佐藤正午さん「ファンならではのネタ」をわたしに語らせてください(その2)「日宇町の高校生さん」

第二弾です。昔の佐藤正午HPのことを書いているうちに思い出したことをつれづれと書きます。

日宇町の高校生さん(たぶん女の子)が、HPに書き込みしていたのはいつの頃だっただろう? もしかしたら前世紀かもしれないし、あるいは今世紀に入っていたのかもしれない。それくらい昔のことでした。

「日宇町の高校生」さんは「はじめまして!」の書き込みをして、HPのみんさんに暖かく迎えられました。佐藤正午先生の作品が好きで、全部読んでいるとのこと。すごいねえ〜。地元で佐藤正午本が充実しているとはいえ全部読む情熱はかなりのものです。

とりわけ「日宇町の高校生」さんをあたたかく迎えてくれたのは、他ならぬshogoせんせいでした。

「全部の作品を読んでくれて本当に嬉しい、表彰状を贈りたい」とのことで、その表彰状の文面もHPで見たような記憶があります。あれは、結局郵送で送られたのでしょうか? 真偽はわからないけれど。きっとあたたかいメッセージとともに届いたのではないかと想像しています。

佐藤正午さんがデビュー前に、「諫早菖蒲日記」の野呂邦暢(くにのぶ)さんに感想を送った話は、ファンの間では有名です。「君の豊穣(ほうじょう)な未来に期待する」という返信が書かれていたとのこと。のちのち「日宇町の高校生さん」のエピソードを、わたしはこの話とセットで思い出すようになりました。

本名も知らない「日宇町の高校生さん」の今をときどき想像してみます。彼女は文筆に関わる仕事をしている。たぶん、まちがいなく。いろんな選択肢がある時代だもの、小説家ではないかもしれないけれど。脚本家、エッセイスト、コピーライター、翻訳家、あるいは企業の広報部で文章を書いているかもしれません。彼女の書く文章は、夏のここちよい風がさっと吹くように鮮やかです。いったん立ち止まって、その風を味わって、心地よさを記憶しながら元の現実にするりと戻れるような、そんな鮮やかさ。今もそんなふうに彼女は生きているような気がします。あるいは、実は高名な小説家になっていたりして。

昔々の楽しい記憶が今もわたしの心に続いているように。彼女の胸の中にも「意識していないけれど続いているもの」があるような気がするのです。ごめんなさい、あくまで私の願望ですが。

どんどん思い出して、まだまだ続きます。

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