「同人誌って何?」と思ったら、この本を読んでみよう(読了して、追記しました)

 今日、遅く起きた朝で、たまたま洗濯機が終わらないかなと思いつつ新聞を読んだら、3面の広告で飛び込んできたのがこの本。

 なのでまだ内容をレビューできるほど読み込めていないし、そもそも店頭などで見かけていないのですが、ここで紹介したいため掲載しました。

 最近、コミケという言葉と共にじわじわと広まっている(?)「同人誌」。
 本来は好きなものが一致する同志の間で読みあったり配布しあったりする自作の創作本をさしていました。
 今でも変わりませんが、市場が大きくなって、同人誌を自分で作ったことのない方の中には、バーコードやらがついていない(言い換えれば、普通の商業本屋では置いていない)萌える絵の本、っていう感覚で捉えている方もいるのではないのでしょうか。
 私も実は、去年今年と自分で本を作って配布するまでは、そういう認識から入っていきました。

 だからこそ、これから同人誌っていうものに触れる人、あるいは「同人誌は○○じゃないとおかしくない!?」って思っている人にちょっとでもいいから読んでほしいな、と感じて、例外的に読了する前に載せました。

 出版社公式サイトでは、コラムに同人誌の作り方やイベント参加の礼儀がある、ということですので、そちらをメインに購入してもいいのではないのでしょうか。
 私もできるだけ早くこの本を読んで、具体的な感想を述べたいところです。

(2020.03.22追記)

 本を購入したのが、2020年の2月の頭、そして読み終わったのが2020.03.21でした。私はよほど乗り気になったりスキマ時間がないと、本を中々読み進めないタイプなので、本の購入が遅くなったことと相まって、感想をまとめるのが大変遅くなりました。

 最初に述べますと、この本は「まったくの同人誌初心者」にはちょっと向いていないかなと感じました。一応手広く同人誌の用語解説がされていますが、紹介の仕方として、コラムの他に登場人物の会話や行動に補足を入れている形をとっているため、一度同人誌に触れたことがある人か、身近な人に同人誌になんらかの方法で関わっている人がいないと、想像がしにくい構成になっていました。
 なので、とりあえず同人誌についてなんにもしらないから知りたい、という感覚では「?」が浮かんでくると思われます。

 では、どんな人がこの本の読者として向いているのか。
 それは、同人誌を作ってみたいけれど勇気が出ない人と、同人誌を作っているものの惰性になっている人、の二種類の方におすすめだと感じました。
 この本は、登場人物と舞台設定こそフィクションですが、本を通じて伝えたいメッセージは作者の実体験に基づいています。これはあとがきで判明します。
 主人公は、仕事ができないが、食っていくためにとりあえず社会にしがみついている、無気力で自分の中に何もない30歳のOL。彼女が同人誌作りを知ることで、空虚だった自分自身や自分の生活にささやかな事柄を見出していく、という流れになっているのです。
 そのため、本の内容はタイトル通りではあるけれど、普通のハウツー本として手に取ると、ひねりくねった独特の文体と相まって、素直に読めない可能性があります。
 逆に言えば「私、何がしたいんだろう」「私、何かやりとげたことってあったかな」と漠然とした思いを抱えている同人誌制作初心者の人には、ぜひそっと背中を押す形で、この本を差し出したいと私は思います。
 また、最初こそ純粋な楽しみで同人誌を作りはじめたのに、SNSなどの世間体にもまれるなかで、売上や人気に意識が飛んでしまっている経験者の方にも「ちょっとこれ、読んでみない?」と、渡したい本かなと個人的には感じました。

 余談ですが、主人公の立場や同人誌をつくるに至った背景、そして同人誌即売会に参加した結果に関して、私は「これ、私のことを書いているのかな!?」と思わず錯覚するぐらい、似ていました。さすがにまったく同じってことはなかったんですけれどね。それでも、この本の流れをちょっと変えたら、私の同人誌制作デビュー話として成り立つぐらいには、偶然にも重なりました。こんなことってあるんですね。

 最後になりましたが、この本を読んだ人が、同人誌を作ろうと思い立たなくても、同人誌ってこんな感じなんだって思ってくれたら、それだけでも嬉しい。そしてなにか行動をはじめてくれたら、それが同人誌制作だったらニヤっとしたい、そんな気分にさせてくれる本でした。

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