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2018/09/07 HeatMiser / Sachiko M / all about paradise / Naoya Takakuwa(band set)【Summer, Daydream with you】@渋谷Saravah

HeatMiserの3rdアルバムのリリパ(当日は諸事情により未リリースだそう)。
会場は渋谷駅のBunkamura近くにあるSaravah東京。
ライブハウスというよりかはカフェ&バーみたいな場所で、テーブル席が備え付けられてる。
この日のイベントでは、古本・絵本店の出店、絵の展示もあったんだけど、それら含めた会場の雰囲気がシックで落ち着きがあり、個人的にはかなり落ち着く空間だった。ライブハウスみたいなガラの悪さ・うるささはないので、そういうのが苦手な人にオススメしたい空間だなと感じた。

ビールを頼み、ステージ左最前のテーブル席に座ってじっくり鑑賞。
この日の出演者は4組とも座ってじっくり鑑賞するにはぴったりな音楽だった。

Naoya Takakuwa(band set)

ギタボ、シンセ、ベース、ドラムの4人組。メンバーみな芸術家気質な風貌・佇まいを感じた。
淡々としたシニカルな雰囲気のサイケデリックロック、みたいな印象。大きな変化や刺激的な展開などはなく、エンターテイメントとかではなくあくまで自分たちの表現に没頭しつつ伝わってくる印象は低い温度、というのが良かった。
最後の曲やる時間が10分あるため、「エクストリームロングで」と言って予定調和でなくその場で気の赴くままの表現をする、という感じに、いいなあとなった。

all about paradise

以前exPoP!!!!!で観て以来2回目のライブ。
初めて観たときは、とにかく演奏が素晴らしく、音源など一切聴いたことなかったのにすぐに引き込まれたのがとても印象に残っている。
その日のライブを見た後に物販で、ベースの西原さんに「ベースの音の鳴っている長さが絶妙で、それが気持ち良さ・グルーヴを生んでいる」みたいな話をした覚えがあるけど、今回観て感じたこともその点にさらに踏み込むものだった。

とにかく全員の、音に対する「フェチ」とも呼べるような偏愛・執着を感じた。「これをこうして、こういう塩梅の、この音じゃなきゃダメ」みたいな。自分が最大限に気持ちよくなれる音(そしてそれはまた観客も同じ)を全員それぞれ知っている、みたいな。それは客観的に研究した結果なのかもしれないし、ただ自分が気持ちよいから弾き続けて感覚的に習得したものなのかもしれない。
ともかくそういう「聴かせる音」としての魅力が最大限に高められている音なので、もう楽器単体の音にフォーカスして聴いてるだけでうっとりしてしまうし、「鑑賞」という気分になる。
今回テーブル席でじっくり鑑賞する環境も手伝って、このバンドのそういう側面をひしひしと感じたのだった。

Sachiko M

全く存じ上げなかったのですが、サイン波即興奏者とのこと。大友良英さんとの共作歴ありとのことで、勝手にノイズミュージシャン的なイメージで臨んだんだけど、その静けさに驚いた。確かにノイズミュージシャン的な思想というか緊張感のようなものは感じたけど、結構自分にとっては新しいきづきを得られた演奏だった。

というのは、この方の演奏で鳴り続けている音、あからさまな変化がほとんどない。人によっては「耳鳴りにしか聞こえない」という、ある意味ただの信号音が途切れることなく鳴り続け、微かにそれが揺らいだりノイズっぽく変化(グリッチ?)したりする。
自分も含め一般的な人は「これ、音楽?」ってなると思うんだけど、まさにそこが鑑賞のポイントかなと。即効性やメッセージ性が押し出された音楽に日々触れすぎているためか、このサイン波に対して意味とか印象を感じられないんだと思う。

そんな中で、目を閉じてじっくりサイン波に耳を傾けていると、音の微かな変化に気づく。もしかしたら何も変化してないかもしれないけど、揺らいでいるような感覚を覚える。音が揺らいでいるのか、自分が揺らいでいるのか。わからない。聴き続ける。景色が浮かぶような、真っ暗闇なような。向こうで鳴ったイスを引く音や、バーカウンターで何かを取り出す音が聞こえ、むしろそちらにより音のカラフルさを感じたり。

そういった「感覚を研ぎ澄ます体験」「目の前のものが何かをじっくり考える体験」「音楽とは何かを考え込む体験」は、自分にとって新しかったし、新しい視点を得た。

HeatMiser

今日のお目当て。聴き始めたのはごく最近だけど、2ndアルバムが気に入ってよく聴いている。

礒尾さんは想像以上に謙虚で拙く、愛を言葉にする人だった。
リリースパーティーって結構ロックバンドとかだと恒例行事的なものを感じていて、主催のバンドがMCとかで感謝を述べたりしていても、イマイチ心が動かなかったり、予定調和的な挨拶、みたいに感じられてしまう自分がいて。
そんな感覚がある中、礒尾さんはある意味全然主催バンドらしくないというか、自信に満ちてたり小慣れた感じがしなくて、すごく「等身大な感謝」とも呼べるものが伝わってきた。
そんな彼女の姿勢であるからこその、あの出来事を慈しむような音楽なのかなと感じた。そのようにまっすぐいられることは当たり前じゃないから、そのままでいてほしいと思いつつ、今生まれている音楽を大事に聴いていきたいなと思った。

#日記 , #音楽 , #ライブレポ , #ライブ

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