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2019/01/10 the moopees / eStrial / 101A / about tess @池袋手刀

about tessの自主企画イベント"number six vol.1"。会場の池袋手刀は大好きなライブハウスなんだけど、職場から歩いて5分くらいで行けるので最高。池袋の北口は100円の安いコインロッカーとかあって身軽に行けるのでさらに最高。

お目当てはthe moopeesだけど、eStrialはドラムの篤人さんが前やってたバンドのファンだったから気になってて、101Aもファンで、about tessも気になってたバンド、ということで、個人的にすごいお得イベントだったので迷わず来た。

the moopees

the moopeesは、dummy-xDという活動休止中のバンドのメンバーから結成された3ピースバンド。Gtの高麗匠という方が脱退してしまい、それ以外のメンバーで結成された。いまだにちゃんとしたHPとかなく告知も細々としていて、あまり人から発見されない中で敢えて活動しているような秘密感漂うバンド。自分はdummy-xDのファンだったので、密かに活動を追っている。今日は2回目に観る。

なんといってもVo/Gtのアンクーさんの神経質で、鋭くも脆く、他を寄せ付けないオーラを纏い、内に篭りながらもそのエネルギーが耐え切れず殻から歪に噴出しているような、そんな佇まいとサウンドと世界観が魅力で、自分は大好き。dummy-xD時代はギター2本構成のため、より立体的な冷たい迷宮のような世界が広がっていたけど、the moopeesではより削ぎ落とされて無骨で、アンクーさんの鋭さ脆さがよりフォーカスされたような感じ。

前回観たときとおそらく曲がそんな変わってないので、あんまり感想は変わらないけど、神経質なカラーは据えたまま曲にはバリエーションがありいい感じ。ディレィのアルペジオみたいなフレーズが多用されてる曲と、「ジャキジャキジャキジャキ」ってギターフレーズから始まる曲が好き。ミニマル感、とは言わないかもだけど、リズムを強調するようなシンプルなフレーズが多めで、ポストパンク的な陶酔感+アンクーさんが醸し出す内省的な世界観がthe moopeesの特徴であり最高に好きなところかな。

eStrial

今日一番目当てのお客さんが多かった印象。女性ベーシスト(高原未奈さん)擁する3ピースバンド。ヴィジュアル系の哀愁・節回しに、ジャズ・ファンク・フュージョン的なギターエッセンスを混ぜたような音楽性。ドラムの篤人さんが前にやっていたSugarというヴィジュアル系バンドが大好きだったんだけど、結構その音楽性に近い感じがする。Sugarからもっとヴィジュアル系由来の耽美さを薄めて、普遍的なポップネスを加えている感じ。初めて聴いたけどかなり好きだった。

あと、こういうヴィジュアル系的な湿り気がある音楽で女性ベーシストのバンドって、なかなかいなかった気がしてて、そこが個人的にツボだった。先入観かもしれないけど、女性ベーシストは男性と比べて音の角が立たない傾向にある気がしてて(腰でリズムをとる人が多いから?)、音の丸みと品のある立ち上がりがこういう音楽性にすごいマッチしてると思った。

↓はファンク的カッティング全開×ヴィジュアル系的ウェットさ、という感じでめっちゃ気に入った「she's gone」という曲。また観に行きたい。

101A

何度かワンマンライブを観に行っている101A。対バンで観るのは初めて。ワンマンだとバッチリ衣装で出てくるので、この日はthe kさんがパーカーにフードで出てきたりしてちょっと新鮮。ダーク・耽美さを見せつつ、ビートを強調したカジュアルにノレる曲(「dawn」とか「sex slave」とか)も織り交ざってて、結構フレンドリーなセトリだった印象。

about tess

初めて観るabout tess。ツインギター、ツインベース、ツインドラムのインストバンド。1曲10分はあるような長尺に、ポストロック・ヘヴィメタル・ミニマルなどの音楽がおもちゃ箱みたいにごちゃ混ぜになっていてめちゃ面白かった。人によっては退屈しちゃうかもだけど、あそこまで振り切って、お客さんに媚びたりせず、ひたすら自分たちの世界を全力で没入して表現しきっているのはめっちゃ良い。アンコールで「さくっとやります」って言って初めた曲が一番良かったな。一番最後、バーーってみんなで音出して、Gtのtakutoさんがガッってギター振るのと同時に音が鳴り止むっていう演出、「ロックバンドだ!!!」って感じで思わず声が出てしまった(歓声も上がっていた)。池袋手刀は硬派ヴィジュアル系が強い印象だけど、こういうロックバンド然とした(といってもアート志向だとは思うけど)バンドまで幅広くカバーしているのが最高だなあと思う。

4バンドとも結構音楽性は違うけど、どこかアート志向というか、眠っている何かを呼び起こさせるような力のある音楽で、こういう人格のあるブッキングのイベントは大好きだなあと改めて感じ入りました。

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