YouTubeをはじめてホントに良かった。BtoBマーケ会社の社長が半年間Youtubeを運用して得たこと
こんにちは!世界へボカンの徳田です。2020年3月より自社のYoutubeチャンネルを本格的にはじめ、『海外WEBマーケティングチャンネル』としてリニューアル、運用を開始いたしました。
スタートから7カ月で業界の著名人インタビュー含む60本の動画を配信し、YouTubeチャンネル登録数1,000人を達成できたので、備忘録としてこれまでのYoutubeチャンネル運用の軌跡を記していこうと思います。
※チャンネル登録数1,000人というのはYoutuberの上位15%らしいとか、らしくないとか…
YouTubeさんからもBANANAS gifバナーでお祝いして頂きました…
結論、YouTubeをはじめてホントに良かったと思えることばかりの7ヶ月でした。「海外専門のWebマーケティング支援」というとてもニッチな分野にも限らず、ここまでたどりつけたのは、出演を快諾してくださった方々、運営をサポートしてくれたメンバーのおかげです。
直接会うことが難しくなったいま、自社の情報発信に悩んでいる企業のマーケティング担当者様やYoutubeに興味はあるけど、なかなか踏み出せて来れなかった方の参考になるよう、具体的なノウハウや1本あたりの予算など、かなり細かく数値まで公開することにしました。自社でチャレンジする際に、参考にしていただけますと幸いです。
1. リアルに会えないから、オンラインで。YouTubeチャンネルをはじめたきっかけ
あらためまして、徳田祐希と申します。「日本が生み出した素晴らしいプロダクトやサービスを世界に発信していくこと」をミッションに、海外向けWebマーケティング支援を行う「世界へボカン株式会社」を2014年に起業、以来代表を務めております。
2020年になりデジタル化への世界的な動きがある中、お客様やパートナーとの接点が持ちにくくなってしまった事がきっかけで、「YouTubeを通して自社の海外WEBマーケティングに関するノウハウを発信していこう」と考え、YouTubeチャンネルに3月から本格的に取り組みはじめました。
ある日、WEB業界の友人と話をしていると私と同じく、仲間や先輩も顧客やパートナーとの接点を持ちずらくなり困っていることが分かりました。
そこで彼らや企業の魅力やノウハウを発信するコンテンツも配信することで少しでも役立てたらと思い、インタビュー企画の配信もはじめました。(後ほどくわしく解説します)
2. YouTubeチームの立ち上げと、工夫したこと
社内メンバーと、YoutubeをはじめSNSマーケに詳しい澤山さん(@diceK_sawayama)にアドバイスいただき、シュウケイさん(@shukei122)、ツッチさん(@tutti_eiga)のお2人の編集者さんとの試行錯誤の末、いまの形にたどり着きました。
さて、どんな工夫をしてきたかさっそくご紹介します!
⑴ すべては分かりやすさのために。日本語でフルテロップの字幕をつける
はじめてマーケティングにふれる方や、音が出せない環境で見る方のために基本すべてに日本語で字幕を付けて(フルテロップ)動画を用意しています。これは正直すごく大変です。(毎回、チームで泣きながら文字起こししています)
マーケティング用語はなかなか聞き慣れないものや、意味が分かりづらいものがあるので編集者さんと補足を入れたり、イメージを挿入したりと、少しでも理解が深まるように編集にはとても力を入れています。
⑵ 伝え方はひとつじゃない。複数のチャネルでコンテンツを活用する
コンテンツを受け取る方法は人それぞれ。YouTubeは見ないけども通勤でPodcastは聞く、記事はよく読む、など自分の好きな形を選んでもらえるように、作ったコンテンツをnoteや自社ブログ、SNS、Podcast, Spotifyやメルマガなど、さまざまなチャネルを通して発信しています。
当初は、ブログやSNSだけをイメージしていましたが、弊社メンバーDylanの提案で「Podcast」形式の音声メディアへの配信も実施し、動画でも、音声でも、テキストでもボカンのコンテンツに触れてもらえるように工夫しています。
長いYouTubeビデオはいま見れない... という忙しい方のために、1分ほどにまとめた動画のショート版を作り、TwitterやFacebookでつぶやくことで冒頭部分を見てもらえるようにしました。
熱量をこめて作ったコンテンツも、見てもらえないと意味がありません。受け手にあわせてコンテンツの形を「動画・音声・テキスト」などと工夫して、より多くの方にボカンコンテンツに触れて頂けるようにしました。
⑶ 思わず「シェアしたくなる」ほど質をあげる、気合のインタビュー
外部からゲストを対談・取材形式のインタビューコンテンツは、対談して下さった方が思わずシェアしたなるくらい品質に配慮します!
