マガジンのカバー画像

死者の書

15
死者の書
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事

水葬、深い海の底で

2023年4月20日(木) シンガポール チャンギ国際空港 -TRANSIT- 30代後半にそれまで長く勤めて…

40

続・H氏への斬奸状

前編 続・H氏への斬奸状 3人目の、いわば最後の長老は工場内の「設備」、つまり家具製造に…

Yukitaka Sawamatsu
3か月前
126

H氏への斬奸状

序 わたしにはこれまでの半生で、何度か転職を重ねてきた過去がある 赴任地を挙げれば日本…

Yukitaka Sawamatsu
3か月前
148

バリ島からの手紙

2024 06-13 APR 拝啓 様 万緑のみぎり そちら日本におきましては、木々の緑が色濃い時期…

Yukitaka Sawamatsu
4か月前
202

次は、誰かの葬列で再会するのだろう

次は、誰かの葬列で再会するのだろう 唐突だが、わたしは、いわゆる「付属校推薦」の枠でそ…

Yukitaka Sawamatsu
4か月前
153

11月は友人を亡くすのにふさわしい月ではない

11月は友人を亡くすのにふさわしい月ではない 日付をもたない日々 おそらくはきっと、誰し…

Yukitaka Sawamatsu
9か月前
144

この世の終わ りも 怖 くな いみ た い

約六か月前に掲載した作品を改題し、内容を再編集し再投稿 Pamplona, SPAIN パンプローナ赴任時の数年前の記憶 わたしにはこれまでこの10年で、ベトナムでの小さな赴任経験と、さらに小さな、スペインでの赴任経験がある いずれの国でも、例えば食あたりや風邪で現地の病院にかかったことはあるが、その夜はちょっと勝手が・・・違った 結論から書けば夜中に救急病院へ搬送され、首を7針縫い、キッチンの床は血まみれに・・・ 要するに日本ではない場所で、緊急事態が発生し

スマラン、世界の静かな中心

前編 Pamplona、SPAIN 2018-2019. 過去 Ⅵ  その日、旧市街のEL GAUCHOでLuisとRita夫妻…

133

スマラン、夜の重たい雨の匂い

INDONESIA Semarang、2023 現在 Ⅰ  雨だからということが、何か特別な感情を揺り動かし…

113

_UNDER_ WATER

0   8  今年の春に一時帰国休暇を利用して福岡に帰省した際、残念ながら桜はすでに散り…

124

サラティガ、月

INDONESIA  昨年の暮れから今年にかけて、わたしはここインドネシア、首都ジャカルタの高…

151

ウンガラン、霧

INDONESIA   繰り返し見る夢がある  それは福岡の実家の玄関先で、季節はいつも冬だ わた…

139

鬼火

2019年3月27日― わたしにはこれまでこの10年で、ベトナムでの小さな赴任経験と、さらに小さ…

7

死者への祈り

10年以上も前のこと 私が20代も半ばを過ぎた頃、当時勤めていた会社の上司とふと、2人で食事に行く事になった その上司は当時40代後半の方で、社内でもかなり高い役職に就かれており、ほとんど話しもしたことがなかったが、その夜偶然会社の入り口で鉢合わせたのだ かなり困惑したが、タクシーで連れていってもらったのは、確か赤坂辺りにある古民家を模したような古い小料理屋で、着物を着た仲居さんに先導されて、暗い廊下をしんしんと歩いて着いていった記憶がある こうした格式ある料理屋に入