることが多いんだけど、それを見るのが好き。

歴史というか、私が知らない頃のことを少し垣間見させてもらったようで。得した気分と言えばいいのか、なんかうれしい。あと、律儀なお人柄が見られるという点でも好き。


試合にはもちろん勝って、穏やかな笑顔を見ていたい。ただ、目が離せなくなるのはむしろ、そうならなかったときの表情。

カメラを向けることに申し訳なさを感じながらも。

どんな胸中でいるんだろう。さらに大きく見開かれたその目には何が映っているんだろう。いくら見つめたところでわかる訳ないのに、そんなことを考えながら最後まで目で追ってしまう。


私はサッカーを見る目がないので。技術面や判断面の良し悪しとか、あまりよくわからない。ロックオン状態でいくら一生懸命に見たところで大してなにも見えていないのかもしれない、とも思っている。

それでもいいからずっと見ていたい。的外れかもしれないことをあーだこーだ分析したり想像したりしていたい。

かなうなら、気が済むまでずっと見ていたい。


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note絶賛大放置から戻ってきたと思ったらまた推しの話で失礼しました。読んでいただきありがとうございます。

今日12月2日は応援している山村選手の誕生日。


去年の誕生日、ファンレターというものを初めて書きまして。ちょっとしたことだけどいい思い出になっているので、今年もなにかできればいいな、と。そんなわけで今年はこちらに記事を書いてみることにしました。

だらだらと長くなってしまいましたが・・・書きたいことを気持ちよく書かせていただきました。

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