品質には、動画の美しさ、音声の聞こえやすさ、テロップ、編集、内容と色々な要素があります。でも私が一番こだわったのが「どれだけゲストの魅力を引き出せるか」です。
インタビュー動画の制作ステップ
① コンタクト
② 内容のお打合せ
③ 原稿の作成
④ 撮影(オンライン・オフライン)
⑤ 編集(テロップの挿入、サムネイルの作成 )
⑥ YouTube動画公開
⑦ SNSなど拡散(そして他の形への展開)
という流れでやっているのですが、それぞれのステップを一つずつ、ゲストやチームと一緒に丁寧に進めています。(※次の章でくわしく解説します)
これは私が、以前ゲストとしてインタビュー動画を別チャンネルで撮影して頂いた時に、なんの確認も無しに動画を挙げられてしまって、とても悲しい気持ちになったからなんですね。
音声もちゃんと取れてなくて、正直、魅力が伝わる動画ではなかったと思います。動画更新するためだけにやるんだったら意味ないし、正直「この人のインタビューは二度と受けたくない」と思いました。一度そういう経験をさせてもらったことで、出演する側の気持ちが分かったので嫌な経験もプラスだったかなと思います。
動画を更新することが目的ではなく、ボカンや私自身を知っていただき、ご縁を作ることが最終的な目的だったので、動画の製作中でも、やりとりや品質へのこだわりはとても大切にしています。
3. 出演者に喜んでもらえるコンテンツの作り方。 コンタクトから公開、拡散までのステップ解説
2020年3月にスタートしてから週2のペースで動画を公開し続けてきました。その中で制作の流れがだんだんと形になり、それぞれのステップで気をつけることもまとまってきたので、ご紹介します。
おおまかな流れは以下の図のとおりです。
①コンタクト
はじめたころは黒澤さんや矢萩さん(@deadseo)等、仲良くして頂いている友人や先輩にお願いして出演して貰いました。しかし、それだけでは更新し続けられないのでTwitterのDMや人づてに動画の趣旨をお伝えし、一人ひとり出演オファーしています。
ウェビナーで知り合ったカワバタさん(@nanocolorkwbt)とはYoutubeをきっかけに仲良くなり、イベントを一緒にやらせて頂くほど仲良くなりましたw
インタビューした方もTwitterやブログ等で紹介して下さり、多くの人に視聴して頂いたり、知って頂く事ができました。
②何をテーマにしよう?ゲストの方とお打合せ(企画会議)
事前にゲストの方のnoteやサイトを拝見させて頂き、「その方の魅力をどのように伝えれるのか?」をしっかり考えてからお打合せに臨みます。ある程度の方向性を決めて「叩き案」を持った上でゲストの方の要望をお聞きし、一緒に動画の内容を考えます。ここで撮影スケジュールも確認します。
③当日に向けて:原稿作成
企画会議を元に、撮影の流れや冒頭のセリフを書いた原稿を作ります。これ多いものでA4用紙8枚くらいになります。最近はもっとシンプルになりましたが、昔はガッツリ作り込んでました。
これにはいくつか利点があり、
・本番で慌てない
・企画会議や質問内容をしっかり話せる
・事前に準備ができるので、動画の内容が濃厚なものになる
・後ほど、文字起こしの際の参照が楽になる
このように事前にしっかり準備することで、動画撮影に慣れていない方も当日、スムーズに話せるよう配慮しています。
④いよいよ収録当日。撮影の機材など
撮影はボカンオフィスのミニスタジオか、Zoom対談でやらせて頂いています。弊社もテレワーク中心になったので、不要になった応接間を改造し、オフィスの一角を撮影ブースにしました。
・一眼レフカメラ(&三脚)
・照明 ×2
・レフ板 ×2
を購入して、ちょっとした撮影ブースぽくしています。(全部で機材代は10万円くらいです)Zoom対談では、ゲストに質問が聞こえにくいと進行の妨げになってしまうので、専用のマイクを用意して臨みます。また、女優ライトも買いました!
⑤ここが地味に大変!編集作業
編集では文字起こし、テロップ入れ、効果音、アニメの挿入をやっています。「ジェットカット」という手法を使用して、できるだけテンポよく視聴して貰えるようにしています。
※ジェットカットした動画の例
編集して、サムネイルを作成、社内で誤字脱字が無いかチェックをしてからゲストに最終確認を依頼します。
サムネイルも一つひとつゲストの方が喜んでくれるような、そして視聴者が興味を持ってくれるようなものを用意するよう心掛けています。
⑥満を持して動画公開...!
