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ワタシの会社をつくるということ

2022年2月1日、誕生日に会社を設立した

もっとも、これまで約12年間、個人事業主としてやってきての法人成りなのでこれまでと大きく何かが変わるということではないのだけど。

それにしても、ああやっと法人化できたな、という思いと
いろんな意味で第二創業だな、という思いがごちゃごちゃというところが正直なところ。

誕生日は私にとっては生まれた日という以外にも特別な日だ。
37歳の誕生日は期限を1年と決めて婚活をスタートさせ、
38歳の誕生日は結婚式をしていた。

私には人生の大事な節目は誕生日に設定すると何だかうまくいくという自分なりのジンクスがある。

22歳で社会人になってからほぼ倍の年齢になった。

就活をしていた頃、私のキャリアの目標は

バリバリのキャリアウーマンになること

そのバリバリのキャリアウーマンとは今でもどんな人なのかはいまいち分からないけれど、ただ22歳の私にはイメージだけは完璧にあって分かりやすく言えばビシっとスーツを着て仕事が出来るカッコいい女性になりたかったのだと思う。

あれから約20年

途中、病気で1年休んだ時を除いて、ずっと働いてきた。
そして、たくさんの仕事をさせてもらってきた。
ホテルマン、営業職、ウェディングプランナー、研修講師、キャリアコンサルタント、採用支援

人生100年時代、だいたい折り返しに来た昨年末、会社を作ろうと突然覚悟が決まった

理由はもちろん人並み!?にいくつかある。

最も大きくて壮大だけれど、これが私の最大のモチベーションというのは
いま4歳の息子が社会人になる頃に、今以上に「いい会社」がたくさんあったらいいな、そしてそのお手伝いができたらいいな、ということ

そして物理的というか諸事情でいうと
一人で目標に向かうより、チームで成し遂げることを選んだこと
今の私の主たる事業領域のHR系、採用支援や人事支援などはB to B
事業で経営者を相手にすることがほとんどで、お取引先が増えるほど法人化することは必要性に迫られたこともある。

でもなんだかんだ言って、内心この理由も大きい

事業をしていく覚悟

誰よりも自分に圧をかけたかったのかもしれない。
本気度を示すために

女性活躍とか何とかが叫ばれて、なかなかの時間が経過した。国とか行政のシステム的に言えば、超少子化、超高齢化社会にとっては女性もシニアも働きたい人たちの労働力を全力で使えるように支援する一択だと思うのだけど、今回は国とかそっち側の女性活躍そのものをどうのこうの言いたいわけではない。

話題にしたいのは、女性側にある「活躍を阻むもの」の話。

私は最初の仕事がホテルマンだったこともあり、男性が女性がと区別される会社であまり働いたことがない。20代は法人営業職で経営者はほとんど男性で初回のアポが取りやすいという意味では得なことしかなかった。なので、時々就活生に質問されるような「女性として働いていて不利に思ったこと」的な話はあまり思い浮かばないのだけれど、そもそもこのような質問にある前提がとても気になっていた。

「女性は働く現場では不利なのかもしれない」という思い込み?前提?

もちろん、そのようなこともあることは理解しているし実際それを感じながら、いや考える余裕などなく踏ん張って仕事をしている女性もいらっしゃるだろう。

でも
女性だから○○

これに縛られる勿体なさの方が個人的には気になる

実際、私も会社を作りたいと思ったとき自分の身の回りを考えた

息子は4歳、まだまだ手はかかる
夫は平日帰宅は平均21時半。ワンオペは確定だ

その環境の中で法人化してお客様に迷惑をかけず利益を上げ、事業を継続できるのか

おそらく子供が小学校に上がってから、とか子育てが落ち着いたらとか、思って当然だと思う

でも私は何となく知っている。
おそらく子育てが落ち着くというのは息子が18歳で家から出て行ったときだということを。

40歳で母になった一人っ子の私は親としての役目と子どもとしての役目を同時進行でまわすことを、ある程度は覚悟していて、

具体的に言えば、子育てと親の介護、いわゆるダブルケア

実父は今年82歳
男性の平均寿命を超えた

幸い元気でいてくれるから今のところは大丈夫だけれど、きっと介護は突然やって来る。

自分のそして事業の3年後を考えたとき、息子は7歳、父は84歳
保育園より小学校に上がったほうが夏休みなど苦労するよ、と先輩ママからよく聞くし、そして御年84歳の父

