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人事制度改定の背景~多様なバックグラウンドをもつメンバーの活躍を目指して~

こんにちは!マネーフォワード広報の早川です。

このたび、マネーフォワードは、より多様なメンバーの活躍を推進するために、以下の人事制度を改定いたしました。

①社内規程における「家族」の再定義
②時短フレックスタイム制の導入

背景にあるのは「Talent Forward」、マネーフォワードで働く「人」の可能性を最大限に引き出して、「メンバーの可能性をもっと前へ」進めていきたいという想いです。

今回は、改定を中心になって進めた人事労務部のお2人に、導入の経緯や、そこに込めた想いなどをお聞きしてきました。

<プロフィール>
兼松 大樹/People Forward本部 人事労務部 副部長(写真左)
大学卒業後に社会保険労務士事務所に入所。その後、人材サービス会社に入社し、人事総務部として労務業務を中心に幅広く担当。外資系企業による買収を経験し、2019年にマネーフォワード入社。自社サービスの利用も推進。雪が降らなければ月1程度の頻度で長野へ行き、デュアルライフ風の生活に挑戦中。

安江 智佳子/People Forward本部 人事労務部(写真右)
岡山県立大学デザイン学部卒。IT企業や社労士事務所で人事労務を経験し、2020年5月マネーフォワードに入社。どんなライフステージでもその時やりたいことに挑戦できる職場環境を作ることをミッションに業務に取り組む。2人の男児の母(家の中はいつでもカオス)。推しは藤井風さん。

多様な人材が活躍できる職場環境に向けて

ー今回の取り組みは、人事労務部からの発案で実現したと伺いました。その背景を教えてください。

兼松:マネーフォワードは会社の成長に伴い、結婚やその子どもの出生、家族の介護など、さまざまな事情を抱えるメンバーが増えてきています。そうしたメンバーが、個性を維持しながら、より業務に集中できる職場環境をつくりたいという想いが、今回の取り組みの背景にあります。

安江:マネーフォワードでは近年、男性が育休を取得するケースが増えてきているので、それをさらに後押ししていきたいなという想いもありました。

さらにメンバーの現在の年齢分布と、初産や第2子出産を迎える方の年齢分布が一致しているため、将来的に子どもの出生が増える可能性が高いこと、かつ今後5年を見通すと、メンバーの約35%がご家族の介護を必要とする世代に差し掛かるという試算もありました。

兼松:マネーフォワードグループは、会社として本当に「人」を大切にしていて、1200人の規模になったいまも柔軟性が高いなと感じています。

入社当時の人事本部長だった服部さんが「創業して〇年というのは子どもの年齢と同じで、生まれて間もない頃は毎年服を買い替えなければならないように、スタートアップも毎年人事制度や規程を変えていかなければならない」と話していたのが、とても印象に残っていますね。

そうした柔軟性の高い点にとてもやりがいを感じている一方で、なかなか人事労務からボトムアップで取り組みを提案する機会はこれまで少なかったので、今回こうした形で実現できて良かったなと思っています。

安江:今回の取り組みは、取締役CTOでありダイバーシティ&インクルージョン(以下「D&I」)含めた人事管掌をしている中出さんが「そろそろ制度を見直していかなければならないよね」と話していたのを聞いて、その言葉に後押しされたところもあります。

私は「より良い働き方を提案し、一緒に組織をつくりあげたい」「制度を社外に発信することで、世の中に対する変化のきっかけを提供したい」という想いでマネーフォワードにジョインしたのですが、今回の取り組みを通じて、それらが少しでも実現できると嬉しいですね。

ーそれでは今回の取り組みの1つ、「家族」の再定義について概要を教えてください。

兼松:社内規程において、「結婚」に婚姻のみならず事実婚(※1)または同性婚(※2)を含むこと、また「子ども」に嫡出子のみならず養子を含むことを定義しました。これにより、より多くのメンバーが慶弔に関わる休暇や見舞金などの福利厚生を受けることが可能になります。

仮に自分の同僚に同性パートナーがいたとして、会社として異性での結婚は祝ってあげられるのに、同性ではそれができないということに対して違和感があり、近年こうした取り組みは他社でも見られるようになってきたことも後押しとなって、今回の改定に至りました。

ーありがとうございます。時短フレックスタイム制の導入についても教えてください。

兼松:時短フレックスタイム制は、1日あたりの標準労働時間を6時間または7時間として、始業および終業時間が固定されない制度です。これにより、希望するメンバーが、原則として定めている1日あたり8時間より短い労働時間で、かつ通常のフレックスタイム制と同じように柔軟性のある働き方を選択できるようになります。

ライフステージによる「働きづらさ」を解消したい

ーこの導入については、ライフステージによる働きづらさを解消したいという想いがあったと伺っています。

安江:私自身、「世の中の働き方を時代に合わせて見直して、ライフステージによってやりたいことを諦めざるをえない…という状況をなくしたい。そうしたメンバーを受け止める器のある環境をつくりたい」という想いを持っています。