ゲストのOKが出たら公開しています。今のところ、毎週の月曜と水曜(たまに木曜)に視聴いただけるよう週2本、公開しています。
よく「娯楽系の動画は金曜の夜」とかリラックスしてYoutube見ている時間が良いと言われていますが、ボカンの動画は「営業時間中に見てもいい」ジャンルの動画なので、あまりこだわっていないです。
⑦もっとたくさんの人に届けるために。SNSで拡散を
ここでは主に私のTwitterとボカンのTwitter、Facebook、Linkedin、メルマガで行っております。Twitterではより多くのかたに見てもらうために、Twitter広告を毎回少しだけさせて頂いております。また、ゲストの方も投稿して下さったり、ブログで言及して下さったりしています。(感謝)
Storeheroの黒瀬さん(@kurose777)は対談動画についてニュースページでも取り上げてくれました。
動画ができて、視聴者の目に留まり、視聴頂くまでにいろんな方の協力があります。これからも試行錯誤しながら進化していければと考えています。
4. で、実際にどのくらいYoutubeで成果が出たの?
結論、Youtubeをはじめてホントに良かったと思える事ばかりでした。どんな成果が出たのか3つのポイントにまとめてご紹介していきます。
⑴ Youtubeのチャンネル数「1,000人」達成!
10月にチャンネル登録数「1,000人」達成しました。
ただ登録数よりも大事なのが「総再生時間」です。要は、どれくらいの時間ボカンのコンテンツに触れて頂けるようになったかで、後述の何かあった時の第一想起やお声がけに繋がるかを考えています。
それが、今のところ月あたり3.8万分(633時間)です。一人8時間×20営業日=160時間の稼働と考えたときに、だいたい社員4人分くらいの稼働時間、Youtube見てもらえているという事で、これの指標として、どのくらい収益に繋がっているかの参考にしています。
⑵ 登壇依頼をいただけることが増えた!(ありがたや)
先日は、「戦略とクリエイティブをつなぐ思考を学ぶ」というイベントにファシリテーターとして呼んでいただけました!3時間の生放送で楽しかったです。
川端さんと黒澤さんとのYoutube撮影をきっかけに「共通の友人枠」で、イベントにファシリテーターとして呼んで頂けるようになり、更に多くの方に知って頂く事ができました。(ありがたや)
Shopify×ウェブ解析士協会さんのコラボイベントで600人くらいのウェブ解析士さんの前で登壇させて頂いたり、その後のShopify×WACAの有償ウェビナーでもShopifyの有識者の一人として、越境ECのコースを持たせて頂きました。
来月も海外送金が簡単に安くできるサービスを提供されているPayoneerさんとのウェビナーをやらせて頂きます!
⑵ Twitterのフォロワーがちょっとだけ増えた
Twitterのフォロワーさんが2000人前後から4300人くらいまで増えました!インプレッション数もちょっとだけ増えてます。
⑷ そして、会社の収益もちょっと増えました!(大事)
収益という意味だとYoutube経由の問い合わせも月に2~3件くるのですが、それ以外でも色んな形でプラスになっています。
下記は、その一例です。
1. Youtubeの撮影をきっかけにご縁が繋がりプロジェクトをご紹介頂く
2. 情報発信し続けているので何か海外WEBマーケティングのニーズがあった時の第一想起となり、お声がけ頂く
3. Youtubeの動画を見てお問い合わせを頂く
4. お問い合わせ頂いたお客様がYoutube動画を事前に見て成約率が上がる
5. Youtubeの制作を通してメンバーのWEBマーケティングの知識が高まり、営業成約率が上がる、更にクライアントの成果を伸ばせるようになる。
だいたい撮影から編集、拡散までの経費はざっくり1本3万円~4万円くらいで7カ月間で公開した動画は60本。今のところ投資金額の5倍くらいの売上と3倍くらいの粗利がYoutubeきっかけで出ているかなーというところです。
たぶん、2, 3, 5あたりのインパクトはこれから更に大きくなると思います。
新人メンバーに文字起こしをお願いしているのですが、ベスト・キッドみたいな感じで、文字起こししたことが自然と知識として身に付き、クライアントとのトークに盛り込まれていたりするという副次的な成果が出てたりして、個人的に「おぉ!」と思ったりしました。
もっと詳しく:YouTubeチャンネル登録数推移
結果として、出演、視聴、協力して下さる皆さんのおかげで7カ月で1000人達成できましたが、toBのマーケティングというニッチな市場のチャンネルの為、チャンネル登録数はそこまで意識していませんでした。
想定ターゲットである
・インハウスマーケターで一人で悩まれている方
・代理店勤めでマーケティングを学んでいきたいと考えている方
・マーケテイングに興味はあるけど、何から学んだら良いか分からない方
が見てくれて少しでも前向きにマーケティングに取り組んでくれたら良いなということと、出演してくれた方がボカンチャンネル出て良かったと思ってもらえることが重要だと考えていたので、「街の喧嘩自慢とスパーリング」とかはせず、あくまでもマーケティングやその周辺に関わる情報に徹して更新していました。(キックボクシングはやっていますが...)
