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メールマーケの「勝ちパターン」を見つける方法。配配メール・安藤健作氏に訊く

こんにちは、世界へボカンの徳田祐希です。弊社は、英語圏の越境ECに特化したWebマーケティングを得意とする会社です。
 
前回、前々回に引き続き、メールマーケティングの第一人者である「配配メール」安藤健作氏との対談記事をお送りします。今回のテーマは「メールマーケティングの勝ちパターン」になります。

■CTAはファーストビューに入れるべき

徳田 Youtubeの場合CTAボタン、例えば「チャンネル登録してね」「次の動画はこれみてね」などを用意しますよね。
 
前回までの内容を踏まえると、最初とはいかずとも「閲覧してもらっている箇所」にチャンネル登録CTAを置いた方がいい、ということでしょうか? 
 
安藤 そうだと思います。「最後まで見て面白かったから、購読する」は流れとして自然だと思うんですが、それって配信する側のエゴですよね。ほとんどの人って途中で離脱してしまうわけじゃないですか。であれば、離脱する前に登録ボタンがあったほうが成果は出ますよね。

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先ほどのメルマガのCTAの話もそうなんですが一番最後まで読む方ってホント少ないんですよ。ヒートマップを見ていても、上だけさっと見て、関係ないやと思ったら、その場でメールを見るのを止めてしまうんですね。
 
メルマガって、スマホで見ても文字が小さいじゃないですか。メール上ですべてを伝えるのは非常に難しいので、早くLP(ランディングページ)に飛ばした方がいい。であれば、やはり「ファーストビューにCTAを置く」のがいいと思いますね。

ファーストビューにCTAを置けない場合、長いメールになるのであればメールが見切れるようなところに画像を入れる。すると気になって、下にスクロールしていく。そういうテクニックはあります。
 
徳田 Twitterなどサムネイルで『この写真はなんなんだろう?』ってクリックしてしまう事が多いですが、あれに近いですね。

■1999年、メールマーケティングの歴史的転換点

安藤 メルマガの歴史は古く、1978年にアメリカのある会社の方が、自分の見込み客に(メールを)一斉配信したんですね。そうしたら、何千万もの売り上げがあった。それが最初なんです。そこから長い歴史をかけ、発展してきました。

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中でも、一番大きな転換点は1999年なんです。
 
徳田 その年、何があったんですか?

安藤 「キャリアメール」の登場ですね。docomoや当時のVodafoneなど、携帯電話を契約すると「1人1メールアドレスがつく」時代になったんです。
 
徳田 そもそもメールアドレスを持つ人が増えたと。 


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安藤 それまでメールアドレスは、会社で勤めてる人は持っていたのですが、個人では持ってなかったんです。せいぜい、プロバイダ契約した時に1世帯に1アドレスが支給された『OCN.jp』みたいなものが一般的でした。パーソナルなメールのやり取りは、それまでなかったんです。それが変わったのが1999年です。
 
徳田 革命的ですね。
 
安藤 そこからメールのツールがいろいろ出てきて、メールマーケティングの仕組みも多くのものが登場しました。
 
徳田 その中で、配配メール様はどれぐらいやられてるんですか?
 
安藤 2007年からだと思います。13年ぐらいですね。

■ヒートマップの弱点とは

徳田 「配配メール」は、ヒートマップも見られるんですか?
 
安藤 いえ、今はヒートマップ機能を付けていないんです。なぜかというと、いろいろなデータを見てきたんですが、ほとんど傾向が同じなんですね。
 
どのヒートマップを見ても、上が赤い。個人につけても、どのアカウントにつけても結局同じです。
 
それよりは私たちが調べているデータをユーザーさん全員に開示してますので、そこで知見を貯めていただければという思いがあります。サポートサイトやセミナーなど、しょっちゅうやっていますので。