ただ現実は、転職時に短時間勤務(以下「時短」)を希望するだけで、エージェントから「(すでに入社している社員以外で)採用時から時短希望者の受け入れを明示している企業はあまりないため、お話を聞いてもらえないと思います」と言われるケースがまだまだあるようです。実際に私も同じ経験をしました。

マネーフォワードには、これまでも時短制度はありました。ただ、時短制度を選択すると9時半に始業し16時半または17時半に終業するという固定業務時間制に変更になるため、もともとフレックスタイム制で就労していた方は、時短勤務ではなく、1カ月の間で働く時間をコントロールして、家庭と生活の両立する選択をしていました。

従業員数も増え、多様なバックグラウンドを持っているメンバーが増えてきており、将来的に育児・介護対象者の増加と多彩なニーズが予想される今、D&Iの観点から「メンバーが働きやすい制度へのアップデートをしてみよう」と思い、制度見直しにあたりました。

策定時の意図にフォーカスをあて、設計を見直し

ー導入にあたって気を付けたポイントはありますか?

安江:ご相談した社労士の先生曰く、時短フレックスタイム制を導入している会社は少ないそうです。

理由として、時短フレックスタイム制を採り入れるには「どのように正しく勤怠を管理し、給与を計算し、運用していくのか」を腰を据えて考える必要があり、そこにハードルを感じる会社が多いようです。

加えて、マネーフォワードの場合は、固定残業手当を支給しているため「時短勤務希望のメンバーにフルタイム勤務メンバーと同等の固定割増手当を支給するかどうか」という論点もありました。

一般的には、時短制度を適用すると、残業が発生しない想定で固定割増賃金がなくなり、フルタイムの時よりも給与が著しく下がるパターンが多いようです。

ここに関しては、他社の制度も調べてみましたが、なかなか「これだ!」というものに出会えず悩みました。最終的に「マネーフォワードの報酬に対する考え」に立ち返ることで、制度としてわかりやすく、給与計算もシンプルで、かつ働き方が異なるメンバー間の均衡の取れた報酬制度に見直すことができました。

ただ、時短フレックスタイム制とフルタイムフレックス制を比較したとき、同程度の勤務をした場合に給与が減額になってしまうという現象が生じるため、その点は適用メンバーに対して事前に丁寧に説明するようにしています。またそういうケースが発生した場合は、個別で時短フレックスタイム制の適用を継続するかどうか、本人の意向をヒアリングしていく予定です。

メンバーからの声をうけとめて、制度の見直しは積極的に

ー今回の取り組みに対する社内の反応はいかがでしょうか?

安江:時短フレックスタイム制については「今後の将来を見据えて検討したい」という声を聞いています。また今回、時短フレックスタイム制の対象範囲を、中学校に入学するまでの子どもを養育する方、妊娠中に加えその配偶者である方、要介護だけでなく要支援状態にある家族を介護する方に拡大し、個別事情も配慮したうえで、最適な働き方を選択できるようにしました。

実は社内で「家族の介護という事情があって、フルタイムでは働くのが難しい」「妊活中でも制度を活用できるか」とう声を聞き、対象範囲の見直しもしたんです。

自分のライフスタイルと働き方を両立したいと考えるメンバーにぜひ活用してもらいたいですし、マネーフォワードへの転職を考えている方の後押しになると嬉しいなと期待しています。

メンバーがより安心してチャレンジできる組織を目指して

ー最後に、人事労務部として今後目指していきたいことはありますか?

兼松:法律で定められている福利厚生制度だけではなく、いかに社内メンバーの視点で柔軟に働ける環境を担保するかを今後もっと考えていきたいです。

また最近、会社による健康サポートを気にしている方が増えてきている印象です。今回の時短フレックスタイム制の対象者として「病気療養中もしくは病気療養後にあるメンバー」も入れたのですが、今後採用がさらに拡大し、闘病・療養しながら働くメンバーも増える可能性があります。

ウェルネスの観点でも、マネーフォワードのミッションを達成するために、安心してチャレンジできる視点を、より積極的に採り入れる必要があるなと感じています。

安江:今回の改定は、まだまだ入口に立ったばかりだと思っているので、これをベースにさまざまな視点や観点を加えて、さらにアップデートしていきたいですね。

特に、グローバルメンバーや障がいのあるメンバーなど、多様なバックグラウンドを持っている方が増えてきていますので、そうしたメンバーにとってもマネーフォワードがいつまでも刺激的で挑戦し続けたい会社だと思ってもらえるような環境整備に取り組んでいきたいと思っています。

兼松さん、安江さん、ありがとうございました

※1 未届の妻または夫と世帯を同一にすること
※2 同性のパートナーと挙式を行うことまたは婚姻関係と同程度の社会生活関係であると相互に認めること


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