もう、未来は誰にも分からない
やりたいことは「今」しよう

私にとってやりたいことは会社を作ることだった。
そして私じゃなくても、オンナが会社を作るということはきっと自分と世の中への覚悟の現れだと思う。

誤解を恐れずに言うなら、子育て中は、自分への言い訳を作るには何かと都合がよい。
(※もちろん状況は人それぞれ違うからあくまでも自分主観の話をこれから展開します)
出来ない、やらない理由を「子育て」にしてしまえば自分も他人もある程度は納得してもらえる

だけれど、自分は決してごまかせない。

私自身、女性だから、子育て中だから、その偉大なるエクスキューズを発動させればさせるほど、自ら選んだはずの選択がどんどん他責になっていく気がしてならない。

自分の人生を他責にする怖さも全て受け入れて、女性だから○○、子育て中だから○○で人生を送ることももちろん一つの選択だけれど。

       ***


バリバリのキャリアウーマンになる、という22歳の私の職業観は倍の年齢になり一周回って180度変化した。

20代の頃、成功したいなら男性の2倍以上働くとか、睡眠時間を削ってこそだよと言われたことがある。当時はそれを信じてがむしゃらに仕事をしたし、それなりの成果も出せた。

あの時期があったから今があるとも思うけれど、一方で20代だからできたなという思いもある
45歳で年齢的に確実に初老!?になり、その上、生物学上おそらくイレギュラーな時期に子育てをしている私。
体力的も現実的にも男性の2倍働くのはほぼ無理である。
そもそも24時間のうち仕事に使える時間がそれはそれは限られている。

ということは、元気な体を維持出来る睡眠時間をとり、子どもと夫との時間を大切に笑いあって過ごし、そして使える最大の時間を効率的に使い、成果をあげていくしか方法はない。

究極にハイブリッド型の社長だな

もちろん会社経営は甘くないだろう。
でも経常利益10億目指そう、とか、そんな男性的というか昭和的というかそんなギラギラ起業でなくても自分もクライアントも家族も幸せになれる形があるはずだと信じたい。

そして私の会社の良さは、大きな企業ではおよそ割に合わないかもしれないきめ細やかな(自分で言うのは何だけど)対応や仕事の丁寧さで価値を感じていただいているのだから、数をこなして売上を上げる的なやり方では自社の価値がガタ落ちだ。法人成りをして一番お客様に感じさせてはいけないことは、会社にしてから仕事が雑だよねということだと心から思う。

今回の私の選択はバリキャリの会社設立というのではなくて、一つのキャリアとして選択肢として社長になるというコンテンツがあることの実験とも言えるかもしれない。

令和の時代、これまでのやり方、イメージ、全て変革する時代だと思う

ママでも介護してても、仕事に使える時間に制限があっても、自分の会社をつくり、自分らしく社会に役立つ事業をし、そしてハイブリッド型でも成果を上げ続けて会社を継続させていく。
そんな価値観と選択肢がフツーになったらいいなと思う。

何より、それが女性として自分の人生に対してのオーナーシップを持てる強力な方法の一つだと信じている。

人生の正午を過ぎて始めた私にとっては壮大なる実験。
いただいた命と人生を存分に味わい尽くし、社会に貢献し、人生に最後にはああやり切ったなと言って幕を閉じれたらいいな。

家族とお仕事をいただいているお客様、そして関わってくださる皆様のおかげで、会社を作ることができました。心から感謝致します。

全てはこれからがスタート。
引き続き精進します。
これからもよろしくお願い致します!

2022年 2月吉日
株式会社ファイブスターズカンパニー 
 代表取締役 瀬口有紀




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