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■勝ちパターンなきMA導入は失敗する

徳田 最近、MAとかSFAとかすごく流行ってますよね。ただ、MAを実際に導入しきれている会社って本当に少ないなと思っていて。
 
HOT差に応じて配信するメルマガを使い分ける。現在手動でやってることをオートメーション化する、という話だと思うんですが。
 
安藤 まさにそうですね、MAって「マーケティングオートメーション」のことですよね。つまり自動化。ということは、会社の中で勝ちパターンが見つかってないと自動化できないわけです。見つかってないままにMA入れてしまうと失敗してしまう。 

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当社のサービスでいうと、メールの反応を調べたり配信したメールを横断して、例えば3回クリックしてる人とかこの直近1ヶ月で5回開封している人、みたいな抽出ができるんです。
 
そういう自社の勝ちパターンを見つけた上でMAを入れて頂きたいですね。MAってやっぱり月々が高いですし、設定が非常に大変なんですよね。
 
徳田 シナリオ設計が大事ですよね。
 
安藤 そうなんですよ。そこが出来るようになる為には、まず勝ちパターンを見つけるのが非常に重要です。

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■質の悪いメールマーケティングを止めさせたい

徳田 僕はmailchimpとかKLAVIYOなど海外のツールを使うんですけど、配配メール様の特徴はどういったものがありますか?
 
安藤 実はツールに関してはそれほど大きな違いはないと思っているんです。何が違うかっていうと、われわれってお客さんのメール配信を成功させたいんですね。
 
徳田さんは多分いろんなパターン知ってて使いこなせるので、mailchimpさんでも全然問題ないと思うんですよ。でも、日本のメール配信されてる方のおよそ7割ぐらいの人は、いろんな仕事を兼任でやってるんですよ。
 
例えば、営業担当が空いた時間でやるとか。メールマーケティングの勝ちパターンを自分で調べて、正しいセグメントに配信するってなかなか難しいと思うんです。
 
配配メールというツールはサービスのひとつで、その後にあるテクニックを紹介したりとか、ユーザーさんを集めて成功事例共有したりとか、そこを重視してます。

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徳田 なるほど、ツールはツールであって「どう活用するか」までフォローされてるという事ですね。

安藤 そうですね! われわれが勝ちパターンを余さず開示していくことで、皆さんがそれを真似してメールマーケティングがうまくいけばいいと思ってます。

もう一つは、質の悪いメールマーケティングを止めさせたいんです。誰かに構わずメールを配信する、毎日うざいぐらいに配信することに意味はない。これは、しっかりと伝えていきたいと思ってます。

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徳田 確かにそうですね。メルマガの開封率だったりとか。こういう時間に送った方がいい、みたいな統計データをとったレポートもありますよね。WACULさんと一緒にやられていましたよね?
 
安藤 そうですね。AIアナリストを提供するWACULさんと共同でやってるんですけど、このレポートは近日中にオープンに出来る時が来たら皆さんにお渡ししたいと思います。
 
徳田 メールマーケティングを配信するためのデータをお持ちで、統計データだったり勝ちパターンを知っているという事ですね。

安藤 時代とともに勝ちパターンは変わっていくので、私たちが話してるテクニックが5年後に通じるかは分からないんです。なので私たちは責任もって、ずっと分析し続けて勝ちパターンを提供していければいいなと思います。
 
徳田 本日はありがとうございました!
 
<了>

動画版はこちら

安藤健作(あんどう・けんさく)氏
2006年入社。現在はマーケティング・クラウド事業部長として、メールマーケティングサービス「配配メール」の総責任者を務める。メールマーケティングの正しい理解と運用を広めるため、各所にて記事の執筆やセミナー登壇、Twitterで啓蒙活動を実施。
 
株式会社ラクス
2000年設立。IT技術を、「楽」に企業の発展に活用できるように、お客様の課題解決やビジネスの成長を、クラウドサービスとIT人材で支援。中小企業の集客・販促活動に携わる方のメール配信業務を支援するメールマーケティングツール「配配メール」を提供している他、お問い合わせ対応やマーケティングなどのフロントオフィス業務を支援する複数のサービスを展開。
 
配配メールサービス:https://www.hai2mail.jp/

世界へボカン株式会社は、英語圏の越境EC・BtoBマーケティングに特化したWebマーケティング会社です。


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