喜びあふれて 〜 overjoyed 〜

Stevie Wonder のこの曲『Overjoyed』に出会ったのは、たぶん高校生の頃。水の音、鳥のさえずり… 印象的なギターのオブリガードとストリングス… 南国の楽園のようでもあり、宇宙的な浮遊感もある… なんだかとても不思議な、重層的な美しさを感じる曲です。

そして、その後年月が経ち、Esperanza Spalding が2009年にオバマ政権時代のホワイトハウスで演奏した動画を観たとき、私はこの曲に出会い直したように感じました。Upright Bass を弾きながら歌う Esperanza のパワフルで理知的な美しさ… Stevie 本人と Obama 夫妻を目の前にしてこの表情… 自信に満ちて、なんて素敵なんでしょう!彼女からあふれる力強い美しさが(その音楽性のみならず)この歌詞の、喜びがあふれ愛があふれる世界観(80年代 Stevie 版『愛の讃歌』かもしれません)をしっかりと伝えている、私はそう感じます。
(余談ですが、先日のアメリカ大統領就任式で Amanda Gorman が詩を朗読する姿を見たときにも、私は同じように感じました)

曲の中で何度も絶妙な転調が訪れて、それは波のように押し寄せては引いていき、終盤さらに大きく押し寄せ、やがて静かにおさまっていく…(Stevie のオリジナル版では、実際に波の音が入ってますね)歌ってみて初めて、この曲のいわば "身体性" のようなものに気づけたように感じます。

さて、この詞にも【超•ゆき訳】を付してみました。愛と喜びの高揚感にあふれた世界… やっぱり Stevie は愛のひとなんですね。素晴らしいです。大好きです。

喜びあふれて

時をこえて 
愛の城をつくってきたんだ 僕たちだけのために
君は知るはずもなかったね 君こそが僕の理由だったこと
でも今ならもう言わせない この愛の城が要らないなんて 

夢をこえて
僕が選び取ったのは 完璧なひとつ
君は知るはずもなかったね 君こそが僕の夢だったこと
夢見の魔法使いは はるばる遠くからやって来てくれたんだ
だから君にはもう言わせない またいつかね、なんてこと

君は信じないの? それが叶うってこと
僕の夢は叶ったのに? 君を見つけたときに
君も信じてくれたなら 君だって
喜びあふれて 愛あふれて 僕のもとへ 

心をこえて
我慢づよく探してきたんだ ひとつひとつを
そしてやっと分かったんだ 探しものはもう手にしていたと
だからね、僕にはとても思えないんだ
探していた愛が 僕のものじゃないなんてこと

勝ち目がないなんて そんなこと誰にわかるの?
これがほんとうの愛なら チャンスがあれば
そのチャンスさえあれば 君だって僕みたいに
喜びあふれて 愛あふれて 君があふれて


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