初期のボカンチャンネル
2月~4月の段階でチャンネル登録数は30~100人程でした。そんな弱小チャンネルの中、快く撮影に協力してくれたマーケティングトレースの黒澤さん(@KurosawaTomoki)、FRACTAの河野さん(@TakaKouno)、ラクス安藤さん(@comune1128)に感謝です。
黒澤さんには、マーケティングトレースについて解説して貰いました!
ブランディングエージェンシーFRACTAの河野さんには、D2Cブランドの定義やShopifyの魅力について解説頂きました!
安藤さんには、メールマーケティング成功の法則やKPIについて解説頂きました!
はじめて3~5か月目のボカンチャンネル
はじめて3か月目以降は完全に緊急事態宣言中だったので、撮り貯めていた対談やボカンメンバーとの対談以外は、Zoomでのインタビュー中心になっています。
加納くん(@hirokano123)は自分の専門分野である英語コンテンツマーケティングについて話してくれました!
Dylanは長年のグローバルマーケティングの経験を生かして、日本企業が海外進出する際の心得の話をしてくれています。
この頃、公開した座波さん(@kekekeity)D2Cbランドの立ち上げの意義の対談動画はめちゃめちゃ良くて、視聴維持率がめちゃめちゃ高い動画です。
D2Cや日本文化を世界に発信していきたい方にぜひ見て頂きたい動画です!
開始から半年後のボカンチャンネル
Youtubeをはじめて半年くらい経たつと、チャンネル登録数は500人を突破しました。Zoomでお打合せさせて頂く際に、「いつもYoutube見てます」とか「有料級のコンテンツでいつも楽しみにしてます」みたいな温かい声を頂けるようになってきました。(..ホント嬉しいので、もっとください!)
Youtube経由のお問い合わせも増えてきました!あと、嬉しい事に対談させて頂いたゲストの方への問い合わせも増えていると伺っています。
Youtube概要欄では、ゲストの方のプロフィールや、Twitterアカウント、サイトへのリンク等を自由に掲載できるようにしております。このころから、発信同時期にYoutubeをはじめた方とのコラボもやるようなってきました!
ドイツ出身のYoutuberのMaxie (@germanintokyo) はチャンネル登録数5,000人超えの先輩Youtuberで、ドイツ語の学習チャンネルを運営しています。
視聴維持率、サムネイルクリック率等の細かな指標の説明やYoutube改善ツールvidIQについて話してくれました。
同時期にはじめた根岸さん(@masa_corleone)はWEBマーケティングのノウハウを発信する「サクラサクチャンネル」を運営されていて、コラボさせて頂きました!
情報は発信する人に集まる
正直、当初は通常業務に加えてYoutubeを週2本配信し続けるのは大変でした。週末や仕事の合間の時間を使ってコツコツ続けてきました。今は習慣化しているので撮影がないと、そわそわするくらいになっています。
前述のように情報を発信して得られた効果は計り知れないほどあります。そして何より、情報を発信し続けた事でたくさんの情報が集まるようになりました。だって、第一線で活躍するマーケターの方にマンツーマンで色々教えて頂けるんですよ!
また、自社のメンバーと動画を撮影する事で、これまで社内で言語化されづらかったノウハウが言語化され、メンバーに共有し易くなったのも良かったと思います。
まだまだ発信したい自社のノウハウやお客様の声がたくさんあり、企画、撮影、編集を進めていきます!ホントはお声がけしたいけど、人見知りなせいでお声がけできなくてもじもじしているマーケターの方もたくさんいます(汗)
目標は、
・2021年末までにチャンネル登録数 3,000人
・2022年末までにチャンネル登録数 5,000人
・2023年末までにチャンネル登録数 7,000人
・2024年末までにチャンネル登録数 10,000人
です。
10年以内に10万人の銀のプレートが欲しい…けど、街の喧嘩自慢とのスパーリングやぼったくりバーの潜入はしたくないので、Youtubeの視聴時間とYoutubeを通してのご縁の広がりを見て取り組みたいと思います。
実家の父にも「祐希のYoutube3年続けたら、大きく花開くから頑張って!」とアドバイス頂きました。父にはどんな世界が見えているのだろうか…
YouTube Live等、まだ使いこなせていない機能もたくさんあるので楽しみです!ちょっとした変化や動画を通しての学びや気づきを楽しみながら引き続き頑張りますので、これからも生温かく見守って頂けますとうれしいです!
文:徳田祐希(@yukimeru0305)、編集:加納宏徳(@hirokano